1963年公開、アメリカ映画。
【監督】:ジョン・スタージェス
【脚本】:ジェームズ・クラヴェル、W・R・バーネット
【原作】:ポール・ブリックヒル〜『The Great Escape』
主な配役
【独房王ヒルツ】:スティーブ・マックイーン
【調達屋ヘンドリー】:ジェームズ・ガーナー
【″BIG X″ ロジャー】:リチャード・アッテンボロー
【ラムゼイ大佐】:ジェームズ・ドナルド
【トンネル王①ダニー】:チャールズ・ブロンソン
【トンネル王②ウイリー】:ジョン・レイトン
【偽造屋コリン】:ドナルド・プレザンス
【製造屋セジウィック】:ジェームズ・コバーン
【処理屋アシュレー=ピット】:デヴィッド・マッカラム
【情報屋マック】:ゴードン・ジャクソン
【測量屋カベンディッシュ】:ナイジェル・ストック
【元騎手アイブス】:アンガス・レニー
【ヒルツのグラブ保管役?ゴフ】:ジャド・テイラー
【収容所長フォン・ルーゲル】:ハンネス・メッセマー
【監視兵ウェルナー】:ローベルト・グラフ
◆スティーブ・マックイーンカッコいい!
撮影時33歳の彼は、もう完成形に見える。
渋くて、可愛くて、ちょっと不器用で、クールで、侠気があり、タフ…
松田優作と高倉健を足して2で割らない(笑)
そんな存在だ。
物語のメインストリームに居ないのに、誰よりも輝いてみえる。
51歳で病死した彼だが、
映画界は、彼に変わる存在をいまだに得てない。
不世出の役者だろう。
◆実話と原作と脚本と
「スタラグ・ルフト III」という名称の捕虜収容所で発生した大量脱走とゲシュタポによる処刑。
跡地は史跡化され、脱走用トンネルの一部も公開されているらしい。
生き残った捕虜の一人が小説化し、
監督のジョン・スタージェスが映画化権を手に入れた。
原作未読だが、原作と映画脚本は
登場人物の名前や出身国など基礎情報を含めて、
かなり異なるらしい。
一年がかりの脱走を、172分の娯楽作品に仕上げるのだから省略やデフォルメは必須だ。
しかも、本作は抜群に面白い。
特定人物にスポットを当てるのではなく、
個々人ごとのストーリーを紡いでいく。
また、
ドイツ軍の中にも良識派がいたことを表現している。
監視兵の一人(ウェルナー)を巧みに取り込んでいく流れなどはスパイ映画の要素もあり、面白い。
独房で壁当てに興じる捕虜(ヒルツ)を放置するのも面白い。
事実だったかどうかは関係ない。
事実ならすごいし、虚構ならナイスアイデアだ。
BIG Xを演じたリチャード・アッテンボローは、のちに『遠すぎた橋』のメガホンをとるが、
本作に大きな影響を受けているように感じる。
(↑いつもの勝手読みです)
◆キャスティング
スティーブ・マックイーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン…
彼らだけに留まらず、登場人物ひとりひとりに完全に感情移入できる。
脚本とキャスティングが完璧に噛み合っている。
◆監督
ジョン・スタージェスの最高傑作だろう。
『荒野の七人』より緻密で、
『鷲は舞い降りた』よりエンターテイメントがある。
◆まとめ
この古い作品に、映画.comで100件を超えるレビューがあることに驚かされる。
古くて新しい、まさに、そんな作品なのだろう。
史実にこだわりすぎず、
それでいてリアリティやディテールには徹底的にこだわり、戦争という枠を超えた娯楽作品に仕上げた。
☆4.5
※マイナス0.5は何なのか。
自分でもうまく言語化できない。
わかれば、追記します。