戦艦ポチョムキン

劇場公開日:

解説

セルゲイ・M・エイゼンシュテインが、第一次ロシア革命と呼ばれる一九〇五年革命のなかの、歴史的事件“ポチョムキン号の反乱”をテーマに製作したもの。彼は監督・シナリオ・モンタージュを担当し、《リズミック・モンタージュ》と《音調モンタージュ》は特に有名である。シナリオはニーナ・アガジャノヴァ・シュトコがエイゼンシュティンに協力している。撮影はエドゥアルド・ティッセ、音楽はニコライ・クリューコフ、録音はイ・カシケヴィッチ、美術はワシリー・ラハリスが担当した。なお、助監督にグリゴーリ・アレクサンドロフがついている。出演はア・アントーノフ、グリゴーリ・アレクサンドロフ、ウラジミール・バルスキーらのほかに、エイゼンシュティン自身が神父役で出演している。製作一九五二五年だが、モスフィルムが一九五〇年に発声版を作っている。

1925年製作/66分/ソ連
原題または英題:Battleship Popemkin
配給:ATG
劇場公開日:1967年10月4日

ストーリー

軍隊の度重なる敗北にともない、ロシア国内には、労働者ゼネスト、農民の暴動、従属民族の反乱が相次ぎ、革命の気運が漸く軍隊の内部にまで高まって来た一九〇五年六月。戦艦ポチョムキンは、労働者のゼネストが行なわれているオデッサの港からほど遠からぬところに碇泊していた。六月十四日の朝、甲板の一隅に吊された牛肉の表面に蛆が群がっていることから、水兵たちの怒りは爆発した。が、そこに現われた先任士官ギリヤロフスキーにより水兵たちは追いちらされ、食卓には腐肉のスープが並べられた。だが、誰一人として手をつける者はなかった。数刻後、緊急集合のラッパが鳴り渡り、甲板に整列した全員にむかって艦長ゴリコフ(V・バルスキー)は、スープに満足した者は前に出ろと命じ、出ない者は帆桁に引っぱりあげるようにと命じた。水兵たちは動揺した。その時水兵の一人マトウシェンコは水兵たちに砲塔の下に集まるよう呼びかけ多くの水兵はその指示に従った。ギリヤロフスキーは、衛兵に艦首に残った十数名の水兵を射つように命令した。間髪を入れずワクリンチュク(A・アントーノフ)がさけんだ。「兄弟たち、誰を射つつもりか!」という言葉に、衛兵たちの銃はおろされた。ギリヤロフスキーは再度命令したが、撃つ気のない衛兵をみてその手から銃をとり水兵たちを撃とうとした。水兵たちは一斉に立ち上った。軍医や艦長は海に投げこまれた。しかし、指導者ワクリンチュクもギリヤロフスキーの銃にたおれた。このポチョムキンでの暴動のニュースはすぐ町中に広がり、多くの大衆の心を大きくゆさぶった。それから間もなくポチョムキンには黒海艦隊が鎮圧にくるという情報が入った。降伏か抗戦かをめぐって激しい討論の末、ポチョムキンは抗戦ということに決った。夜になり、艦隊は姿をみせた。マトウシェンコの命令で、ポチョムキンのマストには「われらに合流せよ」の信号旗が上げられた。艦隊は射程距離内に入った。戦いか、死か、緊張した一瞬がながれた。そして次の瞬間、ポチョムキンの水兵たちが聞いたのは、津波のように押しよせてくる「同志!」という言葉だった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.5エイゼンシュテインによって映画はさらに進化した‼️

2025年1月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD

泣ける

怖い

興奮

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活動写真愛好家

5.0

2025年1月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

水の動き、光
それだけでリアリティを示すことができる監督に多額の資金を与えるとこの傑作が生まれる
1つ1つのショットが凄く良いのに勿体ぶって長く見せずに次から次へと見せていくからカット数はとても多い
観ていて気づいたのだが
ワンカットの秒数に規則性がある気がした
この映画はかなり人工的なものだと感じた

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悠

4.5緊張の連続

2024年10月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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komasa

3.0つくり手の意気込みも感じられる

2023年12月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

もちろん評論子自身、歴史問題に詳しいわけではありませんけれども。
戦艦ポチョムキン号艦上での乗組員の叛乱と、引き続くオデッサ階段でのロシア政府軍による蜂起民衆の虐殺事件という、ロシア革命の発端となったとされている事件をを描く一本とのことです。本作は。

不衛生な食材(腐敗しかかった肉)が乗組員の叛乱の契機となったことは、評論子にも容易に納得ができました。
航海中でも非番のときにはネット配信で映画を楽しむことのできる令和のこの世の中とは違い、当時の航海中の楽しみは食事くらいなもの。
その食材が問題とあれば、乗組員の不満が爆発することに、何の不思議も無かろうと思うからです。

艦上では乗組員の蜂起に対抗できるのは、員数の限られた士官のみ。
艦上では、蜂起部隊は容易に実権を掌握することができたことでしょう。
しかし、武力を容易に補充して投入できる陸(おか=陸上)では、そうは問屋が卸さなかったようで、オデッサ階段での民衆の蜂起は、容易に政府軍に鎮圧されてしまう―。
しかし、その悲劇が、民衆の心に火を点け、かえって革命の、いわば「起爆剤」となってしまったことも、容易に推察されるところです。

「無声映画」というと、コマとコマとの間にセリフのカットが入る、あのスタイルを思い起こしがちですけれども。
本作は音楽が効果的に使われて、いわゆるモンタージュ効果(?)で、ブツブツ切られることなくストーリーを追える作品に仕上がっていたと思います。

佳作の評価に充分に値するものと思います。評価子は。

(追記)
もちろん、この時代の製作ですから、モノクロ映画なのですけれども。
しかし、ラストシーン近くの赤旗が風に靡(なび)くシーンでは、旗に細工がしてあり、赤色に着色されています。
この頃、もちろんCGなどで着色の技術はなかったはずですから、おそらくは、一コマ一コマ手作業で、フイルムに細工したものと思われます(風に靡(なび)く旗と着色とが重ならず、少しくズレている様子が見て取れる)。
その根気強さに、製作者の本作に懸ける「意気込み」「思い入れ」を感じたのは、独り評論子だけではなかったかと思います。

(追々記)
評論子の住む近隣の市で、新しく映画サークルができるということで開かれた、その「旗揚げ上映会」で鑑賞した作品になります。
映画は、もちろん観ることも大事ですけれども、それに劣らず、自分なりの評を聞かせ合うことも大事と思います。
(その意味では、この映画COMのようなサイトも有用と、評論子は思う。)
旗揚げ上映に本作を選んだことに敬意を表するとともに、生まれたてホヤホヤのこのサークルが、会員諸氏の熱意で、長く活動することを衷心から祈念いたします。

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talkie

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