ツレがうつになりまして。

劇場公開日:

ツレがうつになりまして。

解説・あらすじ

実写ドラマ化もされた細川貂々の同名コミックエッセイを、「半落ち」「夕凪の街 桜の国」の佐々部清監督が映画化。実直なサラリーマンの夫に頼りきりだった漫画家の妻が、夫のうつ病発症をきっかけに、夫婦の関係を見つめ直していく姿を描く。2008年のNHK大河ドラマ「篤姫」でも共演し好評を博した宮崎あおいと堺雅人が、同ドラマ以来約2年半ぶりに強いきずなで結ばれた夫婦を再び演じる。

2011年製作/121分/G/日本
配給:東映
劇場公開日:2011年10月8日

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(C)2011「ツレがうつになりまして。」製作委員会

映画レビュー

4.5堺雅人の演技が素晴らしい!

2013年9月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

幸せ

堺雅人の演技力が光った秀逸な作品。
宮崎あおいはちょっとドライすぎるのでは?という感想を抱いたが、まあ奥さんがこういう「カラッ」とした人であれば、ウツの人は自分のカラに入り込んでしまわずになんとか踏みとどめられるのだと思う。ということでこれも重要な要素なんだろう。

堺雅人は素晴らしい。ハマリ役ですね。
しかしこの人は「半沢直樹」か、こういうのか一体本人はどっちに近いのだろう??

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momokichi

4.0ママシネマ(乳幼児連れOK上映会)にピッタリでした。

2011年11月2日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

ママシネマ(乳幼児連れOK上映会)にて観賞しました。実にピッタリなセレクトでした! うつ病で退職することになったツレと売れない漫画家のハル、それぞれに「社会から取り残されたよう」と感じている二人の姿は、育児中心の生活を送る新米母に重なるところ大。ツレが病気に対するモットーとして挙げる「あ・と・で」=あせらない(あせらせない)、特別扱いしない、出来ること出来ないことを見きわめて出来ることからやる、は育児にも繋がるように感じました。
当たり前ですが、ドドーン、ババーン、という衝撃音もなく、驚愕の急展開もなく、心穏やかに楽しめるという点も子連れ上映会向き。ぐずる子どもにも余裕を持って接することができ、終盤で眠り込んだ子の柔らかな髪に触れた時など、温かな幸せをそこはかとなく感じました。
うつ病をリアルに描くというより、人のつながりを描くことに力点を置いた点がよかったです。また、悪人が出てこない(唯一の例外はツレの上司でしょうか。彼も外資系で苦労し余裕がなかったのだとは思いますが…)点も好感を持てました。しかも、「いかにも善人」ではなく、さりげない演出で嫌みがありません。ハルの両親、ツレの同僚、患者仲間…と力のある役者さんたちのアンサンブルが、手堅く味わいを深めていました。同じ佐々部監督の「チルソクの夏」の爽やかさが思い出されました。久しぶりに観直したいです。
「ママシネマ」は今回で2回目。前回は一時間前くらいから終了時間が気になって仕方がなかったのですが、今回は終わりをいとおしむように余韻を味わえました。ママシネマとはいえ、おむつ替えや授乳対応などの物的快適さ以上に、映画の質が満足度を大きく左右する!と実感しました。
漫画エッセイの映画化ということで前作のようなものをイメージしていましたが…似て非なるものでした。観る機会に恵まれ、本当によかったです。

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cma

4.5なかなかよかった

2025年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

2011年と少し前の作品
当時の大々的なPRを見過ぎたためか、ずっと見るのを躊躇っていた。
そしてどうやら見るタイミングになったようだ。
当時の邦画は、モチーフやテーマなどがはっきりしているのが特徴だろうか。
この物語のテーマは明々白々で、おそらく作家の体験談として事実が記されている。
ただ、イグアナというモチーフについては明確にされてない。
この部分がこの作品の面白いところで、言葉にできない「何か」を無言で変化しないキャラクターとして表現している。
何も考えなくていい。
腹が減ったら食べるだけ。
悩みもない。
ただ生きているだけのように見えるイグアナを羨ましく思うツレのミキオ。
ミキオはこのイグアナに話しかけることで自分自身の本心を探ろうとしている。
心の整理とか、癒されたい想い。
物語にもあるように、鬱は誰でもかかる宇宙風邪のようなもので、日頃のストレスがこの「自力ではネガティヴな感情を変えられなくなること」のようだ。
実際このような病気は多発していて、もしかしたらコロナのように多数いるのかもしれない。
この物語では発症と再生が描かれている。
そしてその要因は「気づき」による。
心の病気だから、病気にしている要因は思考なのだろう。
「誰でも」そうなる可能性がある。
そしてこの病気を治すには「気づき」がなければならないのだろう。
この気づきというものは本当に鬱陶しく思う時がある。
個人的には好きな言葉でもあるが、気づきだけはタイミングがやって来なければ得られないようにも思う。
努力しても、苦労しても、悩んでも、気づきがやってくるとは限らない。
誰に何を言われても、自分自身が真にその「何か」を理解しなければ無意味だ。
非常に面倒くさい。
特に鬱になってしまえば、いったいどうやって気づきにたどり着けばいいのだろう?
気づけない場合、あの理髪店の客のように自殺する可能性が高いのだろう。
どうでもいいがあの理髪点は短編映画「点」と同じだった。
そして天井のシミ
それは心の澱でもあるように思う。
だから見る人によって何にでも見える。
ミキオとハルコはそのシミがイグアナに見えた。
でも客の「次男坊」にはいったい何に見えたのだろう?
あの時、まだ何も心配することもなかった時代 ずっと変わらない実家での思い出 楽しかった出来事や友達 そんな他愛もないあの日の出来事がシミに重なって見えたのだろう。
同時に感じる今現在の自分 情けなさと恥ずかしさと苦しみ。
あの変わらない風景を見ながら人生に終止符を打ちたい。
そんな思考が、自殺へと導くのだろう。
鬱になっていく過程
それは日常
ミキオにとって客からのクレームを受けることは確かに苦しいことだったに違いない。
当時は「お客さまは神様です」がまかり通っていた時代だったかもしれない。
ゴミと自分自身を重ねてしまう。
いらないもの
逃げ場のない職場
物語ではミキオの几帳面さに対する警告があった。
いつもローテーションばなければならない。
当時活躍していたイチロー選手と彼のいつものローテーション
2011年は彼の連続10年200歩何打が途切れた年
打撃不振や精神的なストレスに悩まされ、「心が折れた」と語るほどの苦しいシーズンだった。
ミキオのローテーション 自分自身が受け付けなくなっていた。
みんな無意識にイチローを見習い、彼と同じように「衰え」や「変化」と向き合うターニングポイントが来ても、プロ意識や自己管理の高さは変わらず、多くのファンに感動を与えなければならないと、思っていたのではないだろうか?
それこそが正しいと考えたのではないだろうか?
ハルコは「頑張らない」ことにした。
彼女なりに鬱を調べて出した答えだった。
「普通」だと思っていたハルコだが、友人がイラストの個展を開く会場へ入ることができなかった。
きっとそれは、夫の鬱病を恥ずかしく思っていたからで、それこそ「誰にでもある」感覚だろう。
このような積み重ねが鬱を引き起こすのだろう。
「結婚同窓会」なるものは少々変な設定だったが、自助グループを置き換えたのだろう。
つまりアルコホリックアノニマス(A/A)と同じ。
自分自身のことを話すことと、誰かの葛藤を聞くことで自分自身を取り戻していく作業。
ミキオにはとても大きなこだわりがある。
名前 髙と高を混同しないこと。
このこだわりが自分自身を苦しめるが、この物語ではそれを取り除こうとはしない。
むしろそれを受け入れることが大切なのだろう。
ハルコは言う。「鬱になった原因ではなく、鬱になった意味を考えている」
こういうのが気づきのひとつなのだろう。
そうして最後は「誰かのため」ではなく「自分のために」
納豆嫌いな妻のために納豆を食べないでいたこと。
他人への気遣い。
行き過ぎれば、壊れてしまう。
特に日本人はこの傾向が強いように思う。
エスカレーターの片方を開けるべき
エレベーターで降りる際に「閉」ボタンを押すべき
電車ではしゃべらないべき
このようなことをメディアが煽っているように思う。
鬱になるためのネタは尽きないのが現代社会の構造
鬱になってからの再生
これこそ今の日本の喫緊の課題であると思うが、意外に取り上げられない。
このような作品はそんな社会問題を明確化してくれる。
割ときれいな感じでまとめられているが、実際はもっともっと深刻なのだろう。
鬱に切り込んだことに、意味はあったと思う。

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R41

3.0映画というより鬱病体験記かな

2025年2月20日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

単純

映画やドラマの楽しみって「どれだけ入り込めるか」だと思うんだけど、この作品はそういうんじゃなくて「鬱病とは?」みたいな内容だと思いました。鬱という病気を知りたい人、鬱かもしれないと悩んでいる人、既に鬱病にかかってしまった人、など鬱病に関してなんらかの情報を得たいと思っている人にはうってつけの内容だと思います。しかし、自分にとってこちらの映画の内容は、既に知っていることだらけだったので、とくに感動するようなこともなくつまらなかった。ただ、堺雅人さんの演技はさすがですね、おもしろかった。宮崎あおいさんはいささかキレイすぎてリアリティに欠けるかも。こういう題材の場合、もっと普通感がある女優さんのほうがより現実味が増したと思います。

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菊枝

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