花つみ
劇場公開日:2011年9月24日
解説
青春と性をテーマに監督たちが独自の個性で自由に製作する「青春H2(セカンド)」シリーズの5作目。監督は、佐藤寿保、瀬々敬久、佐野和宏と並んで「ピンク四天王」と称される一方、「ジャイブ 海風に吹かれて」(2008)など一般映画も幅広く手がけるサトウトシキ。工場勤めの健太は、妻が死んでから記憶が1日しか保てなくなってしまう。そんな健太を気にかける同僚のあさこも暗い過去を引きずっており、誰かに殺してほしいという他殺願望を抱えていた。いつしかあさこは健太の部屋に通うようになるのだが……。
2011年製作/90分/日本
配給:アートポート
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2018年11月12日
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鑑賞方法:映画館
21歳で処女のあさこ。冒頭ではあさこの母が夫の浮気に悩んでいたようだが、自殺してしまったらしい。そんな根暗なあさこにも気になる存在があった。同僚の健太を追いかけ、彼が妻を殺してしまったのではないかという噂も知りたかった。そうして健太のアパートに押しかけて、強引に泊まる。しかも性的な目的ではなく、殺されたいという願望のためだ。
あさこの職場には同年代のめぐみ、その彼氏のゆきおがいた。ゆきおはあさこのことが好きになり、処女を奪おうとするが「好きなんだったら殺して」という言葉に萎えてしまう。セックスすると枯れてしまう・・・美しい処女のまま摘まれて欲しいという願望があったのだ。
1日しか記憶を保てないストーリーには『50回目のファースト・キス』や『ガチ☆ボーイ』と設定が同じだが、この低予算映画には殺人なんてものが絡んでるため、どことなくミステリアス。
印象的なのは、布団にぐるぐる巻きにされ捨てられたあさこがムクッと立ち上がって、その後のシーンではビル屋上の上にモスラの幼虫のように立ちすくんでいるところ。健太が好きだったと気づいても未だ殺されたいという願望があったらしく、そのまま健太に首を絞められて絶命。健太は気が狂ったように飛び降りるものの死ねなかった・・・最後のシークエンスは青春の疾走といったイメージもあるが、殺さずに途中で思いとどまってくれた方がストーリーとしては完璧かもしれない・・・アサガオというテーマや処女のイメージのモンタージュもなかなかいい出来だけど、ちょっと残念なのは健太の記憶障害がどこまで真実だったのかがわかりにくかった。ボロアパートの壁に朝することを箇条書きにして毎朝復唱するのだが、そのとき「僕の記憶は一日しか保てない」とわざわざ言わせてるんだから・・・彼の自己暗示なのだろうか?