信さん 炭坑町のセレナーデ
劇場公開日:2010年11月27日
解説
「愛を乞うひと」「OUT」の平山秀幸監督が、同郷の辻内智貴による小説を映画化。主演は小雪、共演に池松壮亮、石田卓也、大竹しのぶ、岸部一徳らが顔を揃えた。昭和38年、美智代は故郷である福岡の炭坑町に、小学生のひとり息子・守とともに帰ってくる。ある日、信一という少年が、町になじめずいじめられていた守を助けてくれる。親を早くに亡くした信一は町の厄介者だったが、美智代は息子を守ってくれた信一に優しく接し、やがて信一は美智代に淡い恋心のようなものを抱くようになる。
2010年製作/108分/G/日本
配給:ゴールドラッシュ・ピクチャーズ
スタッフ・キャスト
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2016年10月15日
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鑑賞方法:映画館
2015年3月29日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
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昨今流行りのノスタルジックな作品。
主演が小雪だけ在って、どうしても『ALWAYS 三丁目の夕日』とダブってしまうのですが。寧ろ時代考証に於いて三丁目の夕日よりも、CGを使っていない分だけ手作り感が強く、好感が持てる作り。
但しその分だけ2時間ドラマっぽくなりすぎてしまっている気もしますが…。
一応映画の流れは、まもるの目線から見た炭坑の町の人達。そして友達との別れに町の衰退。
でも時々友達だった信さんの目線に移行したり。母親役の小雪の目線から見た信さんの素顔や、町の人達との触れ合いの場面も在って、統一性となると少し疑問符が有る。
それでも作品を鑑賞している間に、それらをあまり感じさせないのは、平山秀幸監督の力だと思える。
子供時代の子役達がとても活き活きとしている。この辺りの描写に於ける、若い頃に日が暮れるまで友達と外で遊んだ経験の有る人には、懐かしさで胸が一杯になってしまうでしょう。後に柄本時生が引き継ぐ在日朝鮮人役の男の子は、よくぞ見つけて来たなぁ〜…とまで思った。
歳を取ると少しずつ少年は大人になってしまう。もう昔のような誰かれともなく、遊んだり集まったりが気軽に出来なくなってしまう。人が変わり町が変わり、触れ合いが希薄になった。それでもあの当時の、他人を思いやる気持ちが人の心から無くなる事は無いのだろうと信じている。
そっと後ろから信さんを抱きしめる小雪の優しさ。「おいは鉄人29号たい!」とやせ我慢をする信さん。
在日朝鮮人として子供に怒らない様に諭すヨンの父親役の岸部一徳とヨンとの別れの場面。
そして出番は少ないが、信さんの母親役である大竹しのぶの存在感の凄さ等々。
地味だけど見応え充分の作品でした。
(2010年11月30日銀座シネパトス1)
2012年10月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
平山監督は落語への造詣が深く。登場人物の間の置き方や人情の機微を描かせば、名人芸の噺家にもひけをとらない、ヒューマンストーリーの達人です。だから本作にも期待を込めてみました。
期待通り、人物描写は感動的なシーンが多いものの、脚本の盛り上げ方がイマイチで、やや淡々とした終わり方だったのが残念です。昭和を描いた作品として、『三丁目の夕日』シリーズのようなドラマ性をもっと盛り込んで欲しかったです。作品と同じ福岡出身だけに、ちょっと監督の思い入れも深かったのでないでしょうか。
昭和30年代の福岡県の炭坑島を舞台に、貧しいながらも明るく必死に生きる人々の日常と、やがて訪れる過酷な運命を描く骨太なヒューマンドラマ。複線に主人公の親友となる朝鮮人一家への差別や、過酷で低賃金な労働環境による労働争議が盛り込まれていますが、極力そういった政治的な背景を避けて、信さんと主人公の少年守の母親である美智代との交情に絞ったところは好感が持てます。
今では、年上の熟女との恋もブームになっていますが、公開当時では、信さんが20歳も年上の美智代に恋してしまうという設定に違和感を感じた人も多かったのではないでしょうか。しかし、信さんの前に初めて美智代役の小雪が登場するときの、まぶしさといったら絶品もの。あんな演技というか輝くような内面の美をオーラとして放たれたら、信さんならずとも惚れてしまいます。
さらにいいのが、そのあと信さんに寄り添うシーン。義理の父親に毎日DVにあい、親の愛に飢えていた信さんに、黙って後ろから美智代は抱き上げるのです。その優しさには胸を打たれました。
青年になってからの信さんが美智代に告白するシーンもあるのですけど、プライトニックな関係のままというのはどうでしょう。もっとスリリングな熟女との恋の展開があっても良かったのでは?
さて、本作の魅力は、昭和の炭坑町の忠実な再現です。それは動く炭鉱トロッコなど大仕掛けなセットだけでなく、当時のファッションや駄菓子屋の商品、街の看板に至るまで随所に発揮されています。また、信さんの母親役の大竹しのぶや駄菓子屋の店主役の中尾ミエ、朝鮮人炭鉱労働者役の岸部一徳など俳優陣も当時の人々の人情をよく出していて、あの時代の炭坑町の暮らしぶりがよく伝わってくるのが特筆すべきでであると思います。
その活気ある姿が閉山後の廃墟と対比されることで、日本のエネルギー政策の大きな変遷を感じずにいられません。大人になった守が旧友の信さんを懐古するという形で進む本作。昭和30年代の炭坑町の活況を知るものなら。誰でも守のように当時のことが忘れがたい記憶として残っていくものでしょう。たぶん五木寛之の『青春の門』もその辺が原動力になっているのではないでしょうか。
2010年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
平山監督(平山組)のこだわりの撮影シーンが伝わりました。
取り壊す前の炭坑町での撮影などこだわりが映画を観ていてすごくわかりました。
この時代の世代は懐かしみ違う世代でもどこか懐かしい昔を思い出すんじゃないでしょうか!また恋愛も20歳離れた年の差なのですがこんな純粋な恋愛がすごく良かったです。
姉のような感情とも子供のような母性愛とも違うと思います。
純粋な心の持ち主同士だからこそ生まれた恋だと思いました。