レッドクリフ Part Iのレビュー・感想・評価
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三國志好き向けのアクション映画
時代劇、三國志好きには言いと思う。
大小説の一部を切り取ってるのでチョット知らない人は前後の脈略がわからないのでは?
ワイヤー?と言うか、シナ式の超人アクションがチョット痛い感じ。
娯楽シナ時代劇って感じかな。悪くは無いが、見終わってあぁ、何も感じない。
ジョン・ウー印の歴史スペクタクル
オープニングから鳥。
そして、ジョン・ウー作品のどこかでみた、布にくるまれた赤ん坊を救出するスペクタクル。このあとも趙雲こそが武将の中で一番かっこよく描かれている。
さらに、決戦前の白い鳩の羽ばたき。白い鳩はその後も孔明の伝書鳩として大活躍する。
このようにジョン・ウーの過去の作品を観てきた者からするとおなじみのアイコンが随所に示されている。しかし、彼の作品と聞いて観客が期待するようなアクションがここにあるだろうか。
彼の作品であることを示す意匠が数多くちりばめられているにもかかわらず、物足りなさを感じるのは拳銃が用いられないという理由だけではあるまい。なるほど、八卦の陣のアクション・シーンは立体的な空間の描写も素晴らしい。
しかし、刀剣や槍での戦闘シーンが単調なのは否めない。カンフー映画のようなアクションを封印して、欧米の歴史スペクタクルばりの殺陣を繰り広げている意図は分からないでもない。しかし、日本や中国の観客がそれを求めているのだろうか。確かに土臭さのない、洗練われたスペクタクルにはなった。アジア圏が世界に向けて誇ることの出来る素晴らしいキャストも相まって、欧米市場に通用する大作となった。だがしかし、足元の東アジアの観客にもう少しサービスして欲しかった。
外れない!戦略的!
三国志という設定を使用した架空の娯楽活劇
総合:65点
ストーリー: 55
キャスト: 70
演出: 65
ビジュアル: 85
音楽: 70
三国志が好きな自分としてはかなり興味がある作品だった。
だがこの作品は三国志演義を基にして曹操を完全に悪者として描いていて、そのあたりはあまりにはっきりと白黒つけすぎている。
架空の物語である小説や演義だけで飽き足らず、歴史書である正史三国志も読んで曹操の優秀さや彼の果たした役割も含めて彼のこともかなり好きな自分としては、このような描き方は納得しかねる。本当の曹操という人物からは程遠いだろうし、そんなに悪いだけの人物を敵役にしてはかえってその凄さが削がれていて不自然だろうし、物語としても盛り上がりにくい。
また関羽や趙雲といった主人公側の登場人物の戦闘を劇的に一方的にかっこよくしすぎている部分があり、昔ながらの古い形式の時代劇という演出も気になる。
音楽に詳しかった周瑜という歴史的事実を取り入れたかったのだろうが、調練中の周瑜の軍勢の近くで子供がわざわざ笛を吹き、それを調練で多忙を極める周瑜が優しく音程を直してやる。さらにその父親だか誰かの牛が盗まれたというのを戦を前に多忙の将軍の周瑜が聞きつけてそれをわざわざ探し出そうとするとか、そのあたりもべたすぎてかなりくさくて呆れる。往診に来た獣医じゃあるまいし、わざわざ命懸けの交渉にやってきた諸葛亮が周瑜の陣営で難産の馬のお産を手伝うなんてのも馬鹿げている。あえてこんなくだらない場面をいくつも入れて時間をかける必要があるかな。
これらの主人公側の登場人物がいかに優秀で善良であることを描くための演出としては、あまりに古すぎてつまらなすぎる。そのようなこじんまりとしたどうでもよいうえに「そんな馬鹿な」的な美談的な話がところどころで挟まれているのは、中国の時代劇らしいといえばそれまでだが、これでは中心となる話の大きな流れを削いでいる。ただ三国志という歴史を追及した映画というよりも、三国志という設定を利用した娯楽としての時代物活劇として作られているみたいなので、これはこれで仕方がないのだろうと諦めるしかない。
中国ではいまだに馬鹿丸出しの日本兵を悪者にして、善良で勇敢な中国人が登場して彼らをやっつけるという単純すぎる勧善懲悪劇がテレビで人気だというが、この作品でもそのような流れがところどころに垣間見れる。絶対善と絶対悪の戦いで絶対善が勝つという、古臭くてあり得ない単純構造が気に入らない。
しかしいい部分もあり、衣装や美術は良く出来ていてたいしたものだし、人海戦術で大規模な動員をして迫力のある軍勢の物量作戦は中国らしい。かなり金のかかっている作品というのがすぐにわかるし、これは素晴らしいかった。さらにそのようなものを映し出す撮影方法もなかなかのもの。また一本の映画にするにはあまりに壮大な三国志において、最大の激戦であり大きな歴史の転換点となった赤壁の戦いだけに焦点を当てた作品にまとめたのは良い判断だった。
ジョン・ウー^^b
ハリウッドとも邦画とも違う、独特の演出
続編が待ち遠しい
まず物語の背景を説明する必要がある。また主要人物だけでも10人を超える。彼らを紹介しつつ、それぞれに見せ場を作らねばならない。さらに、80万の勢力に対して僅か2万の兵でいかに戦うのか、その奇策の片鱗も描かねばならないとあっては、145分の長尺といえど、さすがに前後編に分けるしかないだろう。前編の今作は、「赤壁の戦い」のプロローグでしかない。
諸葛孔明に金城武・・・観るまではミスキャストかと思われたが、これがなかなかに巧い。孔明と周瑜が互いを認め合い、知恵を競い合うやりとりは見ていて小気味よく、またユーモラスだ。
ジョン・ウー監督の画作りは野暮ったいところもあるが、壮大さと緊迫感はよく出ている。岩城太郎の音楽がかなり効いているといえる。
多勢対無勢の戦話はいつの世でも面白い。後編は来年4月の公開。待ち遠しい。
ジョン・ウーの心意気に共感
ミーハーなオールスターキャスト映画
自ブログより抜粋で。
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筆者は理系少年だったので歴史にほとんど興味がなく、三国志についても孔明や劉備の名前は知ってるってぐらいの知識しかない。
当然のように「赤壁の戦い」と言われてもピンとこなくて、あらすじを見てはじめて「ああ、昔テレビで観たアニメの『三国志』にそんなエピソードがあったっけ」というありさま。
そんなわけで、三国志に思い入れもこだわりもないんだけれど、それにしてもこの映画は、なげーよ!
こんな薄味長尺で、さらに2部構成って、製作費の無駄遣いだろ。
序盤の、孔明が呉の国へ交渉に出向くあたりまでは、戦闘アクションものとしてまあまあ楽しめてたんだけど、周瑜が登場したあたりからどんどん話が散漫になって、天才軍師・孔明の“キレ”はほとんど伝わってこないし、アクションも単調で飽きてきた。
Part1でのクライマックス、“九官八卦の陣”の戦いも、生死を分ける戦闘というより、華麗な演舞を観させられるってだけの見え透いた段取り芝居。
このクライマックスの頃になると、八割方埋まっていた客席のあちこちで“飽きてますオーラ”が発せられているのが感じ取れたほど。ひとつ離れた席にいた女性はとうとうこのクライマックスのさなかで出て行ったし。
こんな無闇に疲れる劇場体験、久しぶりだわ。
金がかかってるのは充分に伝わってくる超大作だが、いいかげん「CGすごいでしょ」演出はやめようよ。
2000隻の曹操軍の船団も、『トロイ』(2004年 ウォルフガング・ペーターゼン監督)からなんら進歩してない。
『トロイ』当時ですら、あり得ない超俯瞰でのあからさまなコピペCGに失笑してたのに、まだ同じ轍を踏んでる。
半年後に後編が待ちかまえているから結論を急ぐ必要もないが、少なくともこの前編は話のネタにしかならない愚作。
昔三国志にはまって一家言あるおじさんが、飲み屋のねーちゃん相手に「かなーり、映画用にアレンジしちゃってるよね。獅童がやってた甘興ってのは甘寧って武将をモデルにした架空の役なんだな、うん。あとこれ大事なことだけどさ(キリッ)、金城なんとか君がやってた諸葛亮が孔明ってなってたけど、 “孔明”は字(あざな)で、彼を孔明って呼ぶんなら、劉備は玄徳って言わなきゃおかしいんだよぉ(ハート)」てな感じで知識自慢をしてる姿が目に浮かぶ。
唯一褒めてあげたいのは、オープニングに日本版オリジナルの三国志解説を入れたり、何度も同じ登場人物に人名テロップを出してたこと。
わかってる人にとってはくどかったかもしれないけど、ミーハーなオールスターキャスト映画でしかない本作で、筋金入りの三国志ファンより三国志初心者に気遣ったのは、関係者がこの作品の立ち位置をよく理解している証。
Part2では女性キャストが活躍するみたいだし、実はこの映画、男っぽい内容だけど、かなり女性向けじゃないかと思う次第。
普通に
昔話ですか
三国志に興味はなかったんだけど
武闘アクション好きの方にはおすすめです。
なにかと話題な本作シリーズ。
わたくし個人はあまり興味がなかったのですが、GWに帰省し、歴史大河ものが好きな母親の為にと借り、一緒に観賞しました。
わたくしが観るのを避けていた唯一の理由は、監督がジョン・ウーだということ。過激なアクション出身の監督だから、さぞかしドラマはお粗末なのだろうなと思いこんでいたのです。
そしてその予感は的中してしまいました。
歴史ものには必須な人間ドラマがあまりにも浅いのです。監督ご本人がそれに腐心した跡はうかがえますが、それでも結局は戦闘シーンに多数のエキストラを使い、CGを駆使し、リアルさを出すための血の量と(この監督さんの18番の)スローモーションなアクションに結局「逃げ」たという印象が否めませんでした。
救いは、やはりトニー・レオンの深みのある演技。
これで作品が、浮き足だたなかったと思います。
新鮮な諸葛孔明像
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