野性の息吹き
劇場公開日:1959年7月10日
解説
「バラの刺青」のアンナ・マニャーニと、「黒い蘭」のアンソニー・クインを主演に、「魅惑の巴里」のジョージ・キューカーが監督した作品。妻をなくした中年のイタリア系移民と、彼がイタリアから招んだ後妻の物語である。イタリア作家ヴィットリオ・ニーノ・ノバレスの小説を新人劇作家アーノルド・シュルマンが脚色している。撮影は「旅路」のチャールズ・ラング。音楽作曲・指揮はディミトリ・ティオムキン。作中マニャーニが、フェルナンド・アルバノ作詞、バシフィコ・ベント作曲の主題歌“スカプリシアチェロ”を歌っている。他に出演するのは「裸のマヤ」のアンソニー・フランシオサ、「闇に響く声」のドロレス・ハート、ジョセフ・カレイア、リリ・ヴァレンティーら。製作ハル・B・ウォリス。
1957年製作/114分/アメリカ
原題または英題:Wild is the Wind
配給:パラマウント
劇場公開日:1959年7月10日
ストーリー
ジーノ(アンソニー・クイン)は若い頃イタリアから移民して来てアメリカ市民になった。苦労を重ねたが、今は大牧場を経営している。生活も何不自由ない。たった1つの心残りは、苦労を共にした妻のロザンナがずっと以前に死んでしまって、この幸福を共にすることが出来ないことだった。家族は兄夫婦と娘のアンジー(ドロレス・ハート)、それに養子にした息子のベン(アンソニー・フランシオサ)であった。ジーノはロザンナの妹ジオイア(アンナ・マニャーニ)を後妻にもらうことにした。貧しいままで死んだロザンナのかわりに、ジオイアに豊かな生活を味わせてやりたいと思った。ジーノはイタリアで結婚式を挙げると、ジオイアを牧場に連れ帰った。ジオイアは、歓迎された。牧場の生活も気に入った。ジーノはジオイアを愛した。しかし真実ジーノが愛したのはジオイアの中のロザンナではなかったろうか?間違えてジオイアをロザンナと呼んだことも1度ならずあった。何かにつけてロザンナと比較されることもジオイアにとってはたまらなかった。さびしかった。自分はジーノにとってただロザンナの身替りのごとく思えた。不満でもあった。彼女の心はベンに近づいた。ベンはジオイアに英語を教えていた。アンジーとの婚約ーしかしベンの心もジオイアを求めた。日増しに2人の心は燃えた。ジオイアの誕生日、ジーノは彼女のためにパーティを開いた。しかしせっかくのパーティは惨めに終わった。乾盃の瞬間、ジーノの口からもれたのはロザンナの名であった。ジオイアの怒りは激しかった。ジーノが商用で旅立ったその夜、ジオイアとベンは越えてはならない垣を越えてしまった。ジーノは帰って来た。ジーノには2人の姿が真実であるのか不義であるのか、考える余裕はなかった。ベンは牧場を去った。ジオイアはイタリアに帰ることになった。ジーノは思った。自分も悪かった。ジオイアに詫びなければならない。ジーノは飛行場に向かうジオイアを追った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジョージ・キューカー
- 脚色
- アーノルド・シュルマン
- 原作
- ビットリオ・ニーノ・ノバレス
- 製作
- ハル・B・ウォリス
- 撮影
- チャールズ・ラング
- 美術
- ハル・ペレイラ
- タンビ・ラーセン
- 音楽
- ディミトリ・ティオムキン
- 歌
- スカプリシアチェロ
- 編集
- ウォーレン・ロウ
受賞歴
第8回 ベルリン国際映画祭(1958年)
受賞
銀熊賞(最優秀女優賞) | アンナ・マニャーニ |
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第15回 ゴールデングローブ賞(1958年)
ノミネート
最優秀作品賞(ドラマ) | |
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最優秀主演女優賞(ドラマ) | アンナ・マニャーニ |