薔薇の名前

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

「愛人 ラマン」「セブン・イヤーズ・イン・チベット」のジャン=ジャック・アノー監督が、ウンベルト・エーコの同名小説を実写映画化したゴシックミステリー。宗教裁判が激化する14世紀のヨーロッパ。イギリスの修道士ウィリアムと見習い修道士アドソは、重要な会議に参加するため、北イタリアの修道院にやって来る。到着早々、彼らは修道院で若い修道士が不審な死を遂げたことを知る。院長によると、死んだ修道士は文書館で挿絵師として働いていたという。事件の調査を依頼されたウィリアムたちは真相を求めて奔走するが、さらなる殺人事件が起こり……。修道士ウィリアムをショーン・コネリー、見習い修道士アドソをクリスチャン・スレイターが演じた。

1986年製作/132分/フランス・イタリア・西ドイツ合作
原題:The Name of the Rose
配給:東北新社
日本初公開:1987年12月11日

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(C)1986 Neue Constantin Film Produktion GmbH

映画レビュー

2.5どこをどうおもしろがればいいのか

2023年5月14日
iPhoneアプリから投稿

どこが楽しい話なのか分からなかった
雑な作りだなと思ってしまった

師弟関係は好きだった

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JYARI

4.5上映館に急げ!

2023年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

舞台は、14世紀の北イタリアの山地に聳える修道院。教皇派(その頃教皇庁は、アヴィニョン)とフランチェスコ会(アッシジの聖フランチェスコを引き継ぐ清貧派)との討議に参加するために修道院に到着したバスカヴィル(イングランド)のウィリアム(コネリー)とその弟子メルク(オーストリア)のアドソ(スレーター)は、若い修道士の不審死を知るが、その解明を修道院長から依頼される。早速その調査にかかるものの、不審死は続く。その過程で、高台の修道院敷地から残飯を含むゴミが投棄され、貧しい農民がそれに群がるのを目にする(モンサンミッシェルを訪れた時のことを思い出した)。二人は、修道院の塔の下層階にある写字室に入り、この塔には膨大な書籍があるはずで、それが怪死事件の背景と気づく。両派の到着後行われた討議は不調に終わったが、教皇派の一行に加わっていた異端審問官ベルナール・ギー(エイブラハムの怪演)により、不審事件は異端者のせいとされ、魔女と断定された(アドソと親しい)農民の娘と共に、火炙りの刑を受けることになる。ちょうどその頃、塔の高層階にあった迷路のような文書館に入ることができた二人は、事件の真実を捉えたのだった。
一番気になったのは、その結末。エンドロールに、以下のラテン語の詩句が出てくる
stat rosa pristina nomine, nomina nuda tenemus.
「過ぎにし薔薇はただ名前のみ、虚しきその名が今に残れり」
その直前に老いたアドソのナレーションが流れる。初恋の村の娘のことを
She was the only earthly loved in my life. Yet, I never knew, no ever learned her name.
「生涯でただ一度私が愛した彼女の名前を私は知らないし、知ろうとすることもなかった」と聞き取れたが、この二つがタイトルに繋がることは判った。しかし、ラテン語の警句と台詞の意味するところは、相反している!
ラテン語の詩句はエーコによって書かれた原作にもあり、カトリックの「聖」の世界、教皇派とフランチェスコ会の向こうに見える。一方、アドソの台詞は映画にしかなく、現実の「俗」の世界、謎解き、ミステリー、ロマンの側。この二つの世界を、一つの映画の中で見せてくれた脚本、監督、製作に感謝したい。
傑作である。

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詠み人知らず

4.0現代の危うさへの警鐘か

2023年4月16日
iPhoneアプリから投稿

映画の中の暗黒の中世はキリスト教原理主義とセットで、そこではギリシア・ローマ時代の哲学や思想は禁書とされる世界。聖書に書かれていることが全てであり、聖書以外の書籍からの知識や実世界を観察して得た情報から、自分の頭で物事を考えることは、ともすれば異端とみなされる世界。
民衆が楽しみを知ると神に縋らなくなるので、民衆には苦しみと恐怖を与えなければいけないとする世界。
現代にも似たような中世の闇は続いている事を強烈に暗示している映画だと思った。

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ねこ

4.0楽しかった

2023年4月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

14世紀頃のイタリアとのことで、日本で言えば鎌倉時代後期のあたりか。宗教が少しも人を救わない、ものすごく野蛮な世界をショーン・コネリーとクリスチャン・スレーターの師弟コンビが征く推理冒険譚。冒険といっても舞台は一箇所から全く動かないので、ビデオで見たら眠くなったかも。ロケーションと美術の圧倒的な迫力で見せ切るスタイルで、全編ワクワクしっぱなし。映画館で見られて良かった。修道院の責任者達や、中央組織から来るさらに高位の聖職者達の思考回路は、現代の我々にはとてもついていけない狂ったようなものだが、揃いも揃って強烈過ぎるいでたちやヘアスタイル等に目を奪われて、あまり違和感なく見られるのがうまくできている。ある意味「スターウォーズ」的な異世界エンタメっぽくもあり、とても楽しく見ることができた。

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どんぐり