ヒア アフター

劇場公開日:

ヒア アフター

解説

巨匠クリント・イーストウッドが、死後の世界にとらわれてしまった3人の人間の苦悩と解放を描いたヒューマン・ドラマ。サンフランシスコに住む元霊能者で肉体労働者のジョージ、臨死体験をしたパリ在住のジャーナリスト・マリー、兄を亡くしたロンドン在住の小学生マーカスの3人が、互いの問いかけに導かれるようにめぐり会い、生きる喜びを見出していく姿を描く。脚本は「クイーン」「フロスト×ニクソン」のピーター・モーガン。出演はマット・デイモン、セシル・ドゥ・フランス。

2010年製作/129分/G/アメリカ
原題または英題:Hereafter
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2011年2月19日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第83回 アカデミー賞(2011年)

ノミネート

視覚効果賞  
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映画評論

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映画レビュー

4.0ひとりとひとりが、出会うとき

2012年1月27日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

人は、ひとり(孤独)とどう向き合うか。人と人は、どのように向き合うか。私にとっての「ヒアアフター」は、死者や死後の世界の映画ではなく、そんなシンプルで普遍的なテーマを丁寧に描いた作品だ。(イーストウッド監督らしく)いつもながら、控えめながら深い余韻を醸し出すギターの音色とともに、静かに・ダイナミックに動いていく物語が心にしみた。
津波に遭い生死をさ迷い生還したニュースキャスターは、生の証であったはずのキャリアと恋人を失う。母に省みられず兄を慕ってきた弟は、家族とのわずかな幸運の光が見えた矢先に、支えであった兄を事故で失う。人に触れると知りすぎてしまう男は、他者との深いかかわりを求めつつも、うまく距離を縮められない。…彼らはそれぞれに、孤独を受け入れかね、もてあまし、さ迷う。
そんな彼らが出会いを果たせたのは、もがき苦しみながらも「一歩」を踏み出せたからだ。行き違い・すれ違いから始まった出会いが、彼らの傷ついた心をじわじわと満たしていく。
人は、ひとりだ。だからこそ、他者を必要とする。そんなことを、素直に感じ入ることができる、豊かな作品だ。

追記
2011年3月11日午後2時46分、なだれを打って倒れる自転車にしがみつきながら、思い出したのは「ヒアアフター」のことだった。「ああ、私はもう、あの素晴らしい映画を素直に観ることができなくなるかもしれない。」そう思った。
けれども、今こうやって地震以前の走り書きを読み返していても、むなしさはない。うん、確かにそうだった・確かにそうだ、その通りだ…と強く思うし、わずかな揺れに波打つ心はむしろ穏やかになっていく。よいときに、よい映画に出会えた。改めてそう思う。

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cma

4.0格調高い映画

2024年8月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

マット・デイモン演じる霊媒能力がある主人公が恋人に自分にそういった能力があることを打ち明けると彼女は引いてしまって去っていくわけですが、その気持はわかります。僕だってたとえば霊感が強くて「あ、あそこに人が立ってる」「あ、この部屋いるよ」とか言う人とは友達になりたくないですからね。
ちょっと怖い映画なのかなと思ったら格調高い人間ドラマでした。でももう少しピリッとした味付けにしてもよかったんじゃないかなと思います。

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おむぅ

5.0大好きな映画

2023年11月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館、VOD
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coo

3.0見る前にいくつか

2023年7月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

これは見る前にいくつかのハードルを越える必要のある映画ですね。
・津波のシーンがある(トラウマを抱える人には辛いかもしれません)
・死者と交信できる(死後の世界を肯定している)

考えたら、宇宙人が出てくるは、人の金を盗むは、結婚式で花嫁を奪って逃げるは、、、名作と言われる映画にはとんでもないウソが一つや二つは入っているもので、この作品も「そんなこと言ってたら、映画になんないよ」と、なりますね。

面白いのは、パラレルに展開する主人公たちの人生が、あるきっかけで交わり心が温まるようなケミストリーを生み出すこと。
人気キャスターだった女性が津波の被害に遭い、臨死体験をしたことを本に書くが周囲から冷たい目で見られ辛い思いをする。
常に一緒に行動する双子が交通事故に遭い、独りになった弟が、死んだ兄に会いたくてインチキ霊能者にだまされ続ける。
手に触れるだけでその人に深い影響を与えた死者のイメージを見ることが出来るが、それが辛すぎて隠れて暮らしている元霊能力者。そのせいでガールフレンドすらも去っていく。

この人たちが出逢ったら、何が起きるんだろう?という興味が、最後までワクワクしながらストーリーに惹きつけられます。

クリント・イーストウッドの死生観と、さりげなく心に沁みる上質の音楽、いつもよりちょっぴり苦みをおさえた味付けの演出と、見どころは多岐にわたります。

2017.4.28

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うそつきカモメ