リビング・イン・オブリビオン 悪夢の撮影日誌

劇場公開日:

解説

低予算映画の現場の悲喜こもごもを、コミカルなタッチと巧みな構成で綴り、映画製作という夢に取りつかれた人々の姿を描いた小品。監督・脚本は「ストレンジャー・ザン・パラダイス」などで撮影監督を務め、これが「ジョニー・スエード」に続く第2作となるトム・ディチロ。製作は「マッド・ラブ」のマーカス・ヴィシティと、オフ・ブロードウェイの演出家・俳優として活躍するマイケル・グリフィス。エクゼクティヴ・プロデューサーはグリフィスの妻で、同じく女優・プロデューサーとして活動するヒラリー・ギルフォード(2人はそれぞれ助演も)。撮影は「ゾンビ」「スリープ・ウォーク」のフランク・プリンジ、音楽は「ジョニー・スエード」のジム・ファーマー、美術は「恍惚」のテレーズ・デプレが担当。出演は「デスペラード」のスティーヴ・ブシェーミ、「ジョニー・スエード」のキャサリン・キーナー、私生活では彼女の夫でもある「キルトに綴る愛」のダーモット・マルロニーほか。

1994年製作/アメリカ
原題または英題:Living in Oblivion
配給:アップリンク(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント提供)
劇場公開日:1996年3月16日

ストーリー

早朝。ここは映画監督ニック・レヴ(スティーヴ・ブシェーミ)の「リビング・イン・オブリビオン」の撮影現場。主演女優のニコル(キャサリン・キーナー)は少し神経質になっている。しかし、画面にマイクが映り込んだり、雑音が入ったり、さまざまなトラブルに見舞われる。会心の演技ができたと思いきや、カメラマンのウルフ(ダーモット・マルロニー)は腐った牛乳にあたってトイレで吐いている始末。監督の忍耐も限界に達した時、悪夢は明けた。すべて夢だったのだ。次のシーンはラブシーン。主演男優は、ハリウッドで有名女優との共演が続き、少しは名が売れてきたチャド・パロミノ(ジェームズ・ル・グロス)。彼はセットに来る直前までニコルとベッドを共にしてきたが、その前には助監督のワンダ(ダニエル・フォン・ゼルニック)にも誘いをかけていた。ワンダを愛しているウルフはそれを知り、いらだっている。そんな彼らの事情も知らず、ニックはひたすら撮影を進めるが、自意識過剰のチャドの度重なるわがままについに堪忍袋の緒が切れた。ニック、チャド、ニコルは取っ組み合いの喧嘩を始め、混乱する現場。その時、ニコルの悪夢が醒めた。次のシーンは夢のシークエンス。しかし、相変わらずのトラブルが彼を襲う。何も彼も投げ捨てようと思った時、精神病院から抜け出してきた彼の母親が代役を務め、いいシーンになった。ニックは最優秀映画受賞の席でスピーチしている自分を夢想し、ほかの皆もそれぞれの夢に思いを馳せる。これは現実なのか、それともまた夢の続きなのか。映画はこのまま完成するのか……。

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