ラストゲーム 最後の早慶戦

劇場公開日:

ラストゲーム 最後の早慶戦

解説

太平洋戦争真っ只中の1943年。戦局の悪化に伴って6大学野球は廃止され、学生に対する徴兵猶予も停止となった。そんな中、出陣直前まで野球を続けることを誓った早稲田大学野球部顧問の飛田の元に、慶応義塾塾長の小泉から"早慶戦"の申し出が舞い込み……。現代にまで語り継がれる感動の実話を、「大河の一滴」の神山征二郎監督のメガホンで映画化。渡辺大、柄本佑ら注目の若手俳優が、野球に希望を見出す学生たちを瑞々しく演じる。

2008年製作/96分/日本
配給:シネカノン
劇場公開日:2008年8月23日

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(C)2008「ラストゲーム/最後の早慶戦」製作委員会

映画レビュー

5.0最後の早慶戦

2022年4月26日
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アルキ

4.0父が心配そうに息子を見つめる姿を見逃すな・・・錯覚だったかも・・・

2021年8月7日
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鑑賞方法:映画館

 六十五年の時を経て永遠に語り継がれる試合がある。昭和十八年、戦局が悪化する中で、野球が敵性競技とされていた時代のことだ。四月に六大学連盟が解散させられ、九月には学生の徴兵猶予も停止され、、多くの野球部員が戦場へと駆り出されることになった。戦場へ赴けば生きて戻ってこれなくなる・・・選手たちは徴兵前に何とかして早慶戦を行って思い出を作りたかった。

 慶應義塾の小泉塾長(石坂浩二)が早稲田の野球合宿所を訪れ、早稲田大学野球部顧問の飛田穂洲(柄本明)に試合を申し出るが、早稲田大学総長(藤田まこと)は頑として拒絶する。野球部員たちの熱き思いと飛田自身の思いが早慶戦開催させる物語なのです。

 主人公は戸田順治(渡辺大:渡辺謙の息子)。彼の兄も野球をしていたが陸軍へ志願していて、自分の叶わなかった夢を弟に託す。父親には山本圭。いつもの印象とは違い、軍国主義にどっぷりと浸かった人物にも見えるという意外性。そして母親には富司純子。息子が出征することを誇らしいとは言えずにいたが、「立派な母親ではありません」と一気に自戒を解く台詞が感動的でした。

 この戸田一家を中心に展開するものかと思っていたけど、順治と同室の黒川(柄本祐)の淡い恋、食堂の娘(原田佳奈)が部員の憧れの的だったという挿話などもあり、飛田の熱心な交渉と腹を決めた決断が“出陣学徒壮行早慶戦”開催に結びつくのが中盤における感動の頂点となっていた。もちろん、号泣できるのは試合後に応援歌、校歌を相手の応援団が歌うところ。

 北京五輪における星野日本が世間や報道で非難轟々だったのですが、なぜここまで非難されるのか不思議でしょうがない。金を獲ること、強豪国に勝つこと。元々彼の強気な発言や豪華な職業野球人を揃えたことへの反動もあるのだろうけど、こうした非難こそ国力の顕示を求めた、いわば競技という名を借りた戦争といった印象が残ってしまう。野球そのものが平和の象徴であるとか、純粋に試合を楽しむといった原点を思い出させてくれるこの作品を観てしまうと、「試合を楽しむだなんて恥知らずだ。勝たなきゃ駄目」とのたまった、憎たらしい政治家の顔まで思い出してしまいます。

 この実話の映画化は初めてなのかと思っていたら、一九七九年に岡本喜八監督の『英霊たちの応援歌/最後の早慶戦』で一度映画化されているようです。特攻隊を描いた部分もあるらしいのですが、今回の神山征二郎作品では戦争描写が最後に実写映像が出てくる程度。戦争の恐怖や悲惨さよりは、徴兵を余儀なくされる若者の理不尽さや、平和を願う人間愛を強烈に感じました。

 渡辺謙の息子の演技は、卒は無いが強烈な印象もないといった感じ。山本圭や富司純子は見事に感動を与えてくれるのですが、それよりも際立った演技は柄本明。“一球入魂”という言葉を残し、学生野球の基礎を作った功績のある飛田穂洲という人物にも興味が出てきます。

【2008年8月映画館にて】

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kossy

2.5ブランド

2021年7月8日
PCから投稿

最後の早慶戦がこんにちまで語り継がれるドラマとなっているのは、それがワセダとケイオウの話であるからに他なりません。
でなければ歴史の隅に追いやられ、何十年も経て映画化されることは有り得ないでしょう。

無関係のにんげんにとって「だからなに」や「それがどうした」になること──そんな疎外感を多くの日本人が、知っているのは、この国のほとんどの時事が東京の話題で占められているからだとわたしは本気でおもっています。

ご存知のとおり、この国の地方都市はどこへ行ってもシャッター街です。都市圏とイオンだけに人がいる国です。

たとえば新型コロナウィルス禍とオリンピック。とうぜん関係ないとは言いません。しかしどうでしょう。
まんえん防止や緊急事態宣言が、1ミリも関係ない地方が、この島には、事実上たくさんあり、そこにも大勢のにんげんが住んでいます。

オリンピックにしても、どこか地方に住んでいたら、恩恵も、受難も、なんにもありません。ばあいによっては東京オリンピックと言ったら市川崑の映画のことだと思う人だっているかもしれません。(冗談です)

この国でメインストリームの階梯を昇りたいばあい『ブランド』が重要です。(本気です)

どんな野望があるにせよ、賢明ならば、16か17歳あたりで「おや、この国、東京に出なきゃ話にならんぞ」と気づきます。東京はブランドです。そこに住むことはブランディングです。

ユーチューバーが稼いでいる現代では、勘違いしてしまう人もいますが、きほんてきに、いい大学へ行き、いい会社へ入り、出世することが、今もわたしたちの人生の王道だと思います。

出陣する学徒を壮行するエピソード、日の目を見なかった野球と戦争のドラマが日本中に星の数ほどあったに違いありませんが、後世に伝えられるのは最後の早慶戦だけです。
わが国の私立二大ブランドである「早」でも「慶」でもない人が、この映画を見る理由・根拠・由縁・事情がありますか?なんにもありません。「けっ、なにが最後の早慶戦だよ」と毒づきながら、見るほかありません。

で、思ったのです。
みんながウィルスで困窮している今、オリンピックの開催は、「早」でも「慶」でもない人にとっての早慶戦のようなものです。

じぶんに、いっさいの関わりを持たない東京以外の日本じゅうで「けっ、なにが東京オリンピックだよ」と毒づきながらオリンピックを見るんだろうな──と思ったのです。

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津次郎

3.5学生野球は遊びではない、教育だ

2008年10月26日

泣ける

悲しい

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shimo

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