天上草原

劇場公開日:

解説

モンゴルの美しく雄大な自然を背景に、モンゴル族に育てられる漢民族の少年の成長を描いた物語。漢民族の少年とモンゴル族家族とのふれあいを軸に、モンゴル族の暮らしぶりを丹念に綴る。監督はモンゴル族の監督夫婦、サイ・フーとマイ・リースー。

2002年製作/113分/中国
原題または英題:Heavenly Grassland
配給:オムロ
劇場公開日:2005年3月12日

ストーリー

母親に捨てられ、失語症に陥ってしまった少年・フーズ(グアルスーロン)は、父親の友人であるモンゴル族のシェリガン(ニンツァイ)に連れられて草原にやって来た。父親も監獄に入れられているフーズは、天涯孤独の身。今日から自分が全く知らない草原での生活が始まるのだ。不安と恐れを感じるフーズだが、シェリガンと5年前に離婚した草原の女性・バルマ(ナーレンホア)とシェリガンの弟・テングリ(アユンガ)は、フーズを温かく迎え入れてくれた。町から来たフーズにとって広大な大地にポツンと佇むゲルでの生活は、戸惑いの連続だった。しかし、そんな彼をシェリガンは荒々しく、バルマとテングリは優しく包み込んでやるのだった。年が近いこともあって、フーズは除々にテングリに対して心を開いていく。だが、バルマに想いをよせるテングリは、彼女の気持ちが兄から離れないことを悟り、解放軍に入隊、草原を去ってしまう。バルマは心を乱しながらも、彼を見送るのだった。ある日、シェリガンが泥酔して生死の境をさまよい、バルマの看病で命を取りとめる事件が起こった。2人はお互いの大切さを知り、再び結婚式をあげる。まるで草原の嵐のような1日。人々が舞い踊り、幸せに酔いしれる様はフーズの心を高揚させてくれた。大地が白銀におおわれ寒さが厳しくなった晦日の夜、客人がゲルを訪れた。その男は顔面が焼けただれ、マスクをしている。誰もがテングリであることを直感した。テングリの傷は火事に巻き込まれた人々を助けるために負ったものだった。しかし、彼は名乗ることをしない。彼の気持ちを汲んだシェリガンらは、あえて問うことをせず温かく客人をもてなし、涙をこらえてテングリが立ち去っていくのを見守るのだった。そんな草原の生活の中で、フーズは除々に回復の兆しを見せていた。大地を元気に駆け回り、笑顔を浮かべることが多くなった。そして、祭典の日。フーズは騎馬に出場し、なんと1位でゴールする。歓喜するバルマとシェリガン。わきあがる歓声の中、彼はついに声を発したのだった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く