背信の日々
劇場公開日:1988年12月10日
解説
価値観の全く違う男女の出会いと愛によって、秘められたアメリカの暗部を浮き彫りにしてゆく。エグゼクティヴ・プロデューサーは脚本も担当しているジョー・エスターハスとハル・W・ポレアー、監督は「ミッシング」のコンスタンチン・コスタ=ガブラス、撮影はパトリック・ブロッシェア、音楽は「この愛に生きて」のビル・コンティが担当。出演は「夜霧のマンハッタン」のデブラ・ウィンガー、「影なき男(1987)」のトム・ベレンジャーほか。
1988年製作/アメリカ
原題または英題:Betrayed
配給:ユナイト映画=UIP映画
劇場公開日:1988年12月10日
ストーリー
季節労働者としてネブラスカの小麦畑にやってきたケイティ・フィリップス(デブラ・ウィンガー)、実はFBIの秘密捜査官キャサリン・ウィーヴァーが、ゲリー・シモンズ(トム・ベレンジャー)と出会い親しさを増していったのは、ラジオの過激なトーク番組の司会者クラウスがシカゴで射殺され、彼の車に“ZOG”となぐり書きされていた事件の調査のためだった。しかし、彼女の目に映るゲリーは、ヴェトナム戦争の英雄で古き良き典型的なアメリカ人という暖みをもつ男性で、彼がクラウス殺しの容疑者とはケイティには思えなかった。上司で昔の恋人でもあるマイケル(ジョン・ハード)はそんな彼女をゲリーに恋しているのだと感じとっていた。果たしてそのケイティが真実を知るのはその後のことである。まず真夜中の黒人ハンティング、そして彼の幼い子供たち、ジョーイ(ブライアン・ボサック)やレイチェル(マリア・バルデス)にまで黒人やユダヤ人に対する憎しみを教え込まれていることを知り、ケイティの心は仕事への義務感とゲリーへの愛情との間で揺れ動くのだった。ある日一家は、キャンプとは名ばかりの白人至上主義グループの交流の場に出かけ、ケイティはある暗殺と襲撃計画を耳にする。行きがかりで銀行襲撃の仲間となり信頼感の増したケイティに、ゲリーはプロポーズし、暗段計画の全容と彼の前妻の殺人事件を告白するのだった。ところが暗殺決行の夜、仲間のフリンからケイティの正体を暴く書類を手渡されたゲリーは、その夜彼女に決行の場所をデンバーと告げるのみで他には何も言及しなかったが、翌朝2人が向かったのはシカゴの地だった。マイケルに連絡する方法もないままゲリーと共に建設中のビルに入ったケイティは、ライフルを取り出し向かいのビルに狙いを定めた彼が自分の正体を悟ったことを知り、断腸の思いでゲリーに向けて銃を発砲するのだった…。ゲリーはケイティに撃たれ、暗殺計画は未遂に終わった。しかし心にわだかまりを抱くケイティ=キャサリンはFBIを辞職し、周囲の人々の白眼視の中、今や唯一彼女を理解してくれるあどけない友人レイチェルの待つネブラスカの小麦畑へと向かうのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- コスタ=ガブラス
- 脚本
- ジョー・エスターハス
- 製作総指揮
- ジョー・エスターハス
- ハル・W・ポレアー
- 製作
- アーウィン・ウィンクラー
- 撮影
- パトリック・ブロシェ
- 音楽
- ビル・コンティ
- 編集
- Joel Van Effenterre
- 字幕
- 戸田奈津子