ひゃくはちのレビュー・感想・評価
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よかった
高校野球の映画なのだけど、主人公たちの目標が活躍するでもレギュラーになるでもなく、ベンチ入りすることというので驚いた。それでいいのか、とも思う。他の部に入って選手になった方がいいのではないだろうか。そこまでして野球に固執する必要が理解できない。人それぞれだからいいのだけど、険しい道をあえて選ぶことに意味があるのかもしれない。
後から原作を読んだらポイントが全く違っていて、先に原作を読んだら違和感がすごかったように思う。どちらも面白い。
原作がとても良かったので
早見和真の原作小説がとても良かったので、映画化されていると知ってレンタルで鑑賞してみた。
あ~、そういうことなのね。
原作は20代後半の雅人が恋人に「実はあなたとは高校時代に出会っていて、しかも自分の初体験の相手はあなただ」と打ち明けられ、その記憶がまったくない雅人が焦るところから話が始まり、現在と高校球児時代を交互に描いていく作品だった。
その「高校球児時代」だけを映画にしたんだ。
つまり「現在」に繋がる重要な人物である恋人の佐知子は出てこないし、同じく「現在」に繋がる重要なエピソードであるノブの退部騒ぎも映画には出てこない。
うーん、良い話なんだけどな~。佐知子が出てこないのか~
とがっかりはしたのだけど、この映画はこれはこれで良い。バカばかりやっていた自分の高校時代を思い出した。バカな高校生、大好きだ(笑)
タバコを吸い、合コンで女の子を追いかけながらも、名門野球部のベンチ入りの最後の1人を争う、多くの「男の子だった」男に身に覚えがある話だった。
…いやでも佐知子が出てこないのはやはり寂しいけど(笑)
それよりクリスマスパーティーのノブの「野風僧」の替え歌がなかったのは納得できないけど(笑)
補欠のきもち
原作とは別物と思えば、あり。
3年間死ぬほどがんばって、それでも甲子園のグラウンドの土を踏めない選手がいること。
友情も踏みにじってしまえるほど、人が怪我することを願ってしまうほど、試合に出たいという、切望。
それでもどこかで、レギュラーにはどうやったってなれないと気付きながら、本番で仲間たちを和ませるために転ぶ練習をふる、ノブとまさと。
こんなに一生懸命な夏が、自分にもあったかな。
青春ていいな〜
練習は嘘をつかない
練習は嘘をつかない。
ベンチ入り出来る者と、スタンドで応援するしか叶わないその差は大きい。
試合に参加出来なくては日頃の“成果”を発揮出来ないのだから。
仲の良い2人。毎年プロ野球に幾多の人材を送り込んでいる名門高校野球部に《一般受験》で入って来た。全国から集まって来た“プロ予備軍”がライバルだけに、2人は口にこそしないがレギュラーになれるとは考えてはいない。
寧ろ「負けたくない!」その気持ちだけが心の支えとなって日々、歯を食いしばり、共に励まし合いながら試合に参加出来るメンバー入りに向かって必死に命を掛ける。
自分をわきまえ“その時”に備え、どちらか“その役割”を担っても良い様に“その”特訓 を欠かさない。
その2人が…。
「お前たちレギュラーに俺達の気持ちが分かってたまるか!」
思わず叫ぶ青野君。
私も身に覚えがあるだけについつい共感してしまう。
他にも、若い新人女性記者役の市川由衣に言う。
「本当は、スタンドにいる奴らはレギュラーの誰でもいいから死んでくれないか…って思っているのを知って貰いたいんです」
強豪高になればなるほど、作品中に描かれているような練習中のピリピリ感は強く、なかなかリアルです。実際はもっとえげつない位の足の引っ張り合いは激しいのですけどね…。
出演者の中では青野君のキャラクターが兎に角良いですね。つい応援したくなります。
監督役の竹内力が、また如何にも居そうな監督で、カラオケで歌う「野風増」が雰囲気にマッチしてます(笑)
少ない場面ながら父親役の光石研が泣かせる役所。
この父親との電話のシーンから大事な甲子園の切符をかけた試合へ。
必死になって、必死になって得た“成果”を今こそ“発揮”する場面。
ちきしょう。泣かせやがってこの野郎!!
立花君がちょっと可哀相だったけどね(笑)
(2008月年9月10日テアトル新宿)
買ってもいいくらい。
補欠にシャッター向けるのは、一人前の記者になってからだ
映画「ひゃくはち」(森義隆監督)から。
本来なら、高校野球補欠選手をテーマにした映画だから、
「グラウンドは生き残りをかけた戦場です」なんて台詞が
ピツタリになんだけれど、ちょっとつまらない。
また、映画タイトルの「ひゃくはち」にちなんで
「ボールの縫い目も108つなんだよなぁ」を選ぼうと思ったが、
「この縫い目が煩悩」という発想に、もうひとつピンとこない。
そこでメモしたフレーズを読み直したら、この台詞が光った。
高校野球を取材する立ち場の新聞記者、
先輩から新米への厳しいけれど、的確なアドバイス。
「補欠にシャッター向けるのは、一人前の記者になってからだ」
「気分でシャッター切りやがって・・」と吐き捨てる台詞も、
私には、なかなか気に入ってメモの対象となった。
ついつい、女性の新米記者に対して、優しくなりがちであるが、
まずは基本中の基本を教えるその姿勢が、心に響いた。
物語とはあまり関係ないが、この作品を思い出すなら、
この先輩のフレーズだな、と感じて気になる一言。
どんな世界も、まずは基本でみっちり鍛えること。
レギュラーと補欠の違いも、このあたりにありそうだな。
除夜の鐘の数=煩悩の数=ボールの縫い目の数
最初はレンタルビデオ店でDVDを借りて観たんだけど…1週間で返したくないと思って、ザワザワDVDを買いに行ったよってww
それくらいにアゲゲだったワケ。
こちらがこの映画を観たきっかけは、たまたまこの映画の映像を目にしたんだけど…ジュノンボーイコンテスト優勝者“中村 蒼”くんが色黒坊主になってて、ちょ-かわいかったから。って言いそう。
ただそれだけだよってww
でも、不純な動機で観たけど…
すっごい良かったワケ!!こちらも高校からアメフトをやってて、同じ体育会だから何となく分かるんだけど、「うんうん。わっかる」って共感できる部分も多々あったワケ。
この映画は野球強豪校の野球部に所属する補欠にすら入れないでいる主人公2人が、ベンチ入りを目指して奮闘するって言う内容。
ありがちな野球のサクセスストーリー系な映画とは違って、映画の登場人物に親しみとか共感が持てるの。
だって、野球で全国大会決勝戦の話とかって、まずありえないでしょ?
みんながみんな野球うまいワケじゃないし。むしろ甲子園にすらいけない高校球児の方が多いんだから、そういう補欠の話の方が共感できる度はぐっとアガるだろって。
映画始まって神社で予想するシーンとか、最初はつまんないな~って思ってたんだけど、きゃぴきゃぴしてる高校球児(役)のコたちを観てるだけで、もう夢中になってたよって…え?
でも、もちろん内容的にもおもしろいワケ。
基本は笑いなんだけど、感動あり、興奮ありの感じですっごく楽しめちゃった系~
こちらがこのレビューを書いてるような初夏~夏の季節には是非観てもらいたい一品だよって。
もちろん
可愛い球児が好きな人にも(笑)
ベンチ入りの為の悲喜交々
なんとくなオリンピック・野球の3位決定戦、日本×アメリカをぼけーっと観戦していたとある週末。「今日は何の映画みっかなー…」と映画サイトを物色していたところ、高校野球を題材にした「ひゃくはち」がとても面白そうだったので上映時間をチェックしてみると…。今から家を出るとちょうど上映に間に合いそうな時間だったのと、TVを見るとまさにその瞬間に落球エラーを目の当たりにし、これ以上試合をまともに見てらんない!という理由とが重なり、急遽家を出発することにした。あとで振り返ると、とてもいい判断だったな。
さて、映画の出来はというと。いやぁ、自分がスポ根青春映画が大好きだということを差し引いても、もう素晴らしいの一言に尽きましたね~。直球ど真ん中のストーリーではあるけど、テンポといい、演出といい、オチのつけ方といい、個人的には非の打ち所がない映画でした。
ともにレギュラーを目指し、苦楽を共にし、ライバルにもなり、でもお互いを気遣う友情。そんなスポ根映画ならではのコテコテな部分を話の軸に据えつつ、そんな中に、例えばタバコを吸いながら「喫煙を問題にしたら半分の高校が出場停止っすよね」なんてことを記者に嘯く主人公だったり、裏金問題を仄めかすような、野球部監督とプロ野球チームのスカウトとの接待シーンだったりと、今の高校野球が抱えてる問題点も皮肉っていたりして、ついついニヤリとしてしまったり。
あと、野球をテーマにした作り話って、弱小だったチームが主人公を中心に強くなっていく様を描くことが多いと思うけど、この作品の場合は甲子園出場が当たり前な強豪校で、ベンチ入りできるかどうかぎりぎりな実力を持つ主人公、という設定が斬新だったし、それがストーリーに対するリアリティを持たせていて、とても面白かった。そしてラストの爽快感。私は大笑いしながら大泣きしちゃいました。
高校野球に多少なりとも思い入れがあればさらに面白く鑑賞できるかもしれませんが、そうでなくてもスポ根ものが嫌いでなければかなり楽しめる映画だと思います。お勧め。
煩悩球児ばんざい!
いや~観て良かった!!!素晴らしくいい作品でした。
なかなか時間が合わなくて、ムリかなぁ。。やめるか。。
なんてグダグダ悩んで決めたんだけど、決めて良かった!!
高校球児の世界、私は全然分かんないのだけど^^;
この補欠部員たちの見事な生きざまに笑いながら号泣した。
…今作は、適材適所がそこかしこに活きている。
主人公が補欠部員。
このタイプの映画なら普通は「熱闘甲子園」みたいな感じで
汗と青春の爽やかスポ根ムービーとなりそうなものなのに、
敢えて万年補欠の二人を主役にし、せめてものベンチ入り!
を狙う設定になっているのが面白い。
じゃあこの二人が頑張ってレギュラー入り!甲子園に出場!
などという画期的な展開にもならない^^;そこが素晴らしい。
監督が竹内力。
このヒトしかいないでしょう…!!この役が出来るのは。
絶対にいそうなリアリティの下、見事にその責務を果たし、
強面全開のサンダー振り!しかも歌まで聴ける。これがイイ♪
夜遊び、女遊び、タバコ。
たぶん彼らが全部しちゃいけないこと(爆)なんだろうけど、
したことのない高校生がどこにいるんだ!?と言わんばかりの
バカっぷり。お金を出している親が観たら泣きそうな場面も、
普通の男の子が成長する過程には不可欠の通り道。
ここで逸れるから、また本道に戻れるのが男道。PG-12の世界。
スカウト、ドラフト、癒着関係。
絶対そうなんだろうな~(汗)がリアルに再現されている。
これがあるからスターが生まれるのは頷けるし、それらを
当の球児たちが納得づくで動いているのにも泣かされる(T_T)
間接的に「野球」が表現されていて、完全スポ根ドラマには
なっていないものの、彼らが怠けているのではないことは、
早朝からの練習風景や、そこかしこの場面で垣間見れる。
後半からの一ベンチを賭けた二人の闘いは、それまでの
二人のお気楽ぶりを吹き飛ばすかのように壮絶で見応え十分。
補欠には補欠の意地がある!!
その底意地を、ひとつはベンチ入りへの闘いで、
もうひとつは、かなり意外な形で見せられるのだけど(爆)
これこそが最高の「適材適所」であり、この映画の真骨頂。
こんなに笑えて泣ける野球映画は初めてだった。
ひゃくはち個の煩悩。ひゃくはち針の縫い目。
この映画に、ひゃくはち回の拍手を贈ります。ありがとう。。
あと、ひゃくはち館くらい拡大公開して欲しいですねぇ~。
(だいすき、ってこういうことだよね!分かるから嬉しい(^。^))
補欠には補欠のドラマがある。
不謹慎だけど喜べ。
野球に学生生活を捧げていても、タバコは吸うし、合コンはするし、
だが、補欠でも自分が出来ること、やるべき事に努力を重ねて、
全うする姿に涙する。
高校野球の名門である京浜高校野球部の雅人(斎藤嘉樹)とノブ(中村蒼)は、
補欠であるものの猛練習に耐えて、
ライバルチームの偵察や雑用ばかりであっても、
ベンチ入りを誓い日々努力を重ねている。
そんな中、将来有望な期待の新人が入部してきたために、
ベンチ入りの争いはさらに厳しく、激しくなっていく。
まさに青春の象徴のような夏の甲子園。
でも、いくら練習を重ねようと、少しの才能があろうと、
甲子園の土を踏むことが出来るのは、
選ばれたほんの一部の人間だけである。
それ以外の部員たちには、それこそ野球以外のことを全て犠牲にしても、
死に物狂いで練習をしても、ベンチ入りすら出来ない補欠たちが存在する。
甲子園出場を目指す名門校のヒーローを主役にするのではなく、
乱闘を起こした不良たちでもなく、
何とか練習についていけるぐらいの万年補欠部員を、
補欠でベンチ入り出来るか、出来ないかという微妙な2人の部員の日常を、
レギュラーとの差を感じながらも、
ベンチ入りを目標にして野球に情熱を注ぐ姿を、
2人の葛藤を友情をストレートに泥臭く描いている。
ひゃくはち とは、もちろん煩悩の数で、たまたまなだけだが、
野球のボールの縫い目も108だというのは有名な話。
高校球児といえども、煩悩全開で抑える事はなく、タバコは吸うし、
酒は飲むし、合コンにも行ったりする。
この辺はどこまでリアルなのであろうか?まぁ合コンぐらいは、
ちょっと弾けてしまうぐらいは、いいとは思うが、
上手くやってるんだろうね、発散してるんだろうね。
だから、PG-12なんだろうね。
ベンチ入りすれすれであった2人の大親友が、
何とか19番と20番の背番号を貰うが、有力な新入生の入部によって、
彼が一塁手だったために、ノブは三塁手にコンバートして、
2人は闘争心剥きだしで、争う。
争う熱さも、その先の熱い友情も、いいなぁと思う。
主演の斎藤嘉樹はいい表情するし、持ち味を活かしていたが、
中村蒼の方は、ちょっと表情もぎこちなく、
台詞回しも巧いとはいないけども、2人のらしい友情は、熱さは、いい。
他はこんな監督も居そうだなという、竹内力はアクの強さを魅せつけるし、
父親役の光石研も泣かせてくれるし、
桐谷健太はこの手の作品には欠かせないなぁと、コーチだけどね。
レギュラー役の高良健吾と、北条隆博は、一緒に合コン行ったりして、
ほとんど対立もしなかったので、あまり印象に残らず、
無難に嫌味のないキャラを無難に、記者役の市川由衣は演技ではなく、
顔がデビュー当時に戻っちゃった?
というような撮られ方でいいのであろうか、と思ってしまう。
はっきり言って、ほったらかしで、
描く必要なかったんじゃないのかというシーンも多いし、
それで2時間越えになってるなら、削ってもよかったのではないかと思う。
しかし、あまり期待していなかったというのもあるかもしれないが、
観る前にルーキーズの最終回を観たばかりで、
スイッチが入りやすい状態だったのかもしれないが、
泥臭くて、熱くて、リアルな練習シーンには好感が持てるし、
笑えるシーンも、ちゃんと笑えたし、父親の想いには泣かされたし、
自分たちが出来ることを全うした2人に涙したし、
熱くなりたい人にはオススメ。
練習は裏切らない。
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