ターミネーター4 : インタビュー
大ヒットSFアクションシリーズの最新作「ターミネーター4」がついに日本公開を迎える。「ターミネーター2』」では10歳の少年、「ターミネーター3」では20代の青年として登場したジョン・コナーは、本作では精悍な軍人に成長し、いかにして“人類の救世主”になるかが描かれている。ジョン・コナーに扮したクリスチャン・ベールに話を聞いた。(取材・文:編集部)
※文中にストーリーに触れている箇所がありますのでご注意下さい
クリスチャン・ベール インタビュー
「複雑さがこの映画に神話性を与えて、より面白いものにしている」
――本作に出演したということは、やはり「ターミネーター」シリーズ(前3部作)のファンだったのですか?
「この映画に出演する話が来る前にももちろん見ていたし、出演依頼が来てからもう一度見直したけど、やっぱり面白いと思った。自分では『パート1』と『パート2』が好きだね」
――あなたは本作で、人類最後の希望であるジョン・コナーを演じましたが、プレッシャーはありませんでしたか?
「ジョン・コナーのようにいくつもの作品に登場するキャラクターを演じるのはとても興味深いよ。特にジョンは自分の運命を知っているキャラクターで、とてもユニークだからね。だけど、ジョンを演じる上でプレッシャーというのは特になかった。基本的にどんなキャラクターを演じる際にも、プレッシャーとか重責だとかは考えたことはないんだ。そういったことを感じても自分のためにもならないからね」
――プロダクションの途中で脚本としてジョナサン・ノーラン(クリストファー・ノーラン監督の弟)が入ってきましたが、彼が入ったことによって変わったことは何でしょうか?
「ジョナサンがすでにほかの仕事にかかっていたので、彼は最初からこの映画に関わることは出来なかったし、脚本のすべてを書いたのは彼でもない。だけど、この映画の最も大事な骨格の部分はジョナサンが入ったことにより作られたといっていい。実は一番最初の脚本では、ジョンの登場時間は5分くらいしかなかったんだけど、ジョナサンが膨らませて、ジョンを主人公にしたんだ。
今までのシリーズ3作でもジョンは常に大事な役だったし、もし映画がそれで面白くなるのなら、チーム全体でもそうしようということになったんだ。ご存知の通り、この映画にはたくさんのライターが関わっていて、しかも最終的にジョナサンはこの映画の脚本にはクレジットされてない。だけど、一番最初の基礎の骨格を作ったのは彼なんだ」
――この映画では、ジョンとカイルとの親子の出会いがある種のハイライトになってますが、演じたときに感情的な高ぶりはありましたか?
「そういう風に思ってくれて嬉しいんだけど、あの対面シーンはアクションシークエンスの中で起こったホンの数秒のことだからね。ジョンが自分よりも若い父親に会うというとてもユニークなシーンで、しかもジョンはすべてのことを知っているにもかかわらず、カイルは何も知らない。さらにジョンとしてはすべてを告白したい気持ちもありながら、言うことは出来ないというとても複雑なシーンなんだ。こういう複雑さが、この映画に神話性を与えて、より面白いものにしているんじゃないかな」
――当初、ラストではジョンがそのまま死んで、サム・ワーシントン演じるマーカスが、ジョンに成り代わって人類を率いていくという設定だったそうですが、変わったことについて何か意見はありますか?
「映画っていうのは、出来上がったものを最初に見たときの、その驚きがある種の魔法だと思っているんだけどなあ(笑)。結局色々と考えた上で最終的に出来上がったものが、現在劇場でかかっている作品であって、製作サイドとしては手の内は明かしたくない。たしかにそういうアイデアがあったかもしれないけど、本当のことは言えないね(笑)」
――本作の続編となる「パート5」のシナリオは読みましたか?
「読む以前に、まだ出来上がってもいないよ。この『ターミネーター4』の反応がわからないうちに書くのは、タイミング的にまだ少し早いと思う。もちろん、この映画の成績が良ければ、すぐにでも書き始めることになると思うけど」
――この夏全米で公開される、あなたのもう一つの大作「パブリック・エネミーズ」(マイケル・マン監督、ジョニー・デップ共演。日本公開は11月)はどうでしたか?
「この前完成したものを見たけど、すごい良かった。期待していいよ」