箪笥/たんす
劇場公開日:2004年7月24日
解説
韓国の古典怪談『薔花紅蓮伝』をベースに、人里離れた家に住む一家の継母と美しい姉妹の確執、そして“家”自体が放つ禍々しい怪奇現象を描いた恐怖映画。「クワイエット・ファミリー」のキム・ジウン監督が、原作のモチーフのみを踏襲し、結末の予測できないホラー映画として現代的に再構築した。出演は「KT」のキム・ガプス、「H」のヨム・ジョンアほか。
2003年製作/115分/韓国
原題または英題:A Tale of Two Sisters
配給:コムストック
劇場公開日:2004年7月24日
ストーリー
ソウル郊外に静かに佇む一軒家。到着した車から、スミ(イム・スジョン)とスヨン(ムン・グニョン)の美しい姉妹が降り立った。長期入院を終えて帰ってきたふたりを、継母のウンジュ(ヨム・ジョンア)は笑顔で迎えるが、どこか冷ややかな表情をしていた。姉のスミはそんな継母のことを明らかに毛嫌いし、妹のスヨンは少し怯えていた。その夜、スヨンは部屋に何者かの気配を感じて怖くなり、スミのベッドにもぐりこんでくる。「私が守ってあげるからね」と、スヨンを抱きしめるスミ。しかし、やがてそのスミが悪夢にうなされるようになる。それは、亡くなった実母が血を流す幽霊となりよみがえってくる夢だった。その悪夢以来、家のあちらこちらで怪奇現象が連続して起こり始める。もともと神経質だったウンジュは情緒不安定になり、姉妹と絶えず言い争い、スヨンを守ろうと必死のスミは、継母への敵対心と憎悪を募らせる。父親のムヒョン(キム・ガプス)は、妻と娘たちの不和を知りながらも、なぜか傍観するのだった。ある日、家族の均衡関係に徹底的な亀裂が生じる。スヨンを箪笥に閉じ込め折檻していた事実を知ったスミが、ウンジュへの敵意をあらわにし、父に訴える。しかし、意外なことにムヒョンはスミに対して「いい加減に現実を見ろ!」といさめるのだった。それをきっかけに、一家の間でタブーとされていた「過去」の封印がほころび始める。それは、悲しくもおぞましい悲劇だった……。