バグダッド・カフェ 4Kレストア版

劇場公開日:

解説

砂漠にたたずむ寂れたモーテルに集う人々の交流を描き、日本では1989年に公開されて当時のミニシアターブームを象徴する作品となったヒューマンドラマ「バグダッド・カフェ」のディレクターズカット版。

ドイツから夫とともにアメリカ旅行に来たジャスミンは、夫婦ゲンカの末に1人で車を降り、モハーベ砂漠にあるモーテル兼カフェ「バグダッド・カフェ」にたどり着く。バグダッド・カフェには不機嫌な女主人ブレンダら一癖も二癖もある人々が集い、いつも気だるいムードが漂っていた。しかしジャスミンの出現により、彼らの心は次第に癒やされていく。

1987年製作、1989年に日本で劇場公開されたオリジナル版は91分。2009年には、未公開シーンの追加や再編集を施した108分の「ニュー・ディレクターズ・カット版」が公開された。2024年には、そのディレクターズカット版の本編を、パーシー・アドロン監督監修のもとデジタル修復した「4Kレストア版」でリバイバル公開。

1987年製作/108分/ドイツ
原題または英題:Bagdad Cafe
配給:ALFAZBET
劇場公開日:2024年12月13日

その他の公開日:2009年12月5日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)1987 / Pelemele Film GmbH - Pro-ject Filmproduktion im Filmverlag der Autoren GmbH & Co. Produktions- Kommanditgesellschaft München - Bayrischer Rundfunk/BR - hr Hessischer Rundfunk

映画レビュー

5.035年経った今でも印象深い80年代のミニシアターブームを牽引した代表作

2024年12月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

1989年の日本公開から35年。 『バグダッド・カフェ』が 4Kレストア版になって再上映されているとのことで、クリスマスのイルミネーションが眩しく煌めくYEBISU GARDEN CINEMAさんへ。 『バグダッド・カフェ』(1989) ジェヴェッタ・スティールが歌うテーマ曲「コーリング・ユー」と黄色い給水塔をブラシで清掃する主人公のキービジュアルが35年経った今でも印象深い80年代のミニシアターブームを牽引した代表作を久々に鑑賞。 舞台はイラクの首都ではなく、アメリカのカリフォルニア州の砂漠地帯にあるモーテル兼カフェ「バグダッド・カフェ」。 ドイツから旅行に来た夫婦が道中で喧嘩別れ、夫人・ジャスミン(演:マリアンネ・ゼーゲブレヒト)が「バグダッド・カフェ」に滞在する中で、女主人ブレンダ(演:キャロル・クリスティン・ヒラリア・パウンダー)たちの警戒を解きつつも徐々に心を通わせ、夫の荷物にあった手品セットで手品を習得し客前で披露することでカフェが大繁盛するハートウォーミングでファンタジーな作品。 久々に鑑賞すると映画の作法を無視した斜めの構図や独特の色彩調整、粒子の粗いざらついた映像など「バグダッド・カフェ」自体を浮世と離れた理想郷、ユートピアのように描いているのではないかと感じましたね。 常軌を逸したブレンダのジャスミンへの拒絶が、徐々に相互理解と尊敬、友情が芽生えるストーリーが実に素敵で、ジャスミンに恋する老人ルディも名優ジャック・パランスがペーソスの漂う演技が見事です。 作品内容も映画史に残る名作ですが、やはり「コーリング・ユー」の楽曲ヒットと、黄色い給水塔のキービジュアルの世間へ浸透、ミニシアターブームのなかで、本作品が流行の最先端のファッションのように洗練、昇華されたことも大きいですね。 昨今、映画オリジナルのテーマ曲のヒットや、ポスタービジュアルが部屋で貼られるぐらい認知と人気を獲得した作品は随分と減りましたね。 特にポスタービジュアルは配信会社によってデザインがカスタマイズされるので「この作品ならこの絵柄」とすぐに想起することが難しくなって「バグダッド・カフェ」みたいな成功例が減ってくるのは寂しいですね。

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矢萩久登

5.0スクリーンで観れて嬉しいな

2024年12月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

初公開当時は田舎の中学生で知る由もなく、この映画を知ったのは18歳ごろ。『ニューシネマパラダイス』や『ベルリン・天使の詩』と並ぶミニシアターブームのパイオニアながら、リバイバルに出会えず観たことはなかった。 サンフランシスコには同じ名前のカフェがあって、そこのミートローフが好きでよく行ってた。 名曲Calling Youにのせて初めての『バグダッドカフェ』は、なんだかつかみどころがなく不思議な空気感。ポットはドイツらしくてカワイイ、デザイン的には東ドイツっぽい印象。 朝から晩まで怒鳴ってるブレンダうるせーと思いつつも、あの有名なタンク掃除!なんか嬉しい。 はじめは謎のヤスミンに訝しげだった人たちも、次第にヤスミンの人柄に惹かれ、カリカリうるさいブレンダも表情が柔らかく笑顔になる。 オシャレ映画の金字塔は、ものすごい多幸感に溢れていた。 ヤスミン役の女優さん、『ある一生』のおばあちゃんだった!今もご活躍でなにより。

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コビトカバ

4.0期待度◎鑑賞後の満足度◎ 映画によるマジックの様な至福の108分間。

2024年12月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

①やって来た「余所者」によって壊れかけた家庭やコミュニティが再生するという内容の映画はこれ迄にも何作もあった。 それをドイツ映画がアメリカのモハーベ砂漠の道路沿いにポツンとあるカフェ兼モーテル兼ガソリンスタンドを舞台に描く着想が面白い。 ②

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もーさん

4.5映画で詩を謳う

2024年12月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

動く絵と一緒に音楽を合わせて紡ぐ散文みたいなものなのかな。語らない余白部分を鑑賞者にガッツリ委ねられた結果、号泣するしまつ。 コーリング具合を最大限に訴求するためには、恋人でも家族でも親子でも駄目だったんだな。きっと。 にしても、映像の画角と彩色は今見ても圧巻の神センス! 素晴らしいで賞🏆

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ジャム太

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