僕と未来とブエノスアイレス
劇場公開日:2006年1月14日
解説
様々な人種が集うブエノスアイレスのガレリア(アーケード商店街)に住む青年が、長年不在だった父親と再会する人間ドラマ。第54回ベルリン国際映画祭で、審査員特別賞と最優秀男優賞の2冠を受賞した。監督はアルゼンチン映画界の俊英、ダニエル・ブルマン。
2004年製作/100分/アルゼンチン・フランス・イタリア・スペイン合作
原題または英題:El Abrazo Partido/Lost Embrace
配給:ハピネットピクチャーズ
劇場公開日:2006年1月14日
ストーリー
アルゼンチンの首都ブエノスアイレスのオンセ地区にあるガレリア(アーケード商店街)で、母(アドリアーナ・アイゼンベルグ)の営むランジェリーショップを手伝うユダヤ系青年、アリエル(ダニエル・エンドレール)。兄のジョセフ(セルヒオ・ボリス)は雑貨の輸出入を手がけ、向かいのオスワルドは文房具屋だが、店は傾ききっている。イタリア人のサリガーニ一家はラジオの修理屋で、ボリュームいっぱいのイタリア語で1日中がなり合っている。韓国人カップルはカタコトのスペイン語で風水グッズを扱い、レビン“兄弟”は生地商人だ。友人のミッテルマンは旅行代理店だが、実際は金融商売らしい。アリエルが心を寄せるリタの店は流行りのインターネットカフェだが、パトロンらしき老人とリタがどんな関係なのか、気になって仕方がない。小さくても居心地のいい世界だが、アリエルはなんとなく無気力で、未来は見えない。友人たちも違う人間になろうと、“外国籍のパスポート”に救いを求めている。アリエルもまた、ポーランド人になろうと計画中だ。祖父母がホロコーストを逃れて去った母国ポーランドに移住して、新しい人生を始めようと考えていた。そんなある日、30年近く姿を消していた父(ホルヘ・デリーア)が、突然ガレリアに帰ってきた。父はアリエルが赤ん坊の頃、割礼式に立ち会った後、イスラエルへ戦争に行ってしまった。間もなく戦争は終わったが、父は帰ってこなかった。毎月電話はかかってきた。養育費も送ってきた。母はそんな状態を、当たり前のようにしている。それが何故、今になって突然戻ってきたのか。戸惑いを隠せないアリエルは、父とどのように接したらいいのか悩むのだが……。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ダニエル・ブルマン
- 脚本
- マルセロ・ビルマヘル
- ダニエル・ブルマン
- 製作総指揮
- ディエゴ・デュボコウスキー
- 製作
- ディエゴ・デュボコウスキー
- ダニエル・ブルマン
- 撮影監督
- ラミロ・シビータ
- 美術
- マリア・エウヘニア・スエイロ
- 音楽
- セサル・レルネル
- 音響設計
- マルティン・グリナスチ
- 編集
- アレハンドロ・ブロデルソン
- 衣裳
- ロベルタ・ペッシ
- 日本語字幕
- 古田由紀子
受賞歴
第54回 ベルリン国際映画祭(2004年)
受賞
審査員グランプリ・銀熊賞 | ダニエル・ブルマン |
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銀熊賞(最優秀男優賞) | ダニエル・エンドレール |