グラン・ブルー 完全版

ALLTIME BEST

劇場公開日:2025年8月29日

解説・あらすじ

「レオン」「フィフス・エレメント」のリュック・ベッソン監督の出世作で、素潜りの深度を競うフリーダイビングに情熱をささげる男たちの姿を描いた「グレート・ブルー」に、49分の未公開シーンを追加した完全版。

幼い頃に海辺で出会い、潜水の腕を競い合っていたジャックとエンゾ。成長したエンゾは、フリーダイビングの大会にジャックを誘う。勝負に燃える情熱的なエンゾと、イルカと心を通わせるように海に潜る孤高のジャック。2人は競い合いながらも、互いに影響を与え合っていく。一方で、ジャックは彼に思いを寄せる女性ジョアンナとひかれ合いながらも、海への憧れと人間世界との狭間で揺れ動く。そんなある日、ジャックは人間の限界に迫るような記録を打ち立てる。負けず嫌いなエンゾは、その記録を超えようとさらなる挑戦に身を投じていくが……。

「グラン・ブルー グレート・ブルー完全版」の邦題で1992年に日本公開された。2010年には、デジタル処理によってフィルムの傷や汚れを修復した「グラン・ブルー完全版 デジタル・レストア・バージョン」としてリバイバル公開。2025年には、4Kリマスター版の「グラン・ブルー 完全版 4K」として再上映される。

1988年製作/168分/R15+/フランス・イタリア合作
原題または英題:Le Grand Bleu
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2025年8月29日

その他の公開日:1992年8月(日本初公開)、2010年8月9日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画評論

フォトギャラリー

映画レビュー

4.5 改めて観ると強く感じる夢と現実の乖離

2025年8月3日
PCから投稿

泣ける

笑える

悲しい

監督のリュック・ベッソンが最初に完成させた上映時間168分にも及ぶ『グラン・ブルー グレート・ブルー完全版』(このタイトルで1992年に日本公開)の『完全版4K』。1988年の初公開以来、これほど様々なバージョンが様々なフォーマットで繰り返し再上映される映画は珍しい。それだけ、カルト的な人気があるということか。

かく言う私も、これを私的カルトと呼んで憚らない"グラン・ブルー・ジェネラシオン"の1人だ。かつて、そのヒリヒリするような映像美と深海への夢に魅せられ、それを盛んにアウトプットしたものだが、再公開にあたり、改めて観てみると、陸よりも海の方が心地いいジャックの手に負えなさが、ジョアンナの絶望的な愛の裏返しになっているところに強く反応してしまった。やはりベッソンは夢と現実の決定的な乖離をフリーダイバーとその恋人を介して描きたかったのだ。ジャックとの語らいではそれまでフランス語だったジョアンナが吐く最後の決め台詞(めちゃめちゃかっこいい)が英語のままで本当に良かった。映画のテーマにも繋がる大事な台詞だし、最初に観た時の印象を壊して欲しくなかったから。

観終わると、エンゾ役のジャン・レノが素敵過ぎて目頭が熱くなった。少々荒っぽい物語が、レノの魅力で全部腑に落ちるからだ。ああ、あんな時代が懐かしいとつくづく思う。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
清藤秀人

4.0 深淵の蒼、紺碧の海、偉大なる青

2025年10月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

完全版4K上映にて。

『グレート・ブルー』の邦題で封切られた当時に観て、めちゃくちゃ面白かった印象がある。まだ20代で感性も尖がっていた頃だ。
後で知ったことだが、短く編集してフランスで初公開された版から、この日本公開版はさらに削った短縮版だった。
封切りでは然程ヒットはしなかったものの、ビデオソフト化された頃からか、徐々に評価と話題が高まっていったと記憶する。当時のソフト化は公開から1年以上後だったと思う。

『グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版』としてリバイバル公開されたのは初公開から数年後で、それが完全版の尺だった(…はず)。このときは行列ができるほど盛況で、残念ながら私は観に行けなかった。
それから随分して(10年以上後か)、WOWOWで放送された『グラン・ブルー』を観たが、それが完全版だったかどうか分からない。いずれにしても、完全版の劇場での鑑賞は今回が初めてだった。
率直な感想は………長い💦
40年近く前に観た2時間程度の短縮版はとてつもなく面白かった(という印象だけが残っている)のだが、2時間半を優に超える長尺版はあの時の印象を凌駕するまでではなかった。
それは自分の感性が老化してしまっているからに他ならない。

透きとおるほど澄んだエーゲ海に飛び込んだ少年が、素潜りでウツボに餌をやる。素手だ。これはどうやって撮影したのか。ウツボに噛みつかれたら大怪我をするのではないか。
映画の冒頭に置かれている、フランス人のジャック・マイヨールとイタリア人のエンゾ・モリナーリが少年期を過ごすギリシャ編は、モノクロ画面に石灰質の白い岩肌がより純白に映え、底が透けるて見える海面は薄墨を流したかのようで美しい。
海中に沈んでいるコインを誰が素潜りで拾えるか。ジャック少年には自信があったが、年長のエンゾに譲る。その様子を見ていた老神父の優しさが沁みる。

大人になってからの、ライバルでありながら、兄弟のようでも親友のようでもあるジャックとエンゾの関係性が面白い。
エンゾの母親は自分の手づくりではないスパゲッティを食べることを禁じている。母に隠れてホテルのテラスでスパゲッティを食べるのだが、これが不味そうなのが笑える。

ジャック役のジャン=マルク・バールと、エンゾ役のジャン・レノは、かなりの場面で本当に潜水している。
鮮烈な映像美に加えて、このパフォーマンスも当時の若者が熱狂した要因だったと思う。
プールの底に二人で座って水中でシャンパンを酌み交わす場面は出色だ。

ジョアンナ(ロザンナ・アークエット)がジャックと出会うペルーの雪凍る高地で、ジャックが氷の下に潜水する場面が特に幻想的だ。氷の下には閉じ込められた空気がアメーバのように彷徨っている。

そして、ロザンナ・アークエットがたまらなくキュートなのだ!

何度か夜の海が描かれている。
穏やかに波立つ海面が月明かりに照らされて絵画的に美しく、そこにイルカが共演すると躍動感が加わって幸福感さえ与えてくれる。

彼らが競い合うフリーダイビングは、フィンあり、フィンなし、ロープを手繰る、などいくつかの種目があるが、いずれも潜っている(息を止めている)時間ではなく自力でどこまで潜れるかという深さを競うもの。
潜れば潜るほど水圧が肉体を襲ってくるという生命のせめぎ合いであり、ジャックとエンゾは人間が耐えうる限界点に到達していた。つまり、記録更新を狙うことは死を意味している。
それでも記録に挑まずにいられない天才フリーダイバーたち。そこには麻薬中毒にも似た恍惚感のようなものがあったのか…。
最も話題の的だったジャックが見る夢のシーンは、『トレインスポッティング』の中毒患者が見る幻と双璧をなすセンスだと言えるだろう。

ジョアンナを置いて、ジャックはその恍惚の世界へと旅立っていく。
それは誰にも想像すらできない別世界なのだ。

コメントする 1件)
共感した! 2件)
kazz

未評価 ラッセンが好きー!!

2025年10月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

角川シネマ有楽町で リュック・ベッソン監督『グラン・ブルー』〈完全版 4K〉鑑賞。音も光も届かない深い海の底にあるという人魚の国。その人魚の魔性に捕らわれ、海の底に引きずり込まれるジャックとエンゾを押し留めることは、地上の女性ごときでは叶わぬことなのだ。#58

コメントする (0件)
共感した! 1件)
はにわさん in 2025

5.0 夢中になって観てしまう映画。

2025年10月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

癒される

前に観て、映画館で観てみたいと思っていた映画を、完全版4Kで観ることが出来て幸せ。

リュック・ベッソン監督、エリック・セラの音楽、美しい映画。

ジャック(ジャン=マルク・バール)
エンゾ(ジャン・レノ)
ジョアンナ(ロザンナ・アークエット)
出演者が皆んな魅力的。

印象的な映像、好きな場面や忘れていた場面もあり、楽しく幸せな時間、改めて好きな映画だと再認識しました。

懐かしい気持ちもあり、新鮮な気持ちあり、ただ映画館で観られる幸せな気持ちあり、本当に楽しかった。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
naomi

「グレート・ブルー」シリーズ関連作品

他のユーザーは「グラン・ブルー 完全版」以外にこんな作品をCheck-inしています。