炎の少女チャーリー(1984)

劇場公開日:

炎の少女チャーリー(1984)

解説

念力発火能力を持つ少女と、彼女を狙う政府の秘密機関との闘争を描く。スティーブン・キングの小説『ファイアスターター』(新潮文庫)の映画化で、彼の小説の映画化として.はこの作品が7本目にあたる。製作はフランク・キャプラ・ジュニア、エグゼクティヴ・プロデューサーはディノ・デ・ラウレンティス。監督は「処刑教室」(82)のマーク・L・レスター。脚本はスタンリー・マン、撮影はジュゼッペ・ルッツォリーニ、音楽はタンジェリン・ドリーム、特殊効果はマイク・ウッドとジェフ・ジャーヴィスが担当。出演はデイヴィッド・キース、ドリュー・バリモア、ジョージ・C・スコット、マーティン・シーンなど。ノース・キャロライナ州ウィルミントンで撮影、デ・ラウレンティスは、この映画の撮影をきっかけに同地に撮影所を設立している。日本版字幕は金田文夫。テクニカラー、ビスタサイズ。1984年作品。

1984年製作/アメリカ
原題:Firestarter
配給:ユニヴァーサル=CIC
劇場公開日:1984年8月18日

ストーリー

ニューヨークの二番街を、幼い少女とその父親が走るように歩き、彼らの後を自動車がつけていた。父親の名はアンドルー(デイヴィッド・キース)、少女の名はチャーリー(ドリュー・バリモア)といった。アンディはタクシーをとめ娘と一緒に乗り込んだ。12年前、アンディはオハイオ州のハリスン州立大の貧乏学生だった。彼はある薬物実験の披験者となり、同じ被験者のヴィッキーと知りあった。実験の指揮をとったのはウォンレス博士で、学生たちはロッ・シックスという薬を飲まされた。薬の作用のため、被験者の多くは死亡したが、アンディはヴィッキーと結婚して可愛い娘にも恵まれた。ロット・シックスのおかげで、アンディとヴィッキーは他人の思考をある程度操作できるようになり、2人の子供であるチャーリーは感情がたかぶると、火を発することができた。実験の黒幕であった政府の秘密機関DSI(デパートメント・オヴ・サイエンティフィック・インテリジェンス)は、チャーリーの超能力を軍事利用しようとしてチャーリーを狙っているのだ。ヴィッキーは殺されて、チャーリーは誘拐されそうになり、あやうく救出したのだった。オルバニー空港でタクシーを降りた父子は、ハイウェイを歩き出した。その頃、ヴァージニア州のロングモントにあるDSI本部では、責任者ホリスター(マーティン・シーン)が、インディアンの殺し屋ジョン・レインバード(ジョージ・C・スコット)にチャーリー捕獲を命じていた。父子はマンダースのトラックに乗せてもらい彼の家へ。マンダース夫人(ルイーズ・フレッチャー)の料理をご馳走になる。そこへ彼らがやって来た。チャーリーの怒りが爆発し、彼らは火だるまになり、虫は続々と爆発した。父子は祖父の別荘に逃げ込んだ。だが、レインバードが射った麻酔弾でチャーリーは倒れ、父子は本部で別々にされる。父に会わせてやると言われて、完全防火の実験室で発火をしてみせるチャーリー。彼女の死の瞬間に興味を持ち、優しいおじさんを装ってチャーリーに接するレインバード。ホリスターは不必要になったアンディをハワイにおくることにしたが、アンディは念力で彼に娘をつれてこさせるよう命じる。納屋で再会た父子。が、レインバードが銃で2人を狙い、父親は死亡。彼女の怒りは最高に達し、火の玉がDSIの職員、本部邸を襲った。1人になったチャーリーはマンダースの農場へ行く。やがて、マンダースとチャーリーはDSIの陰謀を公表すべく、ニューヨーク・タイムズ社に入っていった。(ユニヴァーサル映画=CIC配給*一時間五四分)

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映画レビュー

3.0凄い俳優陣としょぼい脚本

2019年11月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ジョージ・C・スコットとかマーティ・シーンとかで金をかけた分、アクションシーンがつまらないのも現実。そもそもスティーブン・キング原作の映画化ってのはハズレがやたらと多いのだ。過去にもビデオで見ているのですが、やはり『キャリー』のヒットによってストーリー展開を似せてくるのはしょうがないのだろうか。できれば逃亡シーンとか農場の心温まるシーンを充実させてほしかった。そして、政府機関“ザ・ショップ”の懐柔作戦にまんまと引っ掛かるってのもいただけない。

 序盤はけっこう面白い。“LOT6”(なぜ?)という薬の効果を調べるために被験者10人が注射を打たれるのですが、プラセボ効果も調べるために内5本は純水なのだ。しかし、結果は8人が死亡、残った2人は超能力を発揮して夫婦となったアンディとヴィッキー。そして二人のあいだにできた娘がチャーリーなのだ。5本しか当たりがないのに発狂して自殺とか、まったくわからない。なぜなのかすごく興味がわいた。

 また逃亡の際にタクシーに乗るのですが、アンディもチャーリーも金がない。1ドル札を運転手に渡し、「500ドルで空港まで」と言うのだが、アンディの超能力に操られ、1ドル札が500ドル札に見える運転手。かわいそう・・・しかし、500ドル札って1969年までしか発行されてないのに、知ってるの??

 そんなこんなでロードムービー風に展開もするのですが、ザ・ショップのジョン・レインバードに麻酔弾を撃たれてしまい、あっけなく捕まる二人。組織では実験も行われるし、超能力の軍事利用というお決まりのパターンへと変貌するのだが、レインバードがロリコンだったためか(?)チャーリーに対して友達のように信頼感を与えようとするのだ。んー、それだけ組織が弱っちいのかな。レインバードは怖いのに。

 「back off, back off」と能力をコントロールすることを両親から学んだチャーリー。でも最後には発動しちゃうんだな、これが。途中では一人の人間に火を点ける程度だったのに、能力全開になると凄い!火の玉ボーイも真っ青なくらいド派手な火の玉攻撃。CGも無い時代なので、スタントマンが火だるまになるのですが、その人数も半端ない。だけど、32人が火だるまになるっていうギネス記録の衝撃映像もあるんですね(興味あれば検索して見てください)。

 途中までは眠くなるような会話劇だったのが一転しての火だるまシーン。この衝撃映像だけは凄いが、レインバードがロリコンだったのかどうかという点が個人的には解決されてない(笑)。また、心奪われたマーティン・シーンがちょっと間抜け顔に見えるので笑えるのかもしれません。

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kossy

3.0怒りと悲しみを火にくべろ

2018年10月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

勝手にスティーヴン・キング原作映画特集その21!
今回は1984年公開のサイキックサスペンス『炎の少女チャーリー』をご紹介。

監督は本作の1年後に『コマンド―』でメガホンを取るマーク・L・レスター。
主人公のチャーリーを演じたのは、当時『E.T.』で人気小役だったドリュー・バリモア。
共演は名優ジョージ・C・スコット&マーティン・シーンとなにげに豪華なメンツ。

あらすじ。
新薬の臨床試験に参加したアンディは、その試験場で出会ったヴィッキーと結婚。
だが、その新薬は政府の秘密機関“ショップ”が人の潜在能力を引き出すために造ったもので、
微弱ながら超能力に目覚めたアンディとヴィッキーは政府の監視下に置かれることに。
やがて二人の間には娘チャーリーが生まれるが、彼女には
強力無比なパイロキネシス(発火能力)が備わっていた。
チャーリーが9歳の時、ある事件をきっかけに父娘は“ショップ”監視下から逃亡。
是が非でもチャーリー達を確保したい“ショップ”のリーダー・ホリスターは、
ベトナム戦争帰りの凄腕の工作員レインバードを雇い、父娘の追跡を開始する。

...

原作は1980年発表の『ファイアスターター』。
同年に公開された『ストリート・オブ・ファイヤー』と
タイトルがカブるという理由で邦題は変更されたんだそうな。
原作は、怒濤のサスペンスとアクションが描かれるなかで、自身の力に
翻弄される少女とその親の悲哀が伝わる秀作だったと記憶している。

多少の変更点はあれ、映画版の流れも原作と大きく違わなかったが……
最近のスピーディなテンポの映画に馴れた自分には、テンポがややゆったりめに感じたし、
残酷で情け容赦ない描写が多かった原作よりも表現がマイルドという感じもあり、
そのせいで父娘の悲哀や絆までもが原作より弱まってしまった印象を受けた。

主人公チャーリー役ドリュー・バリモアの演技もね、激しい怒りや悲しみが
感じとれなかったため、あまり感情を揺さぶられず。特に怒りに関しては、
自分の親や恩人に危害を加える相手を見据える眼とは思えなかったんですね。
そもそもふっくら可愛らしいお顔なんで、影のある役が似合わない気もする。

...

しかしながら、
CGも無い時代なので爆破!炎上!のエフェクトはもちろん
実写でやってるわけで、アクション映画好きの方ならここは見所。
中盤でも派手な連続爆破があるし、クライマックスでは車も人もドッカンドッカン、
最後の締めの大爆発など、ド迫力の爆破シーンがこれでもかと登場する。
(しかしパイロキネシスって火球を放つ能力じゃない気がするんだけど……)

J・C・スコット演じるレインバードも、原作の不気味で粘着質なイメージとは違うものの、
老練かつ狡猾に迫る彼の重厚な雰囲気は強敵として存在感を放っていてグッドだったし、
マーティン・シーンも単なる“冷血な悪役”然としておらず人間味を感じる演技で良かった。

...

以上!
原作の流れに忠実でも、やはり小説並みの密度での感情表現は難しかったようだし、
肝心要のチャーリーを演じるD・バリモアも力一歩及ばずという感じだったか。
それらはやはり原作と比較するとどうしても不満点になってしまうのだけど、
気合の入りまくった爆破シーンや名優の演技は楽しめる、なかなかの映画化でした。

<了> 2018.10初投稿
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余談:
敵から逃げ続ける父娘……ロードムービー風の前半……強敵が雇われた殺し屋……
アジトに囚われる少女……そのアジトで主人公が大破壊を繰り広げるクライマックス……
あれ……この流れ、『コマンド―』によく似とるね……
シュワちゃんの代わりに娘さんが暴れる感じやね……。

D・バリモア「来いよ、レインバード! 銃なんか捨ててかかってこい!」
J・C・スコット「やぁるおおおおおお、ぶっころしてやるあああああ!」

というシーンは無い。

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