名探偵ベンジー
劇場公開日:1981年4月4日
解説
「ベンジー」「ベンジーの愛」に続いて犬のベンジーが活躍するシリーズ第3弾で、今回はある事件に捲き込まれて殺された私立探偵が特定の猶予をもらい犬となって地上に戻り事件を解決するという探偵映画になっている。製作・監督は前2作を手がけたジョー・キャンプ、脚本はロッド・ブラウニングとジョー・キャンプ、撮影はドン・レディ、音楽はユーエル・ボックス、編集はレオン・シース、製作デザインはギャレット・ルイスが各々担当。出演はチェヴィ・チェイス、犬のべンジー、ジェーン・シーモア、オマー・シャリフ、ロバート・モーリー、アラン・スーズ、ドネリー・ローズ、スチュアート・ジャーメインなど。
1980年製作/アメリカ
原題または英題:Oh! Heavenly Dog
配給:20世紀フォックス
劇場公開日:1981年4月4日
ストーリー
雨のロンドン。ボロボロの傘をさして歩いていたベンジャミン(チェヴィ・チェイス)は、途中、友だちの車に乗せてもらうが、降りたとたん、走って来た女性とぶつかった。彼女はあやまるとジャッキー(ジェーン・シーモア)と名を告げて先を急いでいった。自分が経営しているブラウニング探偵事務所に帰ったベンジャミンの元に、マルカム(オマー・シャリフ)という紳士が訪れる。.彼はミス・パトリシアという女性の護衛をベンジャミンに依頼すると大金を置いて去っていった。イヤイヤながらもミス・パトリシアのマンションに出かけた彼は、そこですでに殺されているミス・パトリシアを見つけ、そのとたん彼も何者かによって殺された。天国に行った彼は、JBK779番というナンバーで呼ばれ、カウンセラーのヒギンズ(スチュアート・ジャーメイン)に会った。ベンジャミンは彼に猶予を与えられ、地上に戻って犯人を探すことを許される。ただし、人間の姿ではなく犬の姿になって…。パリに戻された犬のベンジャミンことJBは、偶然パリに来ていたジャッキーに捨われ、ロンドンに帰れることになる。殺人のあったマンションで、ある電話番号を見つけたBJは、その番号がニーダム画廊のものであることをつきとめる。その頃、ジャッキーは、彼女が勤める出版社の社長(ロバート・モーリー)から、パトリシア事件の謎を追って本にするように言われ、調査を開始していた。彼女は、凶器の指紋のせいで刑務所に入れられている男を訪れるが、彼は次期首相とまでいわれる政界の大物で、ジャッキーはその男が犯人でないことを直感する。前衛彫刻家モンタネロ(ドネリー・ローズ)の作品をパトリシアがよく買っていたことを知った彼女は、彼の個展に顔を出し、そこで政界の大物アリステアを紹介されるが、その彼の秘書こそ例の男マルカムだった。会場に来ていたBJを見ると、マルカムは不思議と表情を変え、逃げるBJを追いかけた。ジャッキーは、モンタネロからパトリシアが以前娼婦をしていたことを聞き、BJは証拠を見つけようと、怪しいとにらんだアリステアの事務所に侵入した。そこでアリステアの誕生日3月3日を暗号としたメモを見つけラスボーン街の郵使局の私書箱33をかぎつけたBJは、そこからある封書を盗み出した。中にはALPと刻まれたパトリシアのペンダントが入っていた。そのペンダントを口にくわえ、ベケットと昼食を共にしていたジャッキーの元に急ぐBJ。しかし、その場にマルカムが現われ、すべてを自白した。アリステアはパトリシアを愛しており、そのことがアリステアの将来に害を与えると考えたマルカムが彼女を殺し、スキャンダルの種ともなりかねないALPつまりアリステア・ラブ・パトリシアの文字が刻まれたペンダントを隠していたのだった。言い終ると、彼は、BJをにらみつけピストルを向けた。その瞬間、ジャッキーは彼の代わりに身をなげ出し銃弾を浴びた。数日後、寂しく1匹歩くBJに声をかける者がいた。ジャッキーの死を報道する新聞が貼ってある壁のそばに1匹の猫がいた。声はその猫が発したのだ。その猫こそ、ジャッキーの死後の姿だったのだ。2匹は仲よく川辺の道をよりそっていくのだった。