マレーナ
劇場公開日:2001年6月9日
解説
1940年、第二次大戦下のイタリア。12歳の少年レナートは、村で一番美しい女マレーナに一目惚れする。結婚したばかりの夫を徴兵された彼女は、海岸沿いの家に1人で住んでいた。戦地にいる夫を想い、目の見えぬ父親の世話をする彼女を影のように追うレナート。やがて、敗戦とともにマレーナの夫の戦死が伝えられ、彼女にとっての悲劇が幕を開ける。長ズボンをはくようになったレナートは、そのすべてを胸張り裂ける想いで見つめ続けていた。
2000年製作/92分/イタリア・アメリカ合作
原題:Malena
配給:ギャガ・ヒューマックス共同
スタッフ・キャスト
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2022年12月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
吉永小百合と同じように私が出演作品に恵まれないと思っているもうひとりの女優がモニカ・ベルッチだ。せっかくの美貌とオーラを持ちながら、映画史に残る作品に出演していない。このままではそのうち忘れ去られていくだろう。まだ吉永小百合はいい。「キューポラのある街」に出演しているから。
第二次世界大戦後、日本と同じようにイタリアでも世界に誇れる映画監督を輩出した。ロッセリー二、フェリー二、ヴィスコンティ、デシーカ、ピエトロ・ジェミニ。
ベルッチももっと早く生まれていたら、この巨匠たちは彼女を起用したに違いない。ヴィスコンティ作品に彼女はピッタリはまる。本当に残念だ。
後半までこの作品の猥雑さに呆れた。美人の裸体を見るのは個人的には嬉しいが安売りだ。いい加減にして欲しいと感じる。
本当に面白くなるのは、後半モニカ・ベルッチが広場に引きづり出され、周りの女達から罵倒され髪を切られる場面から。そのモニカ・ベルッチの美しさは壮絶だ。ここからさすが「ニューシネマパラダイス」の監督だ。
2022年3月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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ー 第二次世界大戦初頭のイタリア・シチリアの小さな村。
美しい女性・マレーナは、その美貌ゆえに男の関心と女の妬みを一身に受けていた・・。
そんなある日、彼女の元に夫ニノが東アフリカで戦死したという連絡が入り・・。-
◆感想
・序盤は、モニカ・ベルッチ演じるマレーナの笑顔無きモンロー・ウォークが物凄く素敵である。
そして、コミカル要素も盛り込みながら物語は続く。
- 雛にも稀な超絶美女が歩いていたら、レナート少年でなくっても夢中になるだろう。
劇中でも、男と言う男は、皆彼女を見ている・・。
レナート少年は夜にコッソリとマレーナの家を覗き見している・・。こらこら・・。
だが、町の大人たちは、彼女のあらぬ噂をしている・・。
レナート少年は、教会で”マレーナを町の人達から守って!”と祈るのである。-
・中盤、マレーナの夫が戦死した連絡が入る。彼女は、中尉や歯医者と姦通したとして、裁判に掛けられるが、彼女の毅然とした態度は揺るがない。
- 彼女の弁護をした禿げた男の、裁判後のマレーナに対する愚かしき行為。-
・後半、ムッソリーニ率いるイタリアは敗色濃厚。父は空爆により死亡。
マレーナは美しきロングヘアを自ら切り、ショートヘアの赤毛で煽情的な服を着て街中を闊歩する。そして、ドイツ軍駐留の建物に入る・・。それを忌々し気に見ている町の人々・・。
だが、連合軍に降伏したイタリア。マレーナは広場で女性達から酷いリンチを受ける。
- 哀し気な眼で遠くから見ているレナート少年の表情が切ない。彼は何も出来ないが、教会で怒りをぶつける・・。-
・彼女は顔を隠すように町を離れる。そこに死んだ筈の夫ニノが片腕を失いながらも戻って来る。
彼は、妻を探すが・・。町の人達は冷たい。
- レナート少年だけが、密かに彼に手紙を届ける。そこには真実が記されていた・・。-
<レナート少年が、一途に美しきマレーナを想う気持ちが切ない。戦争により人生を翻弄されたマレーナをモニカ・ベルッチが、正に体当たりで好演している。
ラスト、町に夫と戻ってきたマレーナ。市に来た町の女性達が、一点してマレーネに優しくする姿と、レナート少年がマレーナが落としたオレンジを拾って上げるシーン。
そして、彼女の後姿を見ながら彼が言った言葉。
”お幸せに、マレーナさん・・。”
ジュゼッペ・トルナトーレ監督が、戦争に翻弄される美しき女性と、彼女を只管に思う少年の初恋と成長を描いた作品。>
2021年11月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
個人評価:4.0
ガラスを飲み込んだ様に心が痛い。
少年の目線から見たマレーナ。とても切なく甘酸っぱさは消し飛ぶ、つらく悲しい物語。
美しさは異物として排除される街の生態系。その仕組みにマレーナと少年は翻弄される。それは少年にとって抜けないトゲとなり、人生に刻まれる。ああ無情。
2020年9月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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頭のなかは想像がつく。
下半身が中心だ。
近所のセクシーお姉さんを見るだけで高揚したのだろう。
冒頭から子どもらしい品のない会話が弾ける。
モニカベルッチのマレーナは彼らに取っては大人すぎる女性、のぞきに行ったレナートがポロリに驚くが、夫の写真を胸に抱きながら踊るのを見てショックを受ける…が、ストーキングは止まらない(笑)
マレーナは町中の男の視線を一人占めしており、レナートは気が気でない(笑)
逆に町の女性からは嫌われているが、男性女性の両方から性的な意味合いでのみ噂されていて、可哀想
ストーカーを繰り返し、レナートの妄想はエスカレートするものの、中々行動に移せない。
しかし街の噂はエスカレートし、彼女を守れないレナートは神頼みしたり、陰口叩いている女性のカバンに放尿、卑猥な事をいってる店には投石したり。自宅でもヤリたい盛りでお父さんに怒られても止められないとか盛りすぎ(笑)
ここまではこの作品はモニカベルッチをフェチ的に見つめるエロ少年物語ではないかと勘違いしていたが、第二次大戦でイタリアが降伏、皆が生きるために必死だった時代、嫉妬や妄想に狂った人々の欲望に押し流されたマレーナの姿をレナートの目で伝えた作品だった。
マレーナをリンチして町を追い出した婦人たちも終戦の興奮が覚めた一年後に夫と戻ったマレーナに最初は悪態を突くものの、マレーナにやった事に対する罪の意識が浮き出てきたのは良かった。