ドッグ・デイズ

劇場公開日:

解説

ウィーン郊外の新興住宅地に暮らす「普通」の人々の内側に潜む狂気をあぶり出す群像ドラマ。監督はドキュメンタリーで評価を得てきたウィーンの映画作家ウルリヒ・ザイドル。2001年度ヴェネチア国際映画祭で審査員特別大賞を受賞。

2001年製作/127分/オーストリア
原題または英題:Hundstage/Dog Days
配給:イメージフォーラム/ダゲレオ出版
劇場公開日:2006年5月6日

ストーリー

おおいぬ座のシリウスが天頂に輝く、1年中で最も暑い日々(ドッグ・デイズ)。恋人クラウディアが踊るのを見ていたというだけで、ディスコで見知らぬ客に突然殴りかかる男マリオ。帰り道「腐った売女」とののしられ、車から引きずり出されたクラウディアはひどく傷つく。子供を事故で亡くした後、離婚した夫婦。元妻の愛人が家でくつろいでいるのを見た元夫は、愛人に拳銃を突きつけて脅す。愛犬と暮らす頑固で偏屈な老人ヴァルター氏は、結婚50周年の記念日に、中年家政婦に今はいない妻のドレスを着せてストリップをさせ、満足げに鑑賞する。目的地のないヒッチハイクを繰り返す女アナは、騒々しいCMソングや不愉快なおしゃべりで車の持ち主をイライラさせる。その上、勝手にカバンの中や持ち物を漁って嫌がられ、最後にはいつも車から降ろされる。警備会社の訪問セールスマン・フルビィ氏は、車に傷をつけた犯人を探し出せと顧客たちから責められて困り果て、アナを捕まえて怒りに燃える住民たちの前に差し出す。アナは彼らによって暴行を受ける。年下の恋人を持つ女教師は、恋人ヴィケールと彼の男友達のラッキーに無理に酒を飲まされて、しつこく乱暴な嫌がらせを受ける。翌日再びやって来たラッキーは前夜の振る舞いを反省し、復讐と称してヴィケールを銃で脅し、謝らせようとする。しかし彼女は恋人をかばう。町中の人々を狂わせるような暑さが頂点に達した時、激しい雷鳴が轟き、人々の熱を冷ますかのように強い雨が降りしきる。女教師の態度にぼう然として、銃を振り回すのをやめ、一人泣くラッキー。解放されたアナは雷の中を黙って歩き続ける。クラウディアは母と住んでいる家の窓から外をぼんやりと眺めている。愛犬を何者かによって殺されたヴァルター氏はがっくりと肩を落とす。そして元夫婦は、かつて子供が遊んだ庭のブランコに並んで座り、無言で揺られているのだった。

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