ヘルハウス
劇場公開日:1974年9月7日
解説
悪霊が支配する“地獄邸”と呼ばれる大邸宅にその実態を調査すべく乗り込んだ5人の男女と悪霊の対決を描く。製作総指揮はジェームズ・H・ニコルソン、製作はアルバート・フェネルとノーマン・T・ハーマン、監督は「小さな目撃者」のジョン・ハフ、原作・脚本は「激突!」のリチャード・マシスン、撮影はアラン・ヒューム、特殊撮影効果はトム・ハワード、音楽はブライアン・ホジソンとデライア・ダービーシャーが各々担当。なおジェームズ・H・ニコルソンはこの映画の撮影開始直後の72年12月10日56歳で急死している。出演はパメラ・フランクリン、ロディ・マクドウォール、クライヴ・レヴィル、ゲイル・ハニカット、ローランド・カルヴァー、ピーター・ボールスなど。
1973年製作/アメリカ
原題または英題:The Legend of Hell House
配給:20世紀フォックス
劇場公開日:1974年9月7日
ストーリー
現代のロンドン。著名な物理学者クリス・バレット博士(クライヴ・レヴィル)は、ルドルフ・ドイチェ(ローランド・カルヴァー)という億万長者の依頼でベラスコ・マンションと呼ばれる古い大邸宅にまつわる謎を調べることになった。この邸には不思議な心霊現象が現われるという伝説があり、余命いくばくもないドイチェは人間の死後の生命の有無を知りたいというのだ。同行者は彼の妻アン(ゲイル・ハニッカト)、心理霊媒の若い娘フロレンス・タナー(パメラ・フランクリン)、さらに20年前にこの邸の調査隊に参加した唯一の生存者である物理霊媒のベン・フィッシャー(ロディ・マクドウォール)で、調査期間は1週間だった。フィッシャーによれば、この邸は1919年にエメリッタ・ベラスコという富豪が建てたもので、彼はありとあらゆる悪業を重ねた末、ある夜のパーティーを最後に行方不明となり、残されたのはそのパーティに出席した27名の親類縁者たちの惨殺死体だった。フロレンスは、邸に閉じ篭められた多くの死霊たちの存在を感じとった。博士は科学者として死霊を認めなかったが、人間の心理作用に影響を与える力とでもいったものが存在することは認めている。そこであらゆる物理的力をハネ返す電磁気装置“リバーサー”を邸内に設置した。ある日の食事中、突然邸が揺れ動き始め、テーブルの食器が博士めがけて飛んできた。そのため博士は手に負傷した。フィッシャーは心霊たちの反撃の矢が博士に向けられていることを感じた。一方、フロレンスは地下の酒倉でミイラを発見した。それがベラスコの息子ダニエルの遺体であることを感じ、博士に伝えたがこの邸における奇怪な現象はすべてフロレンスの仕業だと思い込んでいる彼は無視した。その夜、ダニエルのものと思われる霊がフロレンスのベッドにもぐり込み、とうとう彼女の肉体に乗り移った。翌日、博士はいよいよ“リバーサー”の力で霊の力をハネ返すときがきたことを感じ、スイッチを入れようとするが、そのとき、霊に乗り移られたフロレンスが、傍にあった鉄棒で、“リバーサー”を叩き壊し始めた。幸い中枢部分は無事だったものの、フロレンスはその直後、礼拝堂の大十字架の下敷きになり死んでしまった。その傍にはフロレンスが死のまぎわに書いた、ベラスコの頭文字と思われるBという文字が血で書かれていた。事態は急迫した。数十分後、物凄い屋鳴りと共に邸は大きく揺れ動き、“リバーサー”は止まった。博士の計画は一見成功したかのように見えたが、“リバーサー”を点検中、落ちてきたシャンデリアにおしつぶされ命をおとした。そしてあとに残されたフィッシャーがアンの協力を得て礼拝堂の秘密をさぐることになり、ついにそこに恐るべき事実を発見することになった。礼拝堂の奥には金属でかこわれた1室があり、この邸の主人ベラスコの遺体が椅子に座らされてあったのだ。つまり“リバーサー”の磁気も金属におおわれたこの部屋には及ばず、博士はそのために命をおとしたのだ。ベラスコは大男と伝えられていたが実は、異常なまでに足の短かい小男で、その恨みが今までの奇怪な事件をひき起こしていたのだ。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジョン・ハウ
- 脚本
- リチャード・マシスン
- 原作
- リチャード・マシスン
- 製作総指揮
- ジェームズ・H・ニコルソン
- 製作
- アルバート・フェネル
- ノーマン・T・ハーマン
- 撮影
- アラン・ヒューム
- 音楽
- ブライアン・ホジソン
- デライア・ダービシャー
- 編集
- ジョフリー・フット
- 特殊効果
- トム・ハワード
- 字幕
- 岡枝慎二