屋根(1956)
劇場公開日:1957年1月15日
解説
「われら女性」のチェザーレ・ザヴァッティーニのオリジナル・シナリオを「終着駅」のヴィットリオ・デ・シーカが監督した。撮影は「懐かしの日々」のカルロ・モントゥオーリ、音楽担当は「旅情」のアレッサンドロ・チコニーニ。主演のガブリエラ・パロッタは児童用品店の売子、またジョルジョ・リストッツィはサッカー選手という共にズブの素人。一九五六年カンヌ映画祭では特別賞〈OCIC賞〉を獲得している。
1956年製作/イタリア
原題または英題:Il Tetto
配給:イタリフィルム=NCC
劇場公開日:1957年1月15日
ストーリー
ローマに出て働いていたルイザ(ガブリエラ・パロッタ)は、父親の反対をおし切って煉瓦工ナターレ(ジョルジョ・リストッツィ)と結婚した。二人はナターレの家に同居したが、二部屋に総勢九人の生活は新婚夫婦に楽しい筈はなく、言い争いも起る。或る日ナターレと義兄の口論がもとで二人は家を去る決心をした。どこでも部屋は高い。取あえずルイザは前に働いていた家に住み込み女中となり、ナターレは仕事場に住って家を捜し続けた。或る日ルイザは建てかけの小屋を前に男と警官が争っているのを目撃した。これはルイザに一つの光明だった。ローマ郊外の市有地に小屋を建てられるという事だ。但し朝になって警官が来る前に屋根まで出来てなければならない。屋根があれば完成したものと見なされ、立退かせるのは居住権侵害になるので、罰金で済む。そこで二人は資金を借り集め、煉瓦工仲間の力をかりて着手した。ところがその土地に小屋を建てようとしていた男の密告で、駈けつけて来た警官のため工事は中止となった。しかし二人は希望を捨てなかった。アニエーネ河近くに土地をみつけて再び仕事を始めた。仕事ははかどらず、間もなく夜が明ける。たまりかねたルイザは義兄を呼びに行った。口論の恨みも忘れた義兄の手伝いで屋根も殆ど出来上った。その時警官が来たという報せに大急ぎでベッドを運び入れ、ルイザは隣家の子供を借りてきて添い寝した。やって来た警官は、屋根のすき間に気づかないふりをして罰金を払うようにと言う。二人は幸福な顔つきでわが家を見廻すのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ビットリオ・デ・シーカ
- 脚本
- チェザーレ・ザバッティーニ
- 撮影
- カルロ・モントゥオーリ
- 音楽
- アレッサンドロ・チコニーニ
受賞歴
第9回 カンヌ国際映画祭(1956年)
出品
出品作品 | ビットリオ・デ・シーカ |
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