世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す

劇場公開日:

解説

空飛ぶ円盤が地球を大挙襲撃、凄絶な科学戦を展開するという空想科学映画。ドナルド・E・キーフォー少佐の研究資料からカート・シオドマクがストーリーを書き卸し、ジョージ・ワーシング・イエーツとレイモンド・T・マーカスが共同脚色した。監督は「死刑囚2455号」のフレッド・F・シアーズ、撮影は「二十四時間の恐怖」のフレッド・ジャックマン・ジュニア、音楽は、「死刑囚2455号」のミッシャ・バカライニコフ。主演は「悪の花園」のヒューマン・マーロー、「燃える幌馬車」のジョーン・テイラー。

1956年製作/アメリカ
原題または英題:Earth vs. The Flying Saucers
配給:コロムビア
劇場公開日:1956年8月10日

ストーリー

砂漠内の陸軍基地。若い科学者ラス・マーヴィン(ヒュー・マロー)は“オペレーション・スカイフック”と呼ぶ新兵器の研究をやっていた。彼は秘書のキャロル(ジョーン・テイラー)と結婚したばかりだが忙しくて新婚旅行にも行けない。だが研究の必要上、地球の引力の及ばぬ高さに人工衛星を作るため打上げるロケットは、総て何者かに打落され一同は首をひねるばかり。その正体が判明したのは空飛ぶ円盤に乗った円盤人が陸軍基地に降りたち、軍当局に地球の降伏を求めてきた時だった。彼等の言動を解せぬ軍人達の攻撃も、強力な殺人光線の反撃で基地は壊滅。しかもキャロルの父ハンレイ将軍は捕虜となる。辛くも生き残ったラスとキャロルは急拠ワシントンに向い、国防保安部と協議、だが名案は出てこない。ラスは個人的な行動を一切さし控えるようにといわれていたが、全面戦争を避けるため円盤人との会見を考え、無線連絡で会見場所の海岸に急ぐ。その後をキャロルとハゲリン少佐が追う。円盤人は皆を円盤に乗せて離陸。56日間の期限で地球に降伏を勧告、まとまらぬ場合は殺人光線で地球を壊滅するという。だがこの短時日で各国との交渉がまとまる筈はない。遂にラスが円盤中で見た殺人光線を基に新兵器考案を提案、カンター始め全科学者の協力を得て数度の失敗の後、新兵器は完成、実験の結果も成功を収めた。一方円盤人はフーライトという探知機でラスの実験を察知、防備体勢の整わぬ内にと総攻撃をしかけてきた。人質のハンレイ将軍は血祭りとなり首都のワシントンも壊滅に瀕す。だがラスの新兵器で円盤は磁性機械をやられ次々に堕落。地球上に平和がたち戻り、ラスはキャロルと待望の新婚旅行に出かけた。

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映画レビュー

5.021世紀の私達にとっては、「市民ケーン」を観ても、どこがどう凄いのか、画期的であるのか分からなくなっているのと同じです 本作はSF映画における「市民ケーン」なのです

2021年10月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

コアなSF映画ファンでもどれだけ本作を観ている人がいるだろうか? かく言う自分も初めて観ました このようなマイナーな作品が配信で手軽に観れる世の中になった幸せを感じます こんなことSFでも予言されていないことです 特撮はレイ・ハリーハウゼン 製作はチャールズ・H・シニア 監督の名前ではなく、この二人の名前にSF映画ファンならビビッとくるはずです 東宝特撮なら、特撮の円谷英二、製作は田中友幸とあるのと同じです このクレジットで観ない選択肢は有りません 公開は1956年 ゴジラ公開の2年後です ゴジラの米国公開は1956年ですから、米国では同じ年の公開作品なのです ゴジラの米国版「怪獣王ゴジラ」は同年4月の公開 本作は7月の公開だったのです つまり円谷英二とハリーハウゼンの対決だったのです ゴジラ自体、ハリーハウゼンの1953年の「原子怪獣現わる」から影響を受けた作品です ハリーハウゼンが観ればすぐ分かったはずです ゴジラへのハリーハウゼンの回答は1955年の「水爆と深海の怪物」になります 巨大タコがサンフランシスコを襲撃する映画です さて本作を観て驚くSF映画ファンは多いと思います のけぞるような映像が目白押しです 空飛ぶ円盤はなぜ回転するものなのか? それは本作の円盤が回転しているからです 「謎の円盤UFO」が回転していたのも本作が由来なのです 「宇宙家族ロビンソン」のジュピター2号のエンジンが回転するのも本作が由来なのです どんなSF映画でも円盤の飛行音があの特徴的な音なのも、本作が由来なのです 序盤で主人公の運転する車を、道路上の低空で追跡するシーンは、まるで「未知との遭遇」です 空飛ぶ円盤は世界各国の大都市に数機編隊で出現し、首都ワシントンにも登場し怪光線を発します まるで「インデペンデンス・デイ」なのです! 地球側の対円盤兵器である超音波銃の形状はどうだ! これはメーサー砲ではないか! 特徴的なパラボラは本作が由来だったのです そしてそれにやられて墜落する円盤が、連邦議会議事堂にぶつかりめり込んでしまうのです! 空飛ぶ円盤内部は、天井の高い何もない大空間 ガメラに登場する宇宙船もそうなのです! 脳をハッキングされてしまった将軍(字幕の元帥は誤り)も、その後のSF映画には山のようにでてきます 1959年の東宝特撮の「宇宙大戦争」の科学者もそうです というかその作品は本作からインスパイアされた作品に違い有りません! 序盤に登場するロケット発射管制室の映像にも興奮します 壁一面に点滅するインジケーターが沢山ある計器板 そこには3つのモニターがあり、発射機上のロケットが映っています それがどうした? 1956年ですよ! 21世紀の私達にとっては、「市民ケーン」を観ても、どこがどう凄いのか、画期的であるのか分からなくなっているのと同じことなのです つまり本作はSF映画における「市民ケーン」なのです この計器板のイメージが、60年代のSF映画やテレビシリーズに大きな影響をあたえたのです 原潜シービュー号、タイムトンネルはもちろんそうです 科特隊基地やウルトラ警備隊の指令室、SHADOW司令部もそうです このモニターに写されている映像が大変にクリアで動いています はめ込み合成です 2001年宇宙の旅での映像は既にここで実現されているのです 円谷英二はきっと目を見張ったことでしょう 一体どうしたらこのような特撮ができるのかと 彼が受けた衝撃の大きさを感じます ハリーハウゼンと円谷英二は、このあと10年以上、お互いの作品に刺激を受けあい、自分が撮った新しい特撮作品を使って太平洋を挟んで会話をして行くのです これでどうだ! おお、それならこうだ! それが本作から始まっていたのです! ハリーハウゼンは1920年6月29日生まれ 円谷英二は1901年7月7日生まれ 19歳も円谷英二が先輩なのでした こうして1958年12月、円谷英二は「地球防衛軍」を公開します 観ればすぐわかります これが本作に対する円谷英二からの回答であると ハリーハウンゼンのアイデアを元に膨らました作品です ハリーハウンゼンも、一目で自分の作品を元ネタにしたものだと分かったはずです 盗作だとか、ロイヤリティがとうだとか 彼の頭にはちっとも無かったのです 太平洋の向こう側に同じことをやっている奴がいる! それだけで嬉しかったに違い有りません 俺の仕事を評価して、それを発展した形で返事を返して来た! その感激が上回ったのだと思います 1958年12月 彼は「シンドバッド七回目の航海」を公開します ほぼ日米同時公開でした つまり日本で「地球防衛軍」と「シンドバッド七回目の航海」は激突したのです!

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あき240

0.5

2021年3月12日
Androidアプリから投稿

構図がとにかく酷い。監督は映画を観たことがないのか。 記録映像のシーンがどれだけ構図が良いことか。せめてそれを真似すればよかろうに。 この時代にしては酷すぎる。ヒッチコックのスクリーンプロセスを観ろ。 低予算で出来が悪いのは仕方ないが、こんな酷い作品を古典的で素晴らしいと評価する現代人の気が知れない。

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都会の男

3.0予算がなくとも知恵がある

2019年10月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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odeonza