今度は愛妻家のレビュー・感想・評価
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ネタバレしてます
コメディだと思っていたので、展開に驚かされました。
離婚記念に写真を撮るところから、死んだ後に手を繋いで歩くシーンまでが特に好きです。
さくらが死んだと言って口説く伏線や、人参茶で正気に戻ることを表現するなど上手いなぁと思います。
以下は、気になった点です。
・蘭子が魅力的でないので、惚れた誠まで好きになれない。せめて、妊娠したのが本当に誠のせいだと思っていて、誠に伝えるべきか悩むような一面が欲しい。
・初日に撮った写真で惚れてると言われても心に響かない。
さくらが死んだことが分かってからは、さくらとどのように決別して立ち直るかが気になるぐらいなので、それ以外は削った方が素直に感動できたと思う。
「なんで生きてるうちに言ってくれなかったの?」とさくらから直接死んだことを告げられて、ようやく、さくらの死を受け入れることができたのかな。
夢の中へ
さくらがしゅうちゃんの妄想だと分かってからは、もう少し話をコンパクトにした方が良いと思いましたが、そこ以外は良かったです。作品の雰囲気がどことなく80年代っぽく感じたのは、薬師丸ひろ子が主演で劇中に「夢の中へ」が歌われていたせいなのでしょうか。夫役はトヨエツよりも、プライベートは抜きにして玉置浩二の方が絶対にハマったと思いました。
人間というものは失ってから初めて、そのものの大事さに気づく生き物で...
人間というものは失ってから初めて、そのものの大事さに気づく生き物である。
特に男は、手の中にある時はそんなそぶりを見せないくせに、手の中からいなくなろうとすると途端に自分のしていたことを自覚して焦ってもう一度手中に収めようとする。
どうしてあの時もっとこうしなかったんだろうとか、こうしていれば今のようにならなかったんじゃないかとか、
言ってみれば考えても仕方ないことをウジウジ考えたりする。
妻が愛してくれているのは一生のことだと思っていたのに、実際そうではなくて、別れる段階になって本当は照れているだけで、妻を愛していると分かった夫。
夫を愛しているのに、夫はつれないし冷たいし浮気もするダメ亭主。
タイミングがズレているだけで本当は同じ方向を向いていたはずの2人が、もう違う線上を進み出している。
そこからどうにか同じ道を歩くのはなかなか難しい。壊れたものは元に戻らないし、やったことはなかったことには出来ない。
もう取り戻せないけれど、夫側からすれば、ある意味ではやり直すチャンスが与えられたとも言える。その証拠に、指輪を買ってきたりもする(ずっとポケットに入れてたのかな?とか考えて、豊川悦司が愛おしくなる)。
薬師丸ひろ子の飾らない大らかな妻がかわいくて、豊川悦司のつれない夫に果敢に挑んでいくシーンは、ああ、そこには愛があるんだなぁと感じる。
豊川悦司は分かりにくいけれど、徐々に妻への気持ちを明らかにしていき、ちょっとずつ前に進もうとしている。
話の展開は読めたけど、石橋蓮司のキャラクターやら、濱田岳と水川あさみの流れで飽きずに見られた。
欲を言えば、濱田岳と水川あさみの流れは無しで、もっと薬師丸ひろ子・豊川悦司+時々石橋蓮司のやりとりを見ていたかった。
豊川悦司の悲しみ、石橋蓮司の悲しみ、最後に関係性が明かされてよかった。
生きていれば、言ったことを取り消せはしないけれど、謝ることはできる。
豊川悦司のそばに石橋蓮司がいて、よかったと思った。
二度見てさらにおいしい
この映画は初めて見ると、不良夫と良妻のコミカルな口喧嘩から始まって、思わぬドンデン返しに驚き、最後は温かい感動に包まれる。
2回目見ると、妻の死を受け入れられない夫の哀しい姿が綴られる。
最初は“ん?”と違和感を感じたタイトルも“なるほど”と意味あるタイトル。
どうしようもないダメ亭主だけど、素直になれないこのダメ亭主にどうしても愛着が湧いてしまう。
これが男の姿なんだなぁ…と、しみじみ思ってしまった。
も〜う、あいつ、いつ帰ってくんだよ
映画「今度は愛妻家」(行定勲監督)から。
豊川悦司さんと薬師丸ひろ子さんが演じる夫婦、
そうそう・・結婚10年目でなくても、こんな関係と私のメモは増えた。
その中で選んだのは、ケンカしても、口うるさくても、
いつも傍にいるのが常だった妻が、何日も帰ってこない。
普段なら、旅行に行っても、怒って出て行っても、
しばらくすると、何もなかったように戻ってくるのに、
今回だけは、いつもで経っても音沙汰がない。
そんな状態が続き、夫がたまらなくなって叫ぶ。
「も〜う、あいつ、いつ帰ってくんだよ」
最後は、そういう意味なのか・・と理解するけれど、
やっぱり、ちょっぴり切ない「ラブファンタジー」だった。
「俺の飯は?」「ない、やめたの、あなたのご飯つくるの」
「くだらんね、女ってのはなんでそんなくだらないことばかり考えてんの?」
「お前に関係ないだろ?俺の健康なんて」「関係ないんだ、私」
そんなどこにでもあるような夫婦の会話が、散りばめられていて
映画の世界のことだから、と割り切れないシーンがいっぱい。
そして、ラストシーン。
「なんで生きているうちに言ってくれなかったの?」「ごめん」
井上陽水さんの「夢の中へ」は、一緒に口ずさんでしまった。
男って、ヤツぁ〜
いつも、気付くのが、遅くって…
強がれば、強がる程、女々(メメ)しくて…
そんなふうに、感情移入させてくれた
「豊川」さんには、申し訳無くも、
見る前は、だいたいマジな役(?)の多い彼が、
「どんな風なダメッぷりを見せてくれんだろう?」
ってな、興味本位のお手並み拝見を気取っていたんですが、…
そういうタイプの人(?)には、
以降ネタバレになるので、鑑賞後にどうぞ!
っていうぐらい久々にネタばらしをしたくなくなる内容で、
「アレッ!?…アレ、アレ、アレ?」
「ダメンズの話(←確かに、それじゃあ、映画に、ならんわな…と納得)じゃなくて、
妻を亡くした夫の復活過程だったんだッ!」
と気付かされた時には、
イイ意味で、裏切ってくれたから、
「石橋蓮司」さんの怪演(!こんな役もできるんだあ!?)も、
ハスッパな(根が、そんなタイプなんかいなぁ?と疑いたくもなる)役の
「水川あさみ」ちゃんも、気にならなくなるくらい(?)
「喪失」と「回復」の過程に、浸らさせてくれました。
でも、…
「バラエティ
(←その昔、角川書店さんが発行していた映画雑誌)」世代には、
相変わらず(?)カワイイんだけど、ヤッパリ(?)それなりに年を喰ってしまっている(←失礼?)
「薬師丸」さんを見ていると、
自らも、歳をとっていたんだ(!?)と改めて気付かされるみたいで、チョイと複雑な心境…
鑑賞したのが、
偶々、地方の二番館みたいな劇場だったので(?)、二本立ての、もう一本で見た
「吉永小百合」様の歳の割には(?)、美し過ぎるにも程がある御姿(←サユリストの皆様のお気持ち察します!?)の直後だったせいか?
余計そう感じてしまったのかもしれないので、お気になさらないで下さい博子ちゃん(さん?)…
そんな昔見た映画での印象に引きずられてしまうのは、鑑賞者(=自分)自身の勝手だけど、
現実の女優さんも、
…ヤッパリ、年を取るんダヨネぇ〜人間だもの…
それにしてもコレとは、関係無いし、余談になりますが、
「吉永小百合」様の美しさ(?)は、SFXバリ(←失礼?)の驚異(脅威?←コレも失礼?)でしたよ…
今度も感涙派。
なんとも切ない夫婦の愛情物語。
ある意味ファンタジーともいえるのだが、
今作と「サヨナライツカ」を観比べて(同時期なのねぇ)
こっちが舞台原作、あっちが小説なのがハッキリ分かる。
もしご夫婦やカップルで観られるのなら、
ぜひ観比べてみて、あーだこーだと(喧しくなりそうだけど)
語り合うのも一興かもしれない、な。^^;
ネタバレ厳禁。といわれている本作だが、
まぁ…気付く人は早い段階から気付いちゃうかもしれない。
ソレが分かって以降に俄然切なくなってくる作品だが、
ほとんどが舞台独特のシチュエーションで、台詞も軽快、
冒頭から中盤までの二人の掛け合いは、夫婦なら…(爆)
失笑モノの連続かもしれない。
そう、妻は常に小うるさく^^;、夫は常に聞かぬふりをする。
まったくもう。どうしようもないわね。の口癖が、
実はとても普通で、幸せな日常だったことの証というわけだ。
いつだって、誰だって、そうだ。
大切なものを大切だと認識するのは、身近になくなってから。
あたりまえの毎日に、
早い段階から感謝をし続けられるなら、離婚率だって下がる。
リアルな感情とコミュニケーションが観客に親近感をよび、
なかなかうまく纏まったお話だと思うが、やはりこの監督、
ど~しても感涙作品に仕上げたいみたいで^^;
後半の展開はかなり間延びしてしつこい気もするが。。
(石橋蓮司のオカマ演技を楽しみましょう)
「愛している」の言葉を期待する気持ちは女には当然あるが、
それを言えない男だから、秘めた魅力があるのかもしれない。
言わないんじゃなくて、言えないのよね、多分。怖くて?(爆)
ただそんなことをいっていると、手遅れになる可能性も大だ。
では、ご夫婦の意見を闘わせてください。穏やかに^^;
(私はあの写真で愛されているのを実感します。だから撮ってぇ)
いい意味で騙された!
事前情報をあまりいれずにみたら…
やられた!
ミステリーではないんですが
ミステリーとしてもいけそうなくらいの
どんでん返し!
どんなどんでん返しかは
ぜひ劇場で!
マジで泣けます
驚かされます
死んでも愛妻家?
最近観た映画に、死後の世界のテーマが多く、ちょっと考えさせられました。
死はいつ訪れるかわからないもの。さくらは突然の死に、とまどい、夫や我が家から、離れられなかったと思いました。自分もその立場なら、夫、娘たち、家族、家の事が気になって、旅立つ勇気がもてそうちにありません。
昔、身近な死に、泣きすぎる私に、母が言いました。「いつまでも泣いていると、死んだ人は、未練に思って、あの世にいけなくなるんだよ。」
夫の愛をたくさん感じて、1周忌に天国へ旅立つことが出来たさくらが羨ましく思います。
よかったです。
予想外にファンタジー?で、監督に一杯食わされ、泣かされました。
ダンナと一緒に見に行きましたが、見終わった後、しばらくダンナが
やさしくなりました(笑)。
夫婦で見に行かれることをお勧めします。
夫婦来館割引キャンペーンなんていいと思うんだけどなぁ
くしくも
岩井監督組系作品の上映開始日がバッティング。
『BANDAGE』東宝:岩井さんプロデューサー
『今度は愛妻家』 東映:行定勲監督
両方の作品の舞台挨拶に応募したのですが、
『BANDAGE』はハズレ、今作のみ当選。
今年一発目の舞台挨拶付きは今作となりました(笑顔)
予告編のみで
事前情報はなるべくシャットアウト。
結果としては、これが大成功となったのでした。
☆彡 ☆彡
これネタバレなしでレビュー書ける人すごいよな
いやぁ、いい映画だし、感動したけど、どう書こう(笑顔)↓
~この作品で感動していたら、
今作でも感動すると思われる作品名などを記します~
・キャラメルボックスの舞台
・『世界の中心で、愛を叫ぶ』(04)※
・『いま、会いにゆきます』(04)
・『クローズド・ノート』(07)※
・『言えない秘密』(08)
・『悲しいボーイフレンド』(09)
※・・・今作同様に行定勲監督・伊藤ちひろ脚本
↑はい。
作品名で書くことにしました。
この6作品に今作のエッセンスが入っています。
そのなかでも
『クローズド・ノート』(「別に・・・」発言が先行しちゃった映画)
『言えない秘密』この2作のどちらかに感動した人にはドンピシャでしょう。
「1回見て、2回目に見ていただく人にきづいてもらうように演出した」
行定監督が舞台挨拶で、こう話されていましたが、よくわかります。
そういった目線で見ると、ワンシーンしか出番はありませんでしたが、
井川遥さんが一瞬見せた、愁いを帯びた表情と目線が印象的でした。
◇ ◇
「40歳以上の人に見てほしい」
「映画とお客さんとの距離を近づけたい」
狙い通り、
劇場は40歳以上と思しきかたで満席でした。
エンディングが近づくにつれ、すすり泣く声が、
あちこちから聞えてきました。私も、堪えきれず
ポロポロ涙をこぼしていましたが、一方で隣のおじさんは
いびきをかいて爆睡。上映終了後に沸き起こった万雷の拍手で目を覚ましていました(苦笑)
でも、寝ちゃった理由。
わからなくもないんですよね。
だって、前ふりがながいもん。
わたしは、この前ふりも
薬師丸ひろ子さんが『探偵物語』(83)を
髣髴とさせるはじけっぷりと、その頃と変わらぬ
キラキラとした瑞々しさに見惚れていましたので、
眠くなりようもありませんでしたが。だって最近お母さん役ばかりで不満だったもん。
こんな、薬師丸ひろ子さんの姿を待ちわびていました(笑顔)
◇ ◇
原作は舞台劇。
それを映画化したそうです。
行定勲監督・伊藤ちひろ脚本タッグの
作り出す世界と、感動ポイントがあうんでしょう。
上に※をつけた2作品とも、今作同様に頭が痛くなるほど、泣いていましたから(苦笑)
あと、
こんなところに目が行くのは珍しいのですが、
『クローズド・ノート』『遠くの空に消えた』、
そして今作。美術さんのセンスに感心しました。
どこって、主人公の部屋の内装。
飾りつけとか、小物とか。べったべったなリアリティでなく
どこかに劇性っていうか、ファンタジー性を感じるんです。
今作だと、仕事場兼自宅の雰囲気を醸し出しつつも
薬師丸ひろ子さんの写真と、その横に飾られた黄色い花が飾られた一角。
そこに、ご主人役の豊川さんからだけでなく、
行定監督を含めた、全スタッフから薬師丸さんに対する
敬愛・リスペクト。そんなものが伝わってきて、そのワンカットが
スクリーンに映し出されるたびに、ホンワカとしたぬくもりのようなものを
感じ、まるで足湯につかっているみたいなポカポカした気持ちになったのでした(笑顔)
☆彡 ☆彡
映画のキャンペーンで
薬師丸ひろ子さんはコンサートも開催。
豊川さん
「おまえもコンサートやれって言われたらどうしようとドキドキしてた」
あとは
石橋さんが司会者からの質問を受け
「そうですね。水川さんはライバルだと思っていました。
今後、彼女とは作品の方向性がバッティングすると思います」
このふたつの発言に、場内は大爆笑でした。
「まずは、この映画があることを知ってほしい」行定勲監督
ただ、テレビ東京+東映なんですよね。
これが、フジorTBSor日テレ+東宝だったらなぁ。
もっと、プロモーションを派手に且つ的確に打った気がするんだけどなぁ。
微力ながら
このレビューにて
イイ映画ですよ、と発信させていただきます。
大切な人との全てを大切にしたくなる
夫婦のやり取りが、ホント楽しかった。
中年男って、見栄っ張りなところもあるから、
本当に思ってることを口に出せなかったり。
絵に描いたようなダメ夫の豊川に
可愛くも、ちょっとウザい健康オタクな妻の薬師丸。
ホントによかった。
核心に差し掛かる時の豊川のボソッという台詞。
その一言から、涙が止まらなくなってしまった。
一人で鑑賞したせいか、終わったときに
好きな人に会いたくなった。いつも、そんなことないのに。
だから、男と女で感じ方が違うだろうから
別々でとも思いますが、個人的には好きな人と観ればよかったと思いました。
この二人を取り巻く水川あさみや濱田岳の若者もよかったけど、
やっぱり石橋連司が演じたブンちゃんは最高です。
あと「にんじん茶」の使われ方が、よかったと思います。
たくさんの方に観て感じてほしいと思いますが、
お互いの大切さが見えなくなったご夫婦に、是非観てほしい作品です。
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