レッドクリフ Part I : 特集
11月1日に封切られて以降、好調な興行成績を記録し、大ヒットしている「レッドクリフ Part I」。果たして、このヒットは洋画大作としてどのくらいの規模のものなのか? さっそく検証してみよう。(文・構成:村上健一)
今年の外国映画の覇権を懸け「レッドクリフ」が「インディ・ジョーンズ」に挑む!
「レッドクリフ」がヒットしている。我々の予想を遙かに上回る成績で、秋の映画興行を力強く牽引している。
公開5日目にしてすでに動員100万人を突破、10日目には150万人を達成した同作の勢いは、この夏の超大作「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」(以下「インディ4」)とほぼ同等なのである。「インディ4」の100万人突破は6日間、150万人突破は9日間だ。
ちなみに、「インディ4」の最終的な興行収入は57億円で、この夏の洋画ナンバーワン作品であることはもちろん、現時点で08年の洋画ナンバーワンでもある。「インディ4」以外の夏の洋画大作が振るわなかった状況や、年末までのラインナップを見ると「今年はこのまま終わってしまいそうだな」というのが、大方の予想だった。
そこに「レッドクリフ」(11月1日公開)である。「レッドクリフ」は、そこそこのヒットは見込まれていたものの、関係者の間では「興収30億円行くか?」というのが予測のポイントであった。ところが、いざふたを開けてみるとオープニング3日間の興行収入は「インディ4」の103%という予想以上のスタート。興収40億円以上はほぼ確実という出足で、ひょっとすると、最終的に「インディ4」を上回る可能性もなくはない。
アジア映画が、ハリウッド映画(洋画)を打ち負かして外国映画のナンバーワンになるとしたら、こんな痛快なことはない。ということで、「レッドクリフ」と「インディ4」を比較するための表を作ってみた。
「レッドクリフ」は、ハリウッドで成功を収めたジョン・ウーが監督を務めるとはいえ、敵はハリウッドの帝王スピルバーグだ。しかも、盟友ジョージ・ルーカスとのコンビは帝国軍より強大。また、「レッドクリフ」は製作費に100億円を投入したと喧伝されているが、実はこれとて「インディ4」の半分にすぎない。トニー・レオンとハリソン・フォード、主演俳優のスターパワー(動員力)の差も明らかだし、公開劇場数も200以上の開きがある。
「強大なハリウッド映画にアジアのダークホースが挑む」という構図は、さながら「80万の兵を率いる曹操軍 vs たった5万の劉備・孫権連合軍」という「レッドクリフ」で描かれる対決のようにも見える。
果たして「レッドクリフ」は、「インディ4」の成績にどこまで迫れるのか? この秋の大きな楽しみである。もちろん、勝った方が、今年の外国映画ナンバーワン作品ということである。
「M:I-2」 興収 97億円
「E.T.」 推定興収135億円
「HERO」 興収 40.5億円
興行収入対比