肉体の悪魔(1947)

劇場公開日:

肉体の悪魔(1947)

解説

第1次世界大戦下のフランスを舞台に、若き人妻と高校生の許されざる恋を描いた恋愛ドラマ。作家レイモン・ラディゲの同名小説を原作に、文芸作品を得意とするクロード・オータン=ララ監督が叙情あふれるタッチで映画化した。

1917年。男子高校生フランソワは、学校に隣接する臨時の陸軍病院にやって来た見習い看護師マルトと出会う。マルトには出征中の婚約者がいたが、フランソワの大人びた言動と無邪気な情熱に次第にひかれ、2人は愛し合うように。やがてマルトの婚約者の帰還が決まるとフランソワは彼女のもとを離れ、マルトは婚約者と結婚するが……。

当時まだ新進俳優だったジェラール・フィリップが24歳にして10代の揺れ動く感情を繊細に演じ、世界的に人気を集めるきっかけとなった。「偽れる装い」のミシュリーヌ・プレールがヒロインのマルトを演じ、「ぼくの伯父さん」などのジャック・タチも出演。

1947年製作/123分/PG12/フランス
原題または英題:Le diable au corps
配給:セテラ・インターナショナル
劇場公開日:2022年12月9日

その他の公開日:1952年11月8日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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(C)Transcontinental Films

映画レビュー

4.0【”禁断の恋物語。”一途に人妻を愛す青年をジェラール・フィリップが演じると、猥雑感なき純愛映画に見えてしまう稀なる作品。】

2024年12月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■第一次世界大戦下、、リセに開設された臨時病院の見習看護婦・マルト(ミシュリーヌ・プレール)は、怪我をした兵士の姿を見て失神してしまう。
 その彼女を支えた高校生のフランソワ(ジェラール・フィリップ)。
 マルトは出征兵のラコンブ軍曹と婚約していたが、フランソワの情熱に惹かれ、マルトの母や、フランソワの父に厳しく諫められるも、2人は愛しあうようになる。
 だが、ラコンブが一時帰還すると2人は別れ、マルトは彼と予定通りに結婚する。

 そして、半年後、二人は再会し再び愛し合う。そして、且つて二人が食事をしたレストランで再び食事をするが、フランソワの子を身籠っていたマルトは、無事出産し、その子に”フランソワ”と名付け、戦地から戻って来たラコンブ軍曹の手を握り、”フランソワ、戻って来たのね。”と告げるのである。

◆感想

・後半の展開は、不倫と言っても良いだろう。だが、観る側は猥雑感をあまり感じない。それは、ジェラール・フィリップが演じるフランソワの一途な姿と共に漂う気品や、ラコンブからの戦地からの手紙を破ろうとするマルトに対し、”一通位読みなよ。”と告げる姿や、演出で言えばフランソワとマルトが、同衾するシーンが一切ない事も、起因しているであろう。

・ラコンブ軍曹の視点から見れば、酷い話しではあるのだが・・。

・ラストシーンも、哀切である。マルトが子を出産する場に、フランソワは入る事は許されず、遣るすべもなく塀の外で佇むのみである。
 だが、マルトは我が子に”フランソワ”と名付け、息絶えるのであるから・・。

<今作は、ジェラール・フィリップが称える天性の気品が際立つ、若き青年と人妻との恋物語なのである。
 人を見る眼が厳しき高峰秀子さんが(彼女の多数のエッセイを読めば分かる。)来日したジェラール・フィリップと出会い、言葉を交わした事で”気にいっちゃった。”と言う位だから、外面だけではなく、内面も相当に魅力的な男性だったのだろうなあ、ジェラール・フィリップは。
 そして、彼はこの作品を切っ掛けにして、スター街道を邁進していくのである。>

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NOBU

3.5この邦題だが古典的なラブロマンス

2024年3月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

男の方が十代なので初々しいと言った方がいいのか。よろめく女性も20代半ばなので今の感覚だと年取ってるとはいいがたい。ジェラール・フィリップを愛でる映画。

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mikyo

4.0元祖少女漫画のビジュアル

2023年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

邦題が刺激的な原作小説は未読だが、魅力的な俳優陣によって演じられることにより実写化の意義が高い作品だと思った。
当時24、25のジェラール・フィリップは17歳の役を演ることを心配したらしいが、細面な顔立ちに現れる屈託のない笑顔が眩しくて、彼が演ることによってむしろ主人公は美しく強引であざとく、でも爽やかで屈託がない最強の生きものになった。こんな高校生に言い寄られたら、そこら辺の世間体や倫理観など吹っ飛んでしまうのもやむを得ないような…。結果として女性は「子供を二人」抱えることになるので、その代償はあまりにも高いのだが…。

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SpicaM

4.0『肉体の悪魔』とは本の題名にしてもなかなかスゴい(原題は「体の中の悪魔」)。で、そのまま映画の題名にしたのもスゴい。然し昔の映画は“酔わせて”くれる。現代の映画にその感興はないなァ。

2023年1月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

①フランス人の友達(30代半ば)が“ジェラール・フィリップはフランスではもう過去の人なのに、日本では出演映画の特集が組まれるなんて”、と驚いていた。
②ジェラール・フィリップは17歳の高校生には見えないが、天才子役でもない限り同年代の俳優ではあのvividな演技は出来ないだろう。
或いは、大人の国フランスとはいえ、17歳の高校生が人妻と肉体関係を結ぶ映画に、当時10代の俳優は流石に使えなかったのか。
あと、この映画のジェラール・フィリップは、後にフランス映画の生んだ希代のイケメン俳優と呼ばれるにはまだ痩せぎすで、それがフランソワのまだ幼く、でも一途な恋愛感情の

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もーさん

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