容疑者Xの献身のレビュー・感想・評価
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愛の証明
まずストーリーについて
テレビ版も楽しんで観ていたが、今作も面白くガリレオシリーズは面白いなぁと思った。
冒頭の内海が湯川に愛について尋ねることが全体の振りになっており、今回の事件がそれに対する証明となっている、というのがこの映画の構成である。
最後に内海が石神にとってあの親子の存在が生きる理由だった、というのが印象的である。
あの親子への恋心が生きる活力だったのであろう。(あの親子が石神にした挨拶などは大したことのないものだが)
常に論理的で私情を挟まない湯川は苦しむことになる。それは石神に対する愛である友情があるからである。天才として分かり合えた友情が。
論理的・科学的には説明がつかない愛の存在を一つの例として証明したのが今作であると思う。
非常に悲しい物語だ。確かに誰も幸せにならない。真実は時に残酷なものだ。
最初から死体を捨てればよかったという意見があるが、日本の警察をなめてはいけない。宿からの失踪届けから花岡の存在を突き止めかならず死体が引き揚げられたであろう。
映画について
なんといっても堤真一だろう。最後に泣くシーンは俳優ってスゴイなぁと感じさせられた。
うん、面白い
テレビとは印象が違う気がしました。いい意味で思い切ったな~と思いました。オチも驚きましたし、普通に面白かったです。堤さんは凄いですね~。何でもできる気がします。でも、凄すぎて映画の印象が暗いのが欠点ですね。暗い映画を否定する訳ではないですけど、何となくこういうドラマはもう少し明るくてもいい気がします。
ラストでやられました!
元々東野圭吾が好きで他の本は読んでいましたが
ガリレオは何故か手が伸びず未読でした。
丁度地上波でやっていたので、正直あまり期待せずに見てみましたが、
話の展開と、何より堤さんの演技にやられました!
人生に疲れきっている表情とラストの号泣するシーンは忘れられません。
柴咲コウのモデル演技も露出が少かったので気になりませんでした。
ただ、ドラマ→映画になったからか
冒頭の実験や雪山など大掛かりなシーンがちょっと…。
『お金掛けてますよ!ドラマじゃないですよ、映画ですよ!』って感じが
気になりました。
でも全体的にはとても見応えがある映画でした!
原作読んでみようと思います!
“映画っぽくしてみました”が鼻につく
自ブログより抜粋で。
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直木賞受賞作が原作だけあってテレビドラマの劇場版と思えば充分面白いんだけど、テレビ的価値観による“映画っぽくしてみました”が鼻につく。
(中略)
原作未読のおかげで驚きのトリックにはまんまと騙されたし、感動の大団円も素で満喫できた。
けど、オープニングの派手なだけの実験や取って付けたような雪山登山とか、なんか「頑張って映画スケールにしてみました」っていうあざとさが気になってしょうがなかった。
山小屋が顕著なんだけど、照明がよくないのか撮り方が嘘くさいのか、セットがあからさまに作り物だし、湯川と石神の挑戦的な別れ際のスローモーション撮影も演出過剰ではったりにしかなっていない。
推理モノとしてのトリックの全貌がわかったときはさすがに唸らされたけど、そこに至る推理過程は観客を置いてけぼり。
もう少しヒントなり、ミスリードなりを用意してくれないと傍観するしかない。別の言い方をすると、真相は予想できなかったにもかかわらず“やられた感”は乏しいのだ。
また、脚本の詰めの甘さからか石神にあまり天才らしさを垣間見れられないのも物足りなさを感じた。
トリックそのものは天才らしい周到なものだったけど、前提となる石神という孤独な天才キャラクターを描き切れていない。
机上で難問を解くとかではなく、もっと日常的なところで凡人との違いを見せつけなければいけないんじゃないの?
役者に目を転じると、堤真一の役柄をわきまえた抑えた演技はよかった。実質的な主役は彼。
松雪泰子と金澤美穂ちゃん親子もいい。松雪泰子はいい女優さんになったなあ。
福山雅治も悪くないんだけど、堤真一らと対峙するとやはり格の違いを感じてしまう。
柴咲コウはたくさん映画に出てる割に演技の幅が少ないなあってのが正直なところ。でも今回は案内役ということでそれはあまり気にならない。ただ、唯一の見せ場といえる福山雅治に真相を問い詰めるシーンが演出のまずさもあって台無しなのが惜しまれる。
総じて最近あまりない本格的な推理モノとして悪くはないんだけど、素直に褒める気になれない歯がゆい作品。
ガリレオの番外編ですね
小説やTVでおなじみのシーンがなくて残念。人間模様や動機について深く追求している本作にびっくり。
ガリレオシリーズのファンなので、ガリレオ先生の十八番ともいうべき科学で解明の実験シーンが見たかった。
コミカルを封印したヒューマンドラマです。
2007年10月からフジテレビ系列で放映された人気ドラマの一年ぶりの映画化。
映画もテレビシリーズの一年後という設定なので、おなじみの出演陣の人間関係はすっかりできあがっているという設定らしい。
テレビ版ではコミカルなシーンが毎回あったが、この映画はオープニングシーンを終えるとあとはコミカルも物理学も封印してヒューマンドラマを中心に描いている。テレビドラマでおなじみの出演陣ではあるが、映画の本当の主役は石神哲哉(堤真一)と花岡靖子(松雪泰子)の二人。
楽しませる映画では無い。しかし、友情や愛情の姿を見たい方にはこの映画をお勧めしたい。
福山さんかっこよすぎ!
原作を読んでいても、とっても楽しめる内容だった。
話のテンポもよくて、気がつくとどんどんのめりこんでしまう。
TVの延長のような気もするが、福山さんがドアップで見れることが何よりもGood!だった。
なきました
TVとは要素的に違うかなと思います。
ただ、堤真一が確実に福山雅治をくってました。
私は泣きました。
ただ、映画館で泣いてる人は半数もいなかったかも・・・。
しかし、土日はまだ満席ってすごいです。
お、重い・・・・
そこまで邦画は観ないし、ましてや劇場で邦画ってのは全くと言っていいほど観なかったのですが、なかなかの出来だと個人的には思います。登山のシーンとかはちょっと余計にも思えましたが・・・
ドラマも少しは観ていたのですが、これは別物と思っていいでしょう。主役は堤真一(マジで名演!!)と言ってもおかしくありません。柴咲コウとか、もはやいてもいなくてもそこまで変わらなかったかもとすら思ってしまいました。
内容が予想に反してかなり重く、しばらく気分が塞ぎこんでしまいました。それほどまでにこの映画には深い味わいがあったと思います。機会があれば原作も読んでみようかなと思ってます。
火曜サスペンス劇場です
友達がスマステで稲垣くんが絶賛してたから観たい、とのことで一緒に観ました。
ドラマを知らないし、原作も知らない。
でも、この程度の出来のサスペンスならテレビで十分満たせます。
天才物理学者VS天才数学者という高度な頭脳戦を期待できる設定も、途中からあまりにもその二人の人物造詣を崩しすぎです。天才物理学者、湯川は「愛」ですらも数式にするキャラクターだから面白いんであって、それを崩して、途中から人間味あふれるキャラクターにするなんて都合よすぎです。結果、ありふれた推理ドラマになったという感じ。さらにそこから安易に泣かしにかかる典型的な日本映画の悪癖。これ禁じ手にして欲しい。
その設定を活かせるほどの頭脳をこのシナリオは持っていなかった、という事に、本作を見る限り解釈するしかないですね。CM以外あまり知らなかった福山雅治は収穫。柴咲コウは良くも悪くもないが、役的に本作では緊迫感に水を差す存在でした。
ちなみに友達はテレビのほうが全然面白かったと言っておりました。
しばらく街並みを眺めて考えました・・・
東野圭吾原作のテレビドラマ「ガリレオ」は、そのキャストの豪華さで話題を呼んだ。
福山雅治と柴咲コウという生活臭を感じさせないコンビが、月9の枠で華やかに舞っていた。
その延長上にある今作にも、テレビ規格そのままなステレオタイプとエンターテイメント性を、半ば求めてみた。
しかし、大きな誤算だった。
あの物理学者の湯川という主人公、何とここでは華麗な推理力と鋭い洞察力、鍛え抜かれた計算力という「お決まりごと」を、一先ず、そっちに置いていたからだ。
規則正しさが崩れたら、その事後処理を如何にするか?・・・それがこの映画の背景だ。
この物語のキーマンである石神という天才数学者、陽の当たらない陰湿な雰囲気の彼に起きた悲劇は、やがて思わぬ方向に進んでいく。
人間の奥に眠るいくつかの感情、それらが登場人物たちを左右していく。
やがて各々に重く圧し掛かるのだ。
石神の隣の部屋に弁当屋の女主人とその娘が住んでいる。
そこへ別れた元夫が突如現れ、娘に暴力を奮いだす。
やがて、二人は元夫をやむなく殺してしまう。
騒々しい物音に気づき駈けつけた石神は、二人の事件隠ぺいの為に数学者としての才気を活かし完全犯罪を思惑する。
一見冷静で完璧なはずな計画も、湯川の推理の下で次第に解き明かされていくのだが・・・という流れだ。
主人公は当然ガリレオ・シリーズでの福山雅治ではあるが、むしろこの劇場版に至っては石神役の堤真一であると言える。
かつて湯川と同じ帝都大学に在籍した天才数学者が、どこかで人生を踏み外し息を潜めるかのような毎日を送っている。
草むらでひっそりと生息する動物や微生物のように思えてならなかった。
スタイリッシュで若々しく背筋の伸びた湯川に対して、猫背とハの字に歪んだ眉の石神、その冴えない風体を堤は自然に演じ切っている。
ハイライトシーン、二人が警察の取り調べ室にて相対するカットが、ものすごく印象的だった。
そういえば勝ち組負け組なる言葉もあり、何となくそんな図式に見えてならなかった。
そんな石神にも、湯川に負けない部分がいくつかあった。
数学への愛着、登山(これは劇中のみ、原作にはないものらしい・・・)そして湯川には到底解明できない(ことになっている)「ある難問」である。
なぜ故に石神は完全犯罪を企んでまでこの親子を守ろうとしたのか?
そもそも、隣人という立場上からして無関係だったにもかかわらず、石神をそこまで駆り立てた本当の理由・・・そこが最大な見せ場だ。
きっと男女関係なんかではない!(当初はそう思ったが)
もっと人間らしさの奥深い場所にそれは眠っている。
眠ってはいるが、ちゃんと起きている・・・いや、目を覚まさせてくれるほど尊いものだ。
その例えを劇中では「難しい微積の問題じゃなく、単なる関数の引っかけ問題」というような言い方で表していた。
あるいは「隣り同士が同じ色に染まってはいけない・・・」と半ば諦めた感じに。
日陰の動物にだって時折陽が射す。
それを本当は捉えて離したくないのだろうか?
草食動物でもたまには肉を平らげてみたいものなのか?
そうではないのだろう・・・自然の摂理だ。
いつもの場所で規則正しく、そして明日をひたすら待つ・・・本当はこれが一番難しいのだ。
だからこそ尊いのだと思う、日々が無事に済むというのは。
石神の様々な仕掛けに対し湯川は次々と仮説を立てて刑事の薫に話すのだが、どうもテレビ番組でのあのガリレオらしさとは違って見えた。
おかしいな?解せない思いで劇場を後にしつつ、改めて考えた。
ドラマシリーズでは、大概このような流れだったかと・・・
『推理、仮定仮説、そして実験による立証』
ところが、この事件は仮説の段階で結局止まっているのだ。
実験など出来る由もない。
仮にしたとしても誰も幸せになれない虚しさ・・・それを一番知っていたのは湯川本人だ。
最後に見せる石神の「慟哭」シーンは、湯川にとっての「慟哭」でもあったのだろう。
湯川が望んだ本当の解決を得られなかった。
唯一の未解決事件なのかもしれない・・・そんな彼の「慟哭」にも気づいてしまった。
幸せを求めたり、希望を見出したり、それらを当り前に描くのが人の常だ。
そして、僕らはひたすら一途に生きている。
ただ単に、そう思える日々が愛おしくないか?
堤さんスゴイ! 泣けました・・・!!
原作が面白すぎるので、正直そんなに期待していませんでした。
特に石神=堤真一はカッコ良すぎで引く~と思っていたのですが、
堤さんの演技力で悲しみ・切なさが全身から感じられて、
「まさに石神!」と納得できました。
本当に悲しいラブストーリーです。色々考えさせられる・・・
ハラハラと崩れるように鳴き落ちる堤真一の演技に鳥肌がたちました。
本作は、テレビドラマ『ガリレオ』の劇場版です。小地蔵は、テレビ版は全然見ていません。それでも楽しめましたからこれから見る人もご安心を。
本作は、推理ドラマとしては異色の犯人と犯行を冒頭で明示してから進行します。しかし犯人には、完璧なアリバイがあり、捜査は行き詰まりますが、見ている方もアリバイに捕らわれすぎました。
本編を支配する数学的ギミック。簡単に言うとある面ばかりしか考えない思い込む人間の習性にギャフンとさせられるのは捜査陣ばかりではありません。
容疑者の数学教師・石神は、観客にも数学的思考を要請しているように思えました。そしてストーリーテーラーとなる物理学者の湯川学の解説を通じて、本作の事件を別な視点で推理する必要を痛感しましたね。
頭脳派二人がぶつかるとき、無言に近い以心伝心の対決が見物でした。そして数学=最初に真相回避の命題を開示して、それを実現する公式を次々編み出していく発想法に対して、物理学はひたすら実証と推論を繰り返して、真相に近づいていくという二人の立場の違いが鮮明になったと思います。
さて、犯人の花岡母子は、別れた夫にアパートを突き止められ、二人ははずみで前夫を殺してしまいます。隣の住人だった石神は犯行を察知して、花岡宅に乗り込みます。てっきり脅迫するのかと思ったら、共犯のリスクがあるのに石神は、事件の隠蔽とアリバイ作り、そして警察への対応を完璧に母子に指示し、捜査を攪乱してしまうのです。
観客にとって大きな謎は、冒頭に元夫殺しを見せつけているのに、警察の特定した死亡推定時間には、親子で映画を見ていたという完璧なアリバイが出来ていたことです。石神はどんなトリックで、アリバイを作り上げたか。
この謎はラストまで引っ張り、犯人母子も知らなかった容疑者Xの常識を越える献身ぶりが、明らかになって行きます。
真相がわかったとき、思わずそんな手があったのか!と思われるでしょう。
そしてホームレス街にポツンとベンチに取り残された荷物が意味なくアップされる、中盤のワンシーンに隠された重大な意味に気づかれて、あっと驚かれるのに違いありません。
もう一つの謎は、なぜ容疑者Xは見返りを求めず犯人母子に献身しようとしたかです。これもドラマとともに次第に明らかになります。単なる恋心でなく、母子に出会ってもたらされた生きるための意味が、彼にとってどれほど大きなものであったのかしれなかったのです。
そのために決定的なのは、石神という人物のキャラクターです。堤真一はこれまでのネアカで活動的なキャラを覆し、陰の深い数学オタクの教師役をリアルに演じていました。クライマーズ・ハイとの余りの違いに、当初は別人だと思ったくらいです。
そして圧巻は、東野圭吾作品のヤマ場。仕込んだトリックが崩壊して、犯人が号泣するお約束のシーンで、ハラハラと崩れるように鳴き落ちる堤真一の演技に鳥肌がたちました。犯行が張れただけでなく、全知全能を尽くして仕立てた自分の献身が音立てて脆くも崩れてしまった刹那だったのです。
反面福山雅治は、湯川という役柄を作り込みすぎている感じがしました。石神と心を通わせる後半は、ずいぶん馴染んできたような落ち着いた演技になっていました。
それにしても、伝わってくる思いメッセージは、真実を暴くことが正しかったかということです。それでは誰も幸福になれないではないかという石神の言葉が、湯川を追い込んでいきました。
物理学者は、立証してなんぼの商売。聡明な湯川でも、論理を超えた情という不確定因子の前には、自分の信念が揺らいで、後味の悪さばかりが残ったことでしょう。
映画『ビック・フィッシュ』のテーマでもありますが、事実よりも作られた記憶の方が重要な意味を持つことも考えなくてはいけませんね。
おもしろい!
TVドラマは1話も見ていません。原作は読みました。
映画、面白かったです!
原作を読んでいて、「そ、そういうことかぁぁ!」と思わず唸ってしまったほどのトリックと献身。原作のままではないですが、見事に表現されていたと思います。
残念ながらドラマ版を見たことがないので、そちらとの比較はできませんが、映画は原作を読んで受けた印象に近いものでした。登山のシーンは若干ポカーンとしましたが…。必要だったのかなぁ。。。
キャストも良かったと思います。堤真一さん演じる石神も、見事に陰湿で暗い男になっていました。(観る前はかっこよすぎるのでは?と思ってた)松雪泰子さんもすごくキレイ。
原作好きな人には物足りない部分もあると思いますが、「そもそも原作を100%完璧に再現するのはムリがある」という前提で観ると十分楽しめると思います。
予想に反して面白かった・・・
ドラマは飛び飛びでしか観ていませんが、鑑賞券をいただき観てきました。堤真一がいい・・・『クライマーズ・ハイ』よりも格段にいい演技をしています。今回も冬山の登山シーンがありますが、彼はこの一年間で何回、山登りをしたのでしょうか?興味深いところです。
このところ、ドラマの映画化がブームですが、そもそも映画から決別し、独自の発展を遂げてきたテレビ界が原点回帰・・・とういうか、減収減益を補う為に、テレビ映画を乱発している点がいささか気がかりなところではあります。映画界もオリジナルな独自の映画の世界、例えば『おくりびと』のような良作を作り出していただきたいものです。
とりあえず、本作の出来は二重マル◎!!テレビで観ていない方も十分に楽しめます。
原作には勝てないかな
うーん、まぁ普通に面白かったですよ。でも原作にはやっぱり勝てない。2時間で全部を埋め込むのは難しかったということかな。原作を読んでいない人の方が素直に楽しめると思います。
このお話はですね、最初から靖子が犯人だとわかっているわけですよ。だからそれを石神がどう隠蔽したのか。何故彼女に完璧なアリバイがあるのか。まずそのトリックと、そして石神vs湯川の頭脳戦、さらには石神の無償の愛が見所だったはずなんですが・・・。
正直原作で内容を知ってしまっているからか、まずトリック部分にたいした驚きがない。ほぉ、そうだったのか!と思わせる演出が足りなかったように思ったんですよね~。って私だけかな。
また湯川先生が唯一天才と認める石神のその頭脳のすごさ、そしてその石神の頭脳が考えだした隠蔽工作に挑んでいく湯川先生の姿がね、もっと盛り上がっていいはずだったんですけどね。謎解きに湯川先生はもっと苦労してほしかったなぁ。なんか簡単に答え見つけちゃって、あれ~という感じ。これは時間が足りないせい?それだったら雪山に登るシーンカットしてこっちをもっと描いて欲しかったです。
湯川先生のイメージが全く福山ではないように、石神は数学オタクで結構暗く地味~なイメージだったのですが、堤さんの配役は見事でしたね。かっこいいのにダサくて陰気な雰囲気を出せる俳優さんですから。普通に福山さんと堤さんだったら絵になりますしね~。
背中を丸めて発する言葉も少なく、人生に何の楽しみもないような男・石神。堤さんの演技、さすがですね。どっしりと重くて暗い雰囲気が全体から漂ってます。それに比べて湯川先生の爽やかなこと。お前はいつまでも若々しくていいな~、と石神でなくても言いたくなってしまいますよ。
そして原作同様、事件の真相に気づいてしまった湯川先生は苦悩します。相手が石神であるが故に。その苦悩をね、全く必要ない存在の柴崎コウ演じる内海に”友人”として聞いてくれって話してしまったところが私は納得いかず。だいたい連ドラですら内海の存在価値を全く感じられなかったのですが、映画となればなおさら。本当柴崎コウ、超いらない。というか邪魔。ギャーギャーうるさいだけだし。連ドラは仕方ないにしても、この映画容疑者Xの献身では彼女は登場しないでくれた方がよかったように思いますよ。湯川先生、石神、花岡靖子、この3人がメインで十分じゃんって。そして友人として話をするなら内海じゃなくて草薙なんですよ。
福山さんの格好良さと、堤さんの演技の上手さはすばらしかったし、まぁそれなりに楽しめましたけど、重要な台詞がカットされてたりして、はっきり言って原作ほどの良さは映画からは伝わってきませんでした。原作支持者はあまり納得できないのではないかと。。。
この映画楽しんだ方、辛口レビューで本当すみません。
TVとは、別物!
原作読んでません。TVドラマも、チョこっとかじったくらいです。東野圭吾原作「ガリレオ」シリーズの映画化。事前に観た人から『泣けるで~』と聞かされ、吾輩『???』このシリーズって確か、福山雅治の軽妙洒落な“なりきり演技”がウリの、少し軽めのお話じゃございませんでしたか?
はい、TVとは全然テイストが違います。ハッキリ言って“別物”です。湯川先生ハジけてません!かなり抑えてます。そこが『実に、面白い!(^^;』確かに今回、タイトルのどこにも「ガリレオ THE MOVIE」とは謳われておりません。そう、あくまでもコレは東野圭吾原作の「ガリレオ」シリーズの映画化作品であって、月9ドラマの映画化作品ではないのです。そこら辺が、これまでのフジテレビのドラマの映画化作品とは、一線を画す仕上がりとなっています。何よりこの映画、“福山雅治 主演”ていうより、堤 真一と松雪泰子が演じる、石神と靖子を中心に描かれてます。更に言うと、柴咲コウ演じる内海なんて、大した役目を果たしてない…って言うか、別にいてもいなくても一緒!くらいのキャラになりさがっております(今回一番オイシイ思いをしたのは、ひょっとして北村一輝かも…)。ですから、あのドラマのテイストが好きで、ソレを期待して観に行かれますと、相当な肩透かしを喰らうことになります。吾輩は映画の後半、まるで同じ東野圭吾 原作の「手紙」を観ているような錯覚に陥りかけました。
それでは、作品としてのデキはよろしくないのか?答えは『NO!』推理サスペンス物としては、一級品の出来だと言えるでしょう。天才・石神が実践した完全犯罪に、その明晰な頭脳で果敢に挑む湯川…。この静かで緊張感溢れる対決は、観ている者を決して飽きさせません。ただ、そのかわりに大スクリーンで観るには、非常~に地味です!予告編で流れている“大爆発の実験シーン”が冒頭で流れますが、それ以降ハデな映像は、一切なし!吾輩観ながら『カネ掛かってへんな~(^^;』と思っちゃいました。そう、デキはともかくスケール的には『TVでも出来そう…(爆)』って、思っちゃいました。あ、決してヒドイ映画じゃないですよ。それは重ねて申し上げておきます!
前述しましたが、今回の手法はこれまでの“TV→映画”という少々安直になりつつあった制作の流れに、一石を投じるような作りになっています。そういう意味では、コレが大ヒットして、一つの新しい流れが作られれば…、ソレは今後の映画業界にとって、大いに意義のあることだと思います。ドラマを観てなくても、原作未読でも充分理解出来ますので、変な予備知識を持たずにご覧になることを、お薦めします。但し、ドラマが好きだった人!何度も申しますが、“シリアス”ですよ。主題歌は同じ“KOH+”でも「KISSして」ではなく、「最愛」です。このテイストの違いに戸惑われぬように…。
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