冬物語
劇場公開日:2022年5月13日
解説
巨匠エリック・ロメールによる「四季の物語」シリーズの第2作で、運命に翻弄されながらも本物の愛を探し求める女性を描いた人間ドラマ。フェリシーは旅先で出会った男性シャルルと運命的な恋に落ちるが、別れ際に彼に教えた自宅の住所が間違っていたことに気づく。5年後の冬、フェリシーは既婚者の恋人マクサンスが経営する美容院で働きながら、シャルルとの娘エリーズを育てていた。彼女には図書館員ロイックというもう1人の恋人もいたが、実は今でもシャルルのことを忘れられずにいる。ある日フェリシーはマクサンスから、妻と別れて再出発するから一緒に来てほしいと言われる。
1991年製作/114分/フランス
原題:Conte d'hiver
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
日本初公開:1992年12月19日
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映画ってこういうことだよね、と改めて実感。
最近、カール・テオドア・ドライヤーを観た後だったので、
また信仰の話か…と思ってしまったのだが、
こんなにもその重要性に気づくことになるとは。
自分は宗教や信仰とは無関係だと思っていた彼女が
シェイクスピアの「冬物語」を観劇して、
信仰とは何たるやを気付かされた彼女は、
彼を信じて待ち望むようになる。
そうだよな。
と思わざるを得ない、展開。凄い。
色々気になるところはありつつも、
やっぱりすごいとしか言いようがない映画でした。
ファーストシーンと
ラストの10分間は、本当に何度でも見返したいです。
2022年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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二十歳そこそこのフェリシー(シャルロット・ヴェリ)、夏の海のバカンスで運命の男シャルルに出逢った。
愛を確かめ、バカンスも終わり。
米国へ旅立つ彼との別れ際に大失敗。
こともあろうか、パリでの住所を間違えて伝えてしまったのだ。
それから5年。
4歳となる娘エリーズと暮らすフェリシーは、美容師としての腕で働き口を見つけ、妻子持ちの店主と恋仲になっていた。
が、一方、図書館勤めの青年とも恋仲。
どちらも心から愛しているというわけではないが、いないと寂しい。
だって、わたしの最愛のひとは、シャルルなんだから・・・
といった物語で、まぁ、のっけから、何じゃいな、いい加減な!
都合よすぎるぞ、フェリシー! って感じ。
そんな彼女に振り回される男ふたりもバカ臭いといえばバカ臭い。
フェリシーの伝家の宝刀は「わたしが愛するのはシャルルだけ!」って、アムーム(愛)の国、フランス? ほんまか、フランス?
そんなので、つきあっていくなんて、短絡過ぎのお馬鹿さん。
と、まぁ、いつもだったら、こんなバカ女に付き合いきれず、こんなバカ女に振り回されるバカ男もバカ男には辟易するのだけれど、意外と辟易しない。
むむむ、ここまでいくと、まるっきるのファンタジーな感じ。
その上、フェリシーもふたりの男も、考えていることが、ダダ洩れ。
洪水のようなセリフとなって、ダダ漏れなのだ。
このダダ漏れ感、なんといっていいのかしらん。
理路整然と心情を語っているように思えるが、まるっきり、そのときのパッションでしゃべっているとしか思えない台詞の洪水。
笑っちゃうしかないよね、ここまで吐露されると。
って感じの、女ひとりとふたりの男の三角形・・・
が、ええええ。
虚仮の一念、フェリシーの五年。
大都会パリでシャルルと再会のハッピイエンド。
史上最強のハッピイエンドの恋愛映画といっても過言でない。
面白いと言えば面白いけれど、どうにでもしてくれともいえる感じ。
ロメール監督の他の作品、観るかなぁ・・・観ないだろうなぁ。
2022年6月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ああなんと美しい。素晴らしい!後半泣きっぱなし。ロメール素晴らしい!素晴らしい!
2022年5月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
誰もが考えそうなことですが、SNS全盛の今だと到底想定し難い悲劇的運命。それを背負いながらもしなやかに与えられた場所で生きるフェリシー。ストリートスマートな彼女が実体験を通じて得た言葉の方が、ブックスマートのロイックが紡ぎ出す受け売りの哲学的知見よりも本質を突き、感動すら覚えることが白眉だった。
運命の再会も彼女に言わせれば、「祈ったからかなった」みたいな単純な図式ではない。一見浅はかな行動に見えようが、自分を生きる、ということにブレない女性がハッピーエンドに終わって見ていて気持ちよかった!
何れにしても今日まで無事にシングルマザーをやってこれたのも、バランス感覚に優れた実家のお母さんのおかげかな。
余談ですが、昼間の回、結構人が入っていて全員おひとりさま!だったのが印象的だった。