昼下がりの決斗

劇場公開日:

解説

「街中の拳銃に狙われる男」のN・B・ストーン・ジュニアと「荒野のガンマン」のサム・ペキンパーが共同で脚本を執筆、サム・ペキンパーが演出した西部劇。撮影は「赤い崖」のルシエン・バラード、音楽は「真夜中」のジョージ・バスマンが担当。出演者は、「西部の魂」「賞金を追う男」のランドルフ・スコット、「皆殺し砦」のジョエル・マクリーのほかマリエット・ハートリー、ロナルド・スターなど。リチャード・E・ライオンズ製作。

1962年製作/アメリカ
原題または英題:Gun in the Afternoon
配給:MGM
劇場公開日:1962年7月14日

ストーリー

スティーブ・ジャッド(ジョエル・マクリー)は、かつて名保安官として鳴らした男だったが、今では西部の人々からも忘れ去られていた。ところが、シエラ山中のコース・ゴールドに金が発見され再び彼が脚光を浴びることになった。コース・ゴールドの人たちが、掘り当てた金を預け入れるために銀行の出張を熱望したため、その重任にふさわしい人として正義の男ジャッドが選ばれたのだ。黄金を預かっての帰りの山道はあらゆる危険が予想されるため、彼は協力者2人を雇うことにした。彼が適任者として選んだのはかつてUSマーシャルとして音に聞こえたガンマンのジル・ウェストラム(ランドルフ・スコット)と、ウェストラムの推薦になるヘック・ロングツリー(ロナルド・スター)である。だがジャットが信用しているウェストラムは、実は1日10ドルの日当より莫大な黄金がめあてだった。山への途中、3人はある小さな牧場で一夜をあかしたが、そこの娘エルサ(マリエッド・ハートレイ)は、山に住むハモンド5人兄弟の1人ビリーに熱をあげ、3人が山へ行くのを知ると家を飛び出し同行した。一目でエルサにひかれたヘックは、何かと彼女につくすのだった。ヘックに送られて、エルサはビリーのもとへやって来たが、ビリーとの生活は彼女が夢見ていたものとはまるで違っていた。ビリーばかりか、兄弟が寄ってたかってエルサをからかうのだ。そんな様子にたまりかねたヘックは、彼女を兄弟から救い出した。このことで一行は兄弟の恨みを買うことになった。金引き取りの仕事を済ませたジャッド一行は、帰路に着いたが、ある夜、ウェストラムはヘックを誘って黄金を盗み出そうとした。だが、ジャッドに気づかれ武器をとり上げられた。そんな時、ハモンド兄弟が仕返しに来た。ジャッドはやむなくヘックに武器を与え応戦した。兄弟は殺された1人を置き去りにしたまま引きあげたが、その最中ウェストラムは秘かに一行から離れて行った。翌日、一行がエルサの牧場に着くと、すでにハモンド兄弟が占居していた。不意に銃弾を浴びせる兄弟の前に一行は手も足も出なかった。そこへウェストラムが駆けつけ応戦した。が、時すでに遅くジャッドは黄金の護送を頼んで息を引き取った。ウェストラムは友の最後の言葉を遂行しようと決心した。一方、ヘックとエルサは結ばれ、幸福な生活へと踏み出すのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5【老いた保安官と、且つての友と若きガンマンの関係性の変遷を描きつつ、最後は悪党達と共に戦う漢としての矜持を示す姿が渋い作品。今作は、ラストに余韻を感じさせる逸品であると思います。】

2024年7月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

幸せ

◆感想
 サム・ペキンパー監督はバイオレンス映画で名を馳せたが、彼の名匠の西部劇も良い味を出していると思う。
 ストーリー展開は一捻りはあれど、且つての名保安官とその友、若き未熟なガンマンの三人は、最後は弱き女性を護るためと、ガンマンとしての矜持により、悪漢たちに正面から向き合い、撃ちあう姿は漢である。
 そして、且つての名保安官は敵を斃しながらも、自らも被弾し息絶える。
 その姿を見ながら、且つての友と男として成長した若きガンマンは、護った女性と共に、何処かへ立ち去るのである。
 今作は、ラストに余韻を感じさせる逸品であると思います。-

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NOBU

3.5老ガンマンの男と男の友情をサム・ペキンパーがオーソドックスなスタイルで描く。

2024年7月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

NHK BS の放送にて。

『荒野のガンマン』に続くサム・ペキンパーのデビュー2作目。
ランドルフ・スコットの俳優引退記念作品であり、先に引退していたジョエル・マクリーが一時復帰して友情出演している。
老齢の二人のガンマンが〝くされ縁〟で結ばれた友情と闘いを描いているのだが、かつて二枚目西部劇スターとして活躍した主演の二人は、この当時まだ50代だった。

カリフォルニアのとある町、自動車が通りを走っている時代の変わりめ。
金山から銀行へ金を運搬する仕事を請け負うために元連邦保安官のスティーブ(ジョエル・マクリー)は馬で町にやって来た。
彼はイカサマ射的ゲームで小銭稼ぎをしていた昔の相棒ギル(ランドルフ・スコット)と偶然再開し、金運搬の仕事に誘う。
やはりラクダと馬のイカサマ競争の賭けで稼いでいた若者ヘック(ロン・スター)をギルが誘い、三人で金山に向かうことになる。

途中、一行は金山の麓の小さな牧場に一夜の宿を借りる。
牧場には信仰に厚い主とその娘エルサ(マリエット・ハートリー)か二人で暮らしていて、エルサは厳格な父親に束縛された生活を送っていた。彼女は金鉱で働くビリーという男と結婚の約束をしていると言うが、それも父親は快く思っていない。
父親と言い争って家出したエルサが三人に合流し、四人で金鉱のキャンプにたどり着く。

キャンプに着くやいなやエルサはビリーと結婚式をあげることになるが、ビリーとその兄弟たちハモンド一家はならず者で、彼らに強姦されそうになったエルサを救ったスティーブたちは彼女を牧場の父親に送り届けるため連れ帰る。
ここからハモンド一家との西部劇らしい戦いが展開する。

本作ではまだペキンパーのバイオレンス描写は見られず、極めて正当な西部劇だ。
軽いユーモアも織り込まれている。
運搬人募集の広告には運搬する金は25万ドルだと書かれていたが、銀行の頭取から2万ドルの間違いだと言われ、金鉱に着いて実際に計量すると1万ドル余りしかなかった。
銀行で運搬仕事の契約を結ぶとき、スティーブは一人で契約書を読みたいと洗面所に行くが、老眼鏡をかけないと見えないからだった。
ギルとヘックは金を持ち逃げする企みで同行していて、その機会を狙っている。
エルサの父親とスティーブが聖書の引用の応酬で金と欲について議論したりする。

スティーブたちが牧場にやって来たとき、農作業中のエルサは慌てて家の中に駆け込むと野良着からドレスに着替えるというのが可愛い。
父親に切られたというショートヘアが西部劇のヒロインとしては珍しい。
エルサの父親は一人娘を守ろうとしているのだが、男尊女卑的な考えが根底にありそうだ。アメリカでもこの時代なら珍しいことではなかったのだろう。
勢いで家を出てしまったエルサは、金鉱にやって来て初めてビリーたちハモンド兄弟の粗暴ぶりを知る。ビリーは何度か牧場に来てエルサを口説いただけの関係で、ビリーのことはよく知らなかったようだ。
父親の庇護の下に暮らしていたエルサは、つまり世間知らずで男に免疫がなかったということなのだろう。

スティーブとヘックがエルサを連れて帰ろうとすると、ギルはエルサとビリーの結婚が成立していることにこだわる。そして、アル中の判事を脅して結婚証明書がないと証言させ、キャンプの住人たちと自分自身に折り合いをつけるのだから、法に厳格なのか無法者なのかどっちだ、という感じだ。

ギルとヘックが金を持ち逃げしようとしたことに気づいたスティーブは、ギルを決して許そうとしない。この旧友を心から信頼していたからだろうか。

途中でハモンド兄弟五人の襲撃を受け、なんとか二人を倒して切り抜ける場面で、ライフルと拳銃の射程距離の違いが語られる。
これはクライマックスの牧場での銃撃戦でも作用する。

牧場では、先回りしたハモンド兄弟にエルサの父親は殺されていた。
拳銃しか持たず、わずかな窪みに隠れただけのスティーブとハックは、家の中に隠れてライフルで撃ってくるハモンド兄弟に苦戦する。
スティーブとハックが負傷して万事休すのところで、前夜から姿を消していたギルが拳銃片手に駆けつけるという胸熱の展開となる。

スティーブはギルと二人でハモンド兄弟三人に決斗を申し入れ、ハックとエルサを救おうと考える。
スティーブが「あれでいこう」と言うだけでギルには全てが伝わるという、あ・うんの呼吸なのだ。
一方のハモンド兄弟は、決斗となると汚い真似をしてはハモンド一家の名折れだと、正々堂々と家の外に歩み出てくる。
これこそ、ならず者といえども西部に生きる男たちに息づいている誇りなのだ。

かくして2対3の決斗に突入する。お互い隠れる場所などなく正面から拳銃で撃ち合うのだから、西部の男たちは勇敢だ。
よくある一発の早撃ちで決着するのではなく、近距離で撃ち合い、双方とも何発か被弾する。
ハモンド兄弟を倒したものの、スティーブは致命傷を負った。
ギルが「お前の意志を無にしない」とスティーブに言うと、スティーブは「分かっている。ちょっと気が迷っただけだ」と言ってギルを赦す。
スティーブとギルとの間にあるのは盲目的な友情ではない。彼らには我々が知らない歴史があり、二人で修羅場を越えてきたのだろうけれど、いつか別れ別れになっていたのだから考え方も生き方も違っているのだ。
それでも二人には、俺とお前だから通じるものがあったのだ。

「若い者に死ぬところを見せたくない」と言ってハックとエルサを近づけないようギルに頼むと、ギルは若い二人の肩を抱いてスティーブから離れていく。
老ガンマンには、自分の命に代えても若者を守るという熱い侠気(オトコギ)もあったのだ。

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kazz

0.5もったいない。アクションだけ取れば、この程度の評価

2024年1月31日
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鑑賞方法:VOD
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マサシ

3.0ジジイの矜持。二大スターの共演…らしい。さすがに生まれてないのでよ...

2022年8月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ジジイの矜持。二大スターの共演…らしい。さすがに生まれてないのでよく分からない。
荒くれ者と結婚すると嫁は兄弟みんなのもの、怖すぎる時代だ。父親は正しかった(笑)二大スターの活躍するラストより、そっちに目がいってしまった(笑笑)
まずまず面白かった。尺はこれくらいがちょうどいい。

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はむひろみ