最後の忠臣蔵のレビュー・感想・評価
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確かに「最後の忠臣蔵」
私としては、おすすめできる映画です。
瀬尾孫左衛門(役所)は随所に「拙者は武士ですから」ということにこだわり、武士に徹した生き様を貫くわけですが、大石家の使用人に過ぎなかった瀬尾がここまでストイックな生き様に徹しなければならない時代には、病的なものを感じました(これが事実とすればですが)。
Wikiによりますと、吉良邸討ち入りは元禄15年12月14日(西暦1702年1月30日)とありますので、江戸幕府となってより100年ほどのころですね。つまり、戦国時代が終わってから100年ということですが、この100年の間に「武士」というのは「立身出世を目指す合理主義者」ではなく、「世襲の非生産的支配階級である武士は、忠義を売り物にする無能者・形式主義者」に成り果てた、というのはよく言われるところですが、ついそのような感覚で観てしまいました。
いろんな意味で「大変な時代だナー」とは思いますが、小沢一郎に忠誠を誓う議員集団とか見ると、世襲化した議員さんたちもやっぱり非生産的で無能な形式主義者なんだろうなぁ~とか思ったりして、妙に納得したりする。そりゃ~結束が固い訳だ!
この映画は正月映画だったのですね。失礼しました。
昨年末に劇場で観ました、
流れるような映像。
合間合間の人形浄瑠璃。
一つで二つ...得をした気分でした。
この映画、とにかく男性陣が美しい。
「十三人の刺客」でまとめ役だった?主演の役所広司さんは
この映画で思いの丈を存分に出し切った。
自分の子供も上手く育てられなかった私は、彼の愛が痛い!
彼の愛は父親の愛。私はそう思う。
可音(桜庭ななみ)の思いは淡い初恋でしょうが、彼には
それ以上はなかった。すべては忠義。?
私はそう思う。
(パンフレットを読むとそうでもないみたいだけど)
評判の桜庭ななみちゃんは、それほど大輪の花を咲かすとは
感じられなかったし...
久しぶりに観る安田成美さんはすっかり萎んでいるし...
でも、今回は男性陣を引き立てるには十分の演技力だったと思います。
とにかく涙が溢れました。
武士ですから。。。
どこまでも「武士ですから」という作品ではあるのですが、刀を抜いて敵を倒すために戦うという武士の生き方とは違う、罵られ足蹴にされてもただただ無言で「守り抜く」という一途な武士でした。
武士として最も恥ずべき汚名を着せられることを承知の上で、使命を全うするためだけに生き続けるストイックな彼なりの武士道は、例え不器用であっても潔く、心打たれるものがあります。
要所要所に登場し映画を暗示する人形浄瑠璃の曽根崎心中とともに、茅葺の民家の佇まい&そこへ続く竹林の道&京都の美しい情景描写etc.豊かな文化が堪能できる格調高い雰囲気も、丁寧に美しく撮られており、まるで別世界のようです。
また安田成美さんの最後の手段、最終兵器にはまさかと思いつつ、全てを悟っている彼女の想いの深さ&潔さを垣間見たようで、いきなりの異和感はあったものの、あとからグッとくるものがありました。
ラストは想像通り赤穂浪士としての誇りをもって『忠臣蔵』を踏襲するのですが、たぶん頭では解っていても心がついていきませんが、『忠臣蔵』である以上これで良かったのだというよりも、どんな時も武士であった彼に、そうさせてあげてほしかったという想いです。
役所さんが武士の顔に戻る場面&回想シーンにはたまらないものがありました。
お伽話のような魅力もあり、竹林の間から日が差し込むこの世のものとは思えない幻想的な光景とともに、
思わず背筋を伸ばしてしまう古典的美しさにも彩られた世界は、静かに心に響いてくる日本人だからこそ描ける世界なのでしょう。
『忠臣蔵』が武士として尊ばれる“死に様”を描いているとしたら、この作品では逆に“生き様”&16年の時を経て甦る忠義の絆を根底に、未来に繋がる前向きな要素が取り入れられているのが新鮮です。
日本男児此処に有り
"侍"の生き様でした
見入る!!!
今年いちばんの時代劇
共に討ち入り、共に死すはずの赤穂の義士から外れてしまった二人の武士が歩んだ16年の歳月の重みがよく出ている。とくに、その重みを知る吉右衛門が孫左衛門の使命を知り、裏切者と謗りを受け続けてきた孫左の労をねぎらうシーンは泣ける。佐藤浩市が巧い。
役所広司は、人を束ねる「十三人の刺客」よりも、今作のように護るべき人がいるような役のほうが似合う。
小道具や光の具合に気が配られた屋内、竹の緑や紅い葉など四季を彩るロケーションも綺麗だ。横幅が小さいビスタ・サイズながら、実直で無駄のないカメラによって充分な情報量を引き出す。
また、義に生きる武家と業に生きる町家の対比がよく描かれ、武士の生き様をラストに据えた構成が、この作品のテーマを引き立たせる。
ただ、人形浄瑠璃の「曾根崎心中」を挿入した意図がよく解らなかった。それに、挿入回数がややしつこい。
共に死すと約束した孫左衛門と吉右衛門の間柄を指したのか、それとも孫左衛門と可音ふたりの情愛を指したものか?
孫左は武士の道を全うし、可音は内蔵助の血筋を残す役目を背負う。両者、個として生きることを自ら閉ざす。ある意味、“心中”と言えなくもないが・・・。
可音が嫁ぐとき、孫左衛門が声に出さずに口だけで最後の言葉を可音に掛ける。それは「幸せにおなりください」ではなく「幸せにおなりなさい」に見える。家臣ではなく、父としての餞(はなむけ)に違いない。
今年観た時代劇、SF「ちょんまげぷりん」は別格として、「必死剣 鳥刺し」「十三人の刺客」「大奥」「桜田門外ノ変」「武士の家計簿」「最後の忠臣蔵」のなかで、今作が一番の出来。
犬死に賛美?
何のために生きるのか
池宮彰一郎の同名小説の映画化作品。
12月といえば「忠臣蔵」。いわゆる「赤穂浪士の討ち入り事件」を題材にした作品は枚挙に暇が無いけれど、この「最後の」というタイトルは一体どういう意味なのだろう...?そんな素朴な疑問を抱きつつ観たこの映画。
主演に役所広司、準主役として佐藤浩市を配してはいるけれど、ちょっと地味で渋い印象だったな。
ストーリーは「忠臣蔵」と言っても定番の【討ち入り】を題材とはしておらず、簡単に言えば【討ち入り事件のその後】【残された人生】を描いている。そこに「最後」の意味が含まれている感じ。
佐藤演じる「寺坂吉右衛門」は、罪人として処罰される浪士たちの残された親族に力を貸すという使命を受けて生き延びる。
そして主役・役所の演じる「瀬尾孫左衛門」は討ち入りの立役者である主「大石内蔵助」からの重要な密命を受けて討ち入り前に逐電(脱盟)する。その密命とは大石の【隠し子(赤ん坊)】を安全に逃がし育て上げるという大役だった....。
仇とはいえ、徒党を組んで夜襲をかけ重臣殺害に及ぶという犯罪者から一転、忠義に殉じた義士ともてはやされた四十七士。
一方で切腹することも許されず残りの人生を使命のために生きる者。その対比が哀しく映ったな。
また、食い詰め浪士が武士を捨てたような姿に身を変え、人知れず隠遁生活の中、それでも心に秘めた忠義心に生きる姿が切なかった。
しかしながら男としては、この「武士の生き様」には強い憧れを感じてしまう。
「生きる指針」「自らの使命」が明確になっている生き方はとってもうらやましく思えるから。
今の時代「何となく、成り行きで生きている」という人ばかりなのではないだろうか? もちろん自分も含めて。
自分が何のために生きているのか、そんなことを考えることも滅多に無いのではないだろうか?
目的地を失った現代人。確かに文明は栄えて便利にはなっているし、一定の自由は手に入れているけれど、精神的には不幸になっているように思えてならない。
もちろん、別の視点で見て考えれば、この封建時代も、そして近代の軍国時代も、「幼少時代からの刷り込みによる滅私思想」なのかも知れない。
それでもなお、根無し草のように地に足の着いていない現代社会の我々に比べ、よっぽど精神的に安定していた時代だったように思えてならないんだよね。
映画の終り、瀬尾孫左衛門はついに長年の使命を終え、亡き主に預けていた命を返却される。
そしてついに、その命を自分の意思で使うことが許される。
彼はきっと達成感と大きな幸せに包まれた人生を実感できたのではないだろうか...。
作品の見所としてはこの他、同じ目的に生きた者達の強い心の絆、そして孫左衛門と可音(大石の忘れ片身)の愛情や心の機微等、と、胸をうち涙腺を刺激する場面も多くあったよ。
地味な作品ではあるけれど、大人の鑑賞には充分耐えられる佳作だと思ったな。うん。
今年一番の作品に出会えました!!
大石内蔵助率いる赤穂浪士の討ち入りで生き残った二人
互いに生き残ったゆえの辛い生涯
同じ苦しみを堪え、16年間生き続けてきた二人が再会する。
武士の揺るぎない忠誠心
与えられた使命のために生き、
使命を果たしたのち、抜け殻のように逝く
武士の生き様は実に簡潔明瞭
けれど、そんな使い捨てのように見える彼らにも
生きた証し、想いはそれぞれ持っている。
観終わって、今の日本にこの時代のまっすぐな忠誠心のカケラでも
まだ残っているだろうかと感じました。
全く別の世界のことのようだけど、これはここ日本で起こった事なんだと考えると
なんだか信じられなかった。
役所さんの演技、スクリーンで見たのは初めてでした。
最後の切腹シーンとか、回想している時のアップの表情
黙ってても語りかけてきます!!!!
この作品は絶対に見たほうがいいです
後味はうまく言葉にできないけど、
見た人の現在の立場によって感じ方は様々だと思います。
母、父、子
それぞれで感じる所があるような気がします。
何度もいいますが、
これは是非みましょう
絶対です!
納得がいきません!
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