我らが愛にゆれる時
劇場公開日 2011年8月13日
解説
カンヌ、ベルリン、ベネチアの世界3大映画祭の受賞作を中心に、各地の映画祭で話題になりながらも日本未公開だった作品を一挙上映する「三大映画祭週間2011」にて上映。余命わずかの娘ハーハーを救うため骨髄移植が必要なメイ・チューだったが、自分も前夫のシアオ・ルーも適合検査で一致しなかった。焦ったメイ・チューは人工授精でもう1人子どもをもうけ、臍帯(さいたい)血移植でハーハーを助けようと決意するが……。「北京の自転車」「上海ドリーム」などで知られ、中国第6世代を代表するワン・シャオシュアイの監督作。2008年・第58回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(脚本賞)を受賞。
2008年製作/115分/中国
原題:左右 In Love We Trust
配給:熱帯美術館
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2011年9月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
“三大映画祭週間2011”上映作品
もし、一人愛娘が
不治の病に侵されたとき、
唯一の道が社会倫理に反する
かもしれなくても、親として、
助けようとするかどうか。
みなさんなら、どうしますか?
そんな問いかけが
今作のテーマになっています。
・バツイチの奥さん
・現在の旦那さん
・前夫との間に産まれた一人愛娘
・バツイチの前の旦那さん
・現在の奥さん(スッチーで若く綺麗)
愛娘が白血病に。
助かるには移植しか道は残されていない。
しかし両親とは型があわない。
そんなとき、医者が母親に告げる。
「妹か、弟が、産まれれば、型が一致する確率が高い」
母親は意を決し、
現在の夫と、前の夫に、
衝撃の決断を伝えるのであった・・・。
◇ ◇
注目すべきは、
大人の苦悩を描いているだけでなく、
パッと見、なにも知らないようにうつる、
娘が、自分の身に起きている出来事に感づき、
周囲の大人たちを気遣う様子を、細かい心の
揺らめきまで映しきっていること。
“愛”は
親から子への一方通行でなく、
子から親へもそそがれている。
そして、たとえ、
血の繋がりはなくとも、
“愛”の形に違いはない。
それは、社会通念上、
許容するのが難しい一線を
超えてしまったとしても同じ。
“愛する”がこそ、
相手を赦し、理解しようとする。
“愛する”がこそ、そろって
“愛”を守り、育もうとするのです。
☆彡 ☆彡
“派手”と“地味”
“原色”と
“上流”と“下流”
住む世界の対比、
女性の流産体質といった、
デリケートな内容も組み入れながら、
男性監督・脚本とは思えない、繊細な
タッチで、話は構築されていっています。
『北京の自転車』繋がり、客演で
大好きな、カオ・ユアンユアンもサプライズ出演❤
『海洋天堂』と同じく、
喜びのあまり、スクリーンを
見つめながら、一瞬、フリーズしてしまいました(苦笑)
“子”を取るか
“夫”を取るか
そして、もう一つの選択肢
“両方”を取るのか
“愛”とは
“社会モラル”とは、
本来、天秤に量れないものを、
比べた作品でございました。
重めの作品ですが、
良作だと太鼓判を押させて頂きます❤
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