ただいま それぞれの居場所

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ただいま それぞれの居場所

解説

2000年4月1日に施行された介護保険制度以降に急増した介護サービスの実態に迫り、日夜奮闘する介護スタッフの姿を記録したドキュメンタリー。低賃金や人手不足などの問題がたびたび報じられる介護現場で、画一的な介護サービスのあり方にジレンマを感じているスタッフや、ようやく見つけた居場所として介護施設で余生を送る人々などを多数取材。監督は「ゆきゆきて、神軍」(87)、「アラカルト・カンパニー」などで助監督を務めた大宮浩一。

2010年製作/96分/日本
配給:安岡フィルムズ
劇場公開日:2010年4月17日

スタッフ・キャスト

監督
製作
大宮浩一
企画
大宮浩一
プロデューサー
安岡卓治
取材ディレクター
北里宇一郎
撮影
山内大堂
録音
大澤一生
編集
辻井潔
エンディングテーマ
森圭一郎
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映画レビュー

4.0環境にあわせるか 環境があわせるか

2010年12月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

幸せ

〈 居場所 〉 2000年4月1日にスタートした介護保険制度。 介護サービス施設は飛躍的に増えましたが、 当制度に当てはまりきらず介護を受けられない人、 そもそも介護保険制度を拒否する人、そんな人たちの 受け皿となるべく設立された民間介護施設を追ったドキュメンタリーです。 『精神』のように1箇所の精神病院を追うのでなく、 『犬と猫と人間と』のように複数の民間介護施設を 取材していましたので、説得力があると同時に、それだけの数の 施設があることと、それだけ介護保険制度に適用しない要介護者が いることに、まず、驚きました。 個人的に 「えっ?そうなの?知らなかった」と刺さったのは 介護保険制度を受ける介護施設の介護者は散歩禁止だということ。 つまり言い方、悪いですが“軟禁状態”ですよね。 介護を受ける側は“環境にあわせる”しかありません。 しかし、当然はみ出す人も出てきます。 ここで、“環境があわせにいく”、介護者一人一人の ニーズに応えた民間介護施設が、登場するわけです。 いずれの施設にも共通しているのは、 複数の介護者、複数のスタッフがいながらも、 原則全員に対して1対1で向き合っていること。 朝の挨拶、お遊戯の時間などがある施設もありますが、 基本、横並びの介護ではなく、オーダーメイド型の介護のスタンスをとっています。 すぐ外に出て行ってしまう人 すぐ怒り出してしまう人 まだ仕事を現役でしていると思い込んでいる人 いま何処にいるのか突然わからなくなってしまう人 様々な人が施設の中にはいらっしゃいます。 意外だったのは、そんな民間施設を運営する人たちの 年齢層の幅広さ。下は20歳から上は60歳を越えています。 介護を受ける側と介護スタッフが 同じ年齢なんて場面もありました。 介護スタッフ側も様々。 介護保険制度にあわない人のため 介護が必要になった父親を見たのがきっかけ 以前働いていた介護施設に、何か違うんじゃないかと考え設立 などなど、色々なパターンがありました。 ただ、全員に共通していたのは、 とても生きがいを感じて表情が生き生きとしていたこと。 スタッフが明るいから介護者も明るくなるのでしょう。 一方、 一人一人から教えられることがある、毎日が勉強です。 そう謙虚に努める真摯な姿勢もあり、そこから生まれる 双方の信頼関係は、なにも今回登場する介護施設だけに あてはまるものではなく、社会全体にあてはまることではないでしょうか。 ☆彡     ☆彡 どこにも“居場所がない” そんな想いに苛まれる人にも “居場所がある”ことを教えてくれる非凡な作品でした。

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septaka

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