ザ・フー:アメイジング・ジャーニー

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ザ・フー:アメイジング・ジャーニー

解説

英国が誇るロック・バンド“The Who”の栄光と軌跡を総括するドキュメンタリー。フー初期の幻のライブ映像などがスクリーンに蘇る。また、スティング、エディ・べダー(パール・ジャム)、ノエル・ギャラガー(オアシス)、エッジ(U2)ら現在のポップ・ミュージック界のトップ・スターたちがカメラの前に登場し、伝説のバンド“The Who”を熱く語る。監督は「毛沢東からモーツァルトへ/中国のアイザック・スターン」のマーレイ・ラーナー。

2007年製作/237分/イギリス
原題または英題:Amazing Journey: The Story of The Who
配給:ヘキサゴン・ピクチャーズ
劇場公開日:2008年11月22日

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映画レビュー

3.5白黒の貴重な古い時代の映像が多く観られるが、演奏ブツ切れ編集は酷い

2024年1月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

『キッズ・ア・オールライト』よりも、初期の時代の貴重な演奏映像が盛り込まれているが、演奏がインタビューと交互に切れ切れに編集されており、どちらかというと演奏を聴くよりもドキュメント色の強い作品と言える。

The Who 自身への興味を持って観る分には良いだろうけど、フルの演奏シーンを期待するとガッカリというか、腹立たしくなってくる。

当時我が国では劇場未公開となってしまい、2枚組のLPレコードだけが発売されて虚しい思いをさせられた『キッズ・ア・オールライト』であったが、後年、DVD化の際には追加映像の長尺編集版での発売を遂げ、嬉しい思いをさせられた。
The Whoの伝説的な演奏シーンを期待するのであれば、断然、こちらの方の鑑賞をされる事をお勧めする。

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アンディ・ロビンソン

4.5【皆な歳とったなぁ】

2020年5月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

私はザ・フーのファンです、ピートタウンゼントの分厚い自伝も読んだりしてます。だけど公開時には忙しくて観れずまた内容的にはなんとなく目新しいのは復活後のものが多くてコメンテーター加えたりして作り込んだ感じがして後回ししていました。いざ観たら画面に釘付けになりました、デビュー時に映画をとろうとして残っていた音はちょっとしょぼいけどえらくクリヤーな映像で観れるまだ本当に若々しいメンバにまず驚きました。観るにつれ時間がたったからか死んだキースやジョンの生き様の暗黒面を淡々と率直に語られます、悲しいですが人間というもののおろかさに改めて感じ入ります。二人だけ生き残り歳も取ってジジイになって流石に仲直りしたから過去の激しい確執を振り返ってます、老いて戦友に先立たれ才能に限界を感じ過去の栄光を渋々受け入れていく様子にも人生の先輩として学ぶものがありました(話が大袈裟ですいません)。「キッズアーオーライト」を観てオリジナルアルバムをフーアーユーまでは聴かれてから是非観てください、この作品は傑作です。

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雪国の離島の生まれ、山裾育ち

3.5熱く語るポピュラー資料としておこう!

2008年12月9日

楽しい

単純

知的

ロックの歴史は体系化されつつあり、様々な資料や文献が増えてきたようだ。
その方向性や動きの精密さはどうであれ、史実として捉えようとするベクトルが上手く向かっている。
そのことに快く思う。
まだまだ着手し始めな分野でもあるし、一つのバンドやアーティストの経歴が途中で切れてしまったりと、研究する人間の技量やそれに関わる人材の量など、課題も多いはずだ。
何より、ロックンロールが市民権を得るまでには、それ相応な時間が掛かった。
大人たちの世界観へ、ロックンロールが投げかけた精神は、なかなか理解されずにここまで来た。
その歴史と共に歩んだ偉大なバンド、フー;The WHOもその一つであろう。

映画「アメイジング・ジャーニー」は、フーのバイオグラフィーでありロックの歴史そのものを辿ったドキュメンタリーだ。
正直言って、何かを揺り動かすようなストーリー性や涙を誘う感動があるわけではなく、あくまでもロックンロールの資料映像という見方をすると、そこそこ理解と驚きが隠されている。
印象的だったのは、ロックオペラ「トミー」に関しての深い思いだ。
彼らにとってあの作品は最大の功労だったらしい。
音楽だけに関わらず映像も含めたエンターテイメントの結集、その試みは随分と酷評されているものの、楽曲の鮮やかさは常軌を逸して今でも心に響く。
またライヴ盤「ライヴ・アット・リーズ」の貴重映像がモノクロで現存しその一部すら垣間見れる。

ロジャー・ダルトリー、ピート・タウンゼント本人たちが、自身の声でフーの歴史をひも解くので信憑性はかなり高いものだ。
メンバーが出会ったころや最近の心境など、バンドの目まぐるしい動きをスタイリッシュに切り取っている。
ハイナンバーズという名称で活動していた頃のこと、MODSのイメージにカテゴライズ化されたことへの憤り、楽器を破壊する美学、そして他界したメンバーについての意外な事実など。
特にベーシストのジョン・エントウィッスルについては、プライベートな表情や行動の意外性に驚かされる。
ある意味フーというバンドの存続を左右させ、重要なポジションにいた人であることを思い知らされた。
人は見かけによらない・・・とよくある言葉は、まさにその通りだった。

実にこの4人、どうしようもなくいい加減で、弱くて、だらしのない連中だ。
ビートルズ、ストーンズ、ツェッペリンらとも並び称されるくらい、ロックが巨大化する歳月の重要な部分を背負ったバンドだから、その反動は並ならぬ大きさだったのだ。
一人の人間がそんな反動など請け負うには、少々きつすぎるのも無理はない。
彼らのほとんどが薬物に頼ってしまったようだ。

一つ一つの出来事に関して、エピソードそのものは赤裸々に語られつつも、どこかで深い愛情を感じる。
淡々と語る中にも、血がたぎっていてその流れる音が聞こえてくる。
嘘も方便とは言うけれども、ここには全く微塵もなさそうだ。
共通性のない4人の個性派は、征服感や満足感、葛藤や嫉妬、ありとあらゆる人間の感情を剥き出しぶつかり合っていたのだろう。
そんな衝突は、いつしか音楽を演じる上で最上なパフォーマンスと化し、フーという名の爆発的な核融合そのものになったのだ。
他には無い独自な核分裂は、やがて悲劇さえも引き起してしまう・・・今や残された2名のオリジナル・メンバーも、すっかり初老の仲間入りだ。
だからと言って、彼らは決して後ろを振り向いたりせずしっかり前を向き歩んでいることが嬉しい。
熱くエネルギーに満ちたステージングや楽曲の完成度を追求する姿勢は全く衰えておらず、むしろこれからも進化していく予感さえする。
「残された2人が、音楽いうキーワードで初めて繋がった」とロジャーが語るその眼は、静かに蒼く燃えるかのようだった。
まるで18歳のような瞳だった。

すべてはエネルギーなのだと改めて感じる。

重要なのは理屈や考えだけではなく、感じたものを実演する度胸とパワーからだ。

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