ラヴ&カタストロフィ
劇場公開日:1997年6月14日
解説
大学生たちの日常をユーモラスかつ軽快なタッチでとらえた青春映画。「ストレンジャー・ザン・パラダイス」を観て映画製作を志した元モデルのオーストラリアの女性映画作家、エマ=ケイト・クローガン(72年生まれ)の初長編映画で、製作費4万5千ドル、撮影期間17日という超低予算作品。アメリカのインディーズ映画の影響の色濃いポップなセンスが魅力的。原案・製作はスタヴロス・アンドニス・エフシミオウ、脚本はクローガンとイェール・バーグマン、ヘレン・バンディスの共同で、彼らが大学生活で体験したエピソードや知人たちを物語やキャラクターに反映させている。撮影はジャスティン・ブリックル、音楽はオレ・ウィターで、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの『日曜の朝』のほか、オーストラリアのバンドの楽曲、さらにスウェーデンのカーディガンズの『カーニヴァル』などを挿入曲として使用。出演は長編映画初出演のフランセス・オコナーとラダ・ミッチェル、オーストラリア演劇界で活躍するアリス・ガーナーとマシュー・ディクティンスキー、「ミュリエルの結婚」のマット・デイほか。
1996年製作/79分/オーストラリア
原題または英題:Love and Other Catastrophes
配給:KUZUIエンタープライズ
劇場公開日:1997年6月14日
ストーリー
メルボルン大学の新学期初日。ミア(フランセス・オコナー)と越してきたばかりのルームメイトのアリス(アリス・カーター)は、もう一人ルームメイトを募集中。ミアにはガールフレンドのダニ(ラダ・ミッチェル)がいるが、彼女と住む気はない。なぜ何年も彼氏ができないのかとミアに言われたアリスは、「左利きで、正直で、映画の趣味が合う人を探している」と答える。学校に着くと、ダニは新しいガールフレンドのセヴィータを連れている。ミアは憧れの講師エイドリアンの授業を受けるため転部を希望するが、学生課に行くと身に覚えのない図書延滞で罰金を要求される。一方、カフェでバイトをするアリスの姿を、彼女の憧れの医学部のアリ(マシュー・ディクティンスキー)が目に止めた。ダニからお金を借りて危機を脱したミアは、店でアリスにアリを紹介し、ダニと1時に会う約束をする。アリスは論文「フェミニストの闘士、ドリス・デイ」を4年間も未提出のため、担当教官の姿を見て大慌て。アリはひょんなことから自分に自信のない学生マイケル(マット・デイ)と知り合った。一方、ミアは学部長のリーチ教授(キム・ギンジェル)に転部許可の署名を求めるが、転部先の学部長の署名が先だと断られる。リーチ教授が授業で取り上げたヒッチコックは、学生たちには過去の人で、Q・タランティーノ、W・アレン、S・リーの3人が彼らにとって映画作家だった。ミアはダニとの約束を忘れ、マイケルと面接。そこにセヴィータを連れてダニがやって来た。彼が同居希望者だと悟られないよう、彼にいとこのふりをしてもらうよう頼むが、マイケルのつまらないボケのためミアとダニの仲は壊滅的な状態に。落ち込みながらもようやく転部先の教授の署名をもらえたミアは、喜びいさんでリーチ教授の部屋に急ぐが、教授は心臓発作で急死していた。ミアはアリス、アリと共に教授の部屋に忍び込み、彼が署名代わりに使っていたスタンプを発見。間一髪のところで変更手続きは成功した。だが、苦労して許可を得たにも関わらず、エイドリアンが2週間後にパリの大学に移ることを知って唖然となる。ミアとダニは話し合いの末、ミアの寝室で仲直りすることに。そこへ今やいい感じのアリとアリスも加わり、互いに好きな映画3本のタイトルとその理由を言い合う遊びをする。ところが、アリスとマイケルは「カラミティ・ジェーン」「若草の頃」「カイロの紫のバラ」と答えて理由も全て一致。ようやく目指す相手が現れたのだった……。そして、彼らは愉快な日曜の朝を迎えるのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- エマ=ケイト・クローガン
- 脚本
- イエール・バーグマン
- エマ=ケイト・クローガン
- ヘレン・バンディス
- 原案
- スタヴロス・アンドニス・エフシミオウ
- 撮影
- ジャスティン・ブリックル
- 音楽
- オレ・ウィター
- 編集
- ケン・サロウズ
- 字幕
- 松浦美奈