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見る前はタイトルから山岡小劇場から始めようかと思ったんだが、映画を観てしまったら、山岡を登場させてはあまりにも文字数がもったいないんで止める。
基本オレは映画を人に薦めることは絶対にしない。
理由は主に2つ。
1)薦めることが出来るほどオレは映画を人に説明できない。
2)薦めたあと、その人が鑑賞後ツマンネって思ったのを感じるとやはりへこむ
間抜けなタイトルとネタバレのチェックを必ず入れるのは、レビューとは何を書いてもネタバレってことを信条としているのと同じく、オレの駄文は見なくていい人は是非見ないでおくれ、という意思表示でもある。
だからオレは人にも薦めないし、人に薦められたくない。
オススメって気軽に書く人の気が知れないのは、多分オレだけかもしれない。
さて「4デイズ」。
テロリストが爆弾をセットした。犯人はあっけなくつかまる。爆弾の場所を吐かせるために拷問していく拷問のプロと、非人道的な拷問に反発するFBI捜査官、そしてその拷問でも口を割らないテロリスト。
本作は、この設定を最大限に活かしたまさしく現代のアメリカならではの、恐ろしく、痛々しく、そして空しい展開をみせるワンシチュエーション・スリラーの傑作。こんな映画あってもおかしくはないと思っていたが、ここまでその設定に特化した映画とは思わなかった。
拷問のプロを演じるジャクソン。これまで数々のありとあらゆる役をやってきた彼の集大成がここにある。
彼のやり方に反発し、人道的な方法で解決しようとする優秀なFBI捜査官をアン・モス。頭の切れる口うるさい熟女を実に好演。
物語は拷問に対し、人道的に落とそうとするアメとむちの体制ですすむ。
徐々に口元がゆるくなる犯人、と思えばこれが単なる時間稼ぎに過ぎなかったりする。うっかりアメだけ与えて、声明をカメラに撮らせちゃったりする。
そうしているうちに時は迫る。拷問はさらにエスカレートし、ジャクソンは犯人の家族を犯人の前に連れてくる。時間は無い、なんとしても爆弾の場所を吐かさなければ、ちょっと待った、そんなやり方は許せないっ。物語は一気にクライマックスへ。
アン・モスの
「そんなことをするくらいなら死んだほうがマシよ」
この言葉には、人間らしさもあれば、あの局面からするとただの諦めの言葉でもある。最後の最後まで、自分かわいさを露呈しているだけでもある。
一方ジャクソンはアン・モスのそのセリフを聞いて言う
「君と仕事が出来てよかった」
この言葉には、数々の非人間的な行為によって、偉業を成してきた男のもう戻れない自分や国を憂い、人間的な言葉で終わらせたかった思いがあったのかもしれない。
この二人のどちらのやり方が正しかったのだろうか。そんなことを観客に問い掛ける。
しかし本作の恐ろしさはさらにそのあとにくる。
ジャクソンが正しいか、アン・モスが正しいか、の二極論へ持っていっているようだが、実は既にそういう次元ではないことを犯人の■■によって突然観客は気付かされる。
オレ、この展開に本気で震えた。
多少グロや痛いシーンはある。内容が内容だけに仕方あるまい。爆破のシーンも低予算映画ならではで少しさびしい。
しかし、基本人に薦めないオレだが、あえて言ってみる
・・・・・・・・・・オススメ。。。
ほか
本作エンディングの締めが2つある。
個人的には短いほうが好きだが、長いほうも特にムダとも思わない。まあ、長いほうが直接的な結末を見せる分、本国では確かに問題はある。
2つのエンディングで最後の○○を連れたアン・モスの表情がひょっとしたら意味合いが変わってみえるかもしれない。
どういう見方をするかは、人それぞれ。いいじゃんそれで。
蛇足1
オススメはしたけど、いやオススメはコレが最初で最後のような気もする。
大人も中学生も楽しくかつ考えさせる映画だと思うよ。学校の体育館で無料上映してもいいくらいでは?とまで思う。
でも観かたは今後も提案しないよ、これからも。
間違っても、「頭カラッポで観ろ」とか「ファンタジー好きなら楽しめる」とか絶対言わない。
蛇足2
やはり1)だけはもっと訓練しないとダメだな