Hole
解説
穴があいたことからつながった、上階と下階の奇妙な関係をミュージカル風に仕立てた一編。監督は「河」のツァイ・ミンリャン。脚本はツァイ・ミンリャンと「河」のヤン・ピーイン。製作のペギー・チャオ、撮影のリャオ・ペンロンは「河」に続く参加。製作総指揮はチェン・スーミン、「河」のチウ・スンチン、ピエール・シュヴァリエ。美術は「愛情萬歳」のリー・パオリン。編集はシャオ・ユークァン。録音はヤン・チアン。出演はツァイ・ミンリャン作品の顔であるリー・カンション、「河」のヤン・クイメイほか。
1998年製作/93分/台湾・フランス合作
原題または英題:Dong
ストーリー
2000年まであと七日。雨は激しく降り続き、街は謎のゴキブリ病が蔓延。汚染された地区のアパートに住む美美(ヤン・クイメイ)は上階からの水漏れに悩まされていた。水漏れを解決すべく、修理工が上階の小康(リー・カンション)の部屋を訪れる。ところが修理工が誤って床に穴をあけてしまい、下の女の部屋が丸見えに。その後穴からはゴキブリが出てきたり、コンクリート片、小康の吐瀉物などが降ってくるようになり、そのたびに美美は部屋の始末に奔走する。穴は塞がらないが、文句を言ったりするうちにコミニュケーションが生まれ、小康も階下の様子をたびたび窺うなど、互いの存在を意識するようになる。ある日、女が1階のマーケットヘ買物に行くと、ゴキブリのように床を這いずり回る男に出食わす。医療関係者に連れ去られる姿を見て、恐怖を覚える。その夜、寝ていた美美が目を覚ますと床が水浸しになっている。が、彼女は泣いたかと思うと、部屋中を這いずり回り、買い置きのトイレットペーパーの山に潜りこんでしまう。階下の様子が変だと気づいた小康は、穴から大声で叫ぶが、何もできない。その後、トイレットペーパーの山から美美が出てくる。水の入ったコップを穴から差し出され、一気に飲み干す美美。そして小康の腕にしがみつくと、彼女は階上へと引き上げられていくのだった。
スタッフ・キャスト
受賞歴
第51回 カンヌ国際映画祭(1998年)
出品
コンペティション部門 | |
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出品作品 | ツァイ・ミンリャン |