劇場公開日 2019年9月6日

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ブレードランナー ファイナル・カット : 特集

2007年11月15日更新

今回の「ファイナル・カット」を含め、全部で5つのバージョンが存在する「ブレードランナー」には、数々の裏ネタが存在し、12月14日に発売される5枚組DVDボックス「アルティメット・コレクターズ・エディション」では、その全てが網羅されているが、バージョンごとの違いを見比べるにも役立つ裏ネタ集をお届けする(一部ネタバレを含みますのでご注意ください)。

「ファイナル・カット」はどこが違う?「ブレードランナー」裏ネタ集

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■「ブレードランナー」というネーミングは、ウィリアム・S・バロウズの小説「映画 ブレードランナー」(本作とは無関係)から拝借したもの。本作のエンドロールでバロウズに対する謝辞がある。

■主人公のデッカード役に最初オファーされたのは、ダスティン・ホフマンだった。ホフマンはマッチョな役柄を理由に断った。

最初はダスティン・ホフマンが演じる予定だった?
最初はダスティン・ホフマンが演じる予定だった?

■リドリー・スコット監督は、デッカードのキャラクターを、架空の私立探偵フィリップ・マーロウや探偵映画のハンフリー・ボガートに想定して、ソフト帽を被らせようとしたが、「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」の冒険家インディ・ジョーンズ博士とイメージがダブるため、ハリソン・フォードはそれを拒否した。

■1982年の劇場公開版の完成を見ずして(6月25日公開)、原作者フィリップ・K・ディックは同年3月2日に脳卒中で亡くなったが、ラッシュフィルムを見た生前のディックは「小説の世界観がよく出ている」と満足げで、スコット監督によると、「スリルを感じている様子だった」とのこと。しかし、スコット監督は彼が望んだ映画のビジョンを壊さないように、原作の小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を決して読まなかった。

■“レプリカント”というネーミングは、脚本家デビッド・O・ピープルズが、当時UCLAで化学専攻の学生だった娘から聞いた分子生物学の“replicate(複製、再生)”という言葉をヒントに付けた。

■DVDの特典映像「未公開シーン集」には、タイレル社で撃たれ、集中治療用カプセルに入ったブレードランナー前任者ホールデンを、デッカードが見舞うシーンがある。

前任者を見舞うデッカード(未公開シーンより)
前任者を見舞うデッカード(未公開シーンより)

■デッカードが寿司バーで「4つ!」と注文したものは、海老天丼の海老天の本数だった。DVD収録の「ワークプリント」版で、店主が出す海老天丼が映る。ちなみに、そのシーンでガフがしゃべるのはハンガリー語。

■デッカードとガフがスピナー(空飛ぶクルマ)で警察署の屋上に到着する際、「未知との遭遇」(77)のマザーシップが見える。また、ビル群には(左隅に)「スター・ウォーズ」(77)のミレニアム・ファルコン号や、(アジア風ビルボードの裏側に)「ダーク・スター」(74)のダーク・スターの模型が確認できる。いずれもミニチュア・クルーの趣味によるもの。

■「イリヒカタムク(入り陽傾く)」という日本語の声が流れ、アジア風ビルボードに芸者の日本人女性とともに現れる滋養強壮剤「強力わかもと」の広告を使ったのは、工学デザイナーとして日本でも仕事をしていた“ビジュアル・フューチャリスト”シド・ミードのアイデアだと言われる。82年当時、JR浜松町駅付近に同社の巨大看板があった。

■「コカ・コーラ」のビルボード広告に混じって、航空会社「パンアメリカン航空(Pan Am)」(91年倒産)や「トランスワールド航空(TWA)」(01年倒産)の広告が見えるが、2019年の近未来には存在しなかった!?

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