ジャガーノート

劇場公開日:

解説

荒れ狂う北大西洋を進む豪華客船にメガトン級の爆弾が何者かによって仕掛けられたことから起こるサスペンス。製作総指揮はデイヴィッド・V・ピッカー、製作・脚本はリチャード・デコッカー、監督は「三銃士(1974)」のリチャード・レスター、撮影はジェリー・フィッシャー、音楽はケン・ソーン、編集はトニー・ギブスが各々担当。出演はリチャード・ハリス、オマー・シャリフ、デイヴィッド・ヘミングス、アンソニー・ホプキンス、シャーリー・ナイト、イアン・ホルム、クリフトン・ジェームズ、ロイ・キニア、フレディ・ジョーンズなど。

1974年製作/イギリス
原題または英題:Juggernaut
配給:ユナイト
劇場公開日:1975年3月21日

ストーリー

二万五千トンの豪華客船ブリタニック号は、華やかな見送りをうけサウザンプトン港を離れ、北大西洋へと乗り出して行った。千二百人の船客は荒れ模様の天候に悩まされたが、サービス精神に溢れる余興係のクレイン(R・キニア)やハンサムなブルーネル船長(O・シャリフ)によって順調なすべり出しだった。ブリタニック号が北大西洋の真中にさしかかった頃、船主のサバレン運輸の専務ポーター(I・ホルム)に電話がかかってきた。ジャガーノートと名のる謎の男は、ブリタニックに時限爆弾を仕掛けたこと、明日の夜明けには船は木ッ葉みじんになることを告げ、五十万ポンドを要求した。夜明けの八時十分まで残すところは二十二時間しかない。犯人の要求に対して政府、海軍、警察は、身代金を払わず、爆弾は爆薬処理班が処理する方針を打ちだし、ブリタニック号に妻子が乗っているマクレオド警視(A・ホプキンス)に捜査を命ずると同時に爆弾のオーソナリティ、ファロン中佐(R・ハリス)、その部下チャーリー(D・ヘミングス)をブリタニックに送り込んだ。この回収作業に、船長と情事にふけるバーバラ(S・ナイト)やコリガン(C・ジェームズ)を始めとする船客は手に汗を握った。残された時間は十数時間、ファロンは巧妙に仕掛けられた爆弾に手をやいていた。一方、マクレオドは爆弾設計のプロ四十六人を洗っていた。ブリタニック内では爆弾の置かれた機関室付近をブロックごとに封鎖しスピーカーをつけたファロンが一本のネジ、一本の線を切るごとに安全を見きわめながら他の班員がそれに従った。そんな慎重な作業にもかかわらず、ドラム缶を切断するとき爆発を招き二人が死亡した。千二百人の生命がファロンの判断に託されているのだ。数時間後、ファロンが一番信用していたチャーリーが爆発のために死亡した。薄氷を踏むような作業を行いながらファロンは、第二次大戦中、最も巧妙な地雷を作った一人の男のことを考えていた。その男は既に死んでいたが、その地雷を知っている者は唯一人、当時の上官バックランド(F・ジョンズ)だけだった。その頃、マクレオドもバックランドを犯人と断定、取調べ中だった。夜明けまであと二時間、ファロンはバックランドを対策本部のマイクの前に呼ぶことを要求した。赤と青の線のどちらかが時限爆弾につながり、それを切れば千二百人の生命は断たれるのだ。爆発まであと数分、ファロンの必死の説得に対しバックランドは青の線を切ることを命じた。ファロンの持つ鋏が揺れ動いた。「赤だ! 赤を切れ」。ファロンは部下に命じた。彼の判断は正しかったのだ。ブリタニック号は無事に夜明けを迎え、目的地に向けて動き始めた。

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映画レビュー

5.050年ぶりでもやはりよい

2023年12月4日
PCから投稿

50年前のパニック映画ブームの時は「タワーリングインファーノ」や「大地震」みたような所謂大作が注目されていましたが、今見返すと「サブウェイパニック」や当作などの当時は伏兵扱いされていた作品は秀作揃いですね。

尤もパニック映画ブームとか言って嬉しがっていたのは日本だけで、米英映画はこの手のスリラーをいつでもコンスタントに作ってますけどね。

ハリス先輩をスーパーヒーロー的ではなく、浮世離れした伊達男風に演出したところが当作をいかにも英国的シニカルなスリラーに仕上げた最大の要因でしょう。

しかしラストは、結果なんかミエミエなのにスリラーMAXですね。

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越後屋

5.0何度観ても面白い

2023年9月18日
Androidアプリから投稿

嵐の中、爆弾処理班が船に乗り込む動のシーン。
後半の行き詰まる静のシーン。
クライマックスでリチャード・ハリスが自分を拳しながら爆弾に向かうシーン。
全てが名シーンだ。

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ムーラン

1.0赤か青か

2020年5月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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odeonza

4.5緊張の爆弾処理現場の描き方が特に素晴らしい

2013年3月8日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

興奮

知的

総合:85点
ストーリー: 85
キャスト: 80
演出: 90
ビジュアル: 70
音楽: 65

 映画全体として優秀作品と言えるが、特に爆弾処理の現場の描き方がとてもいい。司令部で爆弾の設計を図に再現し、現場の実際の解体処理を一つ一つシュミレーションしていく。本当の爆弾処理についてよく調査してそれを再現しているのがわかる。これが一つ間違えれば終わりという極限の緊張感が直に伝わる素晴らしい演出に繋がっている。そしてそこには自分だけでない人の命のやり取りと作業員や関係者の心の動きが描かれる。
 もちろんその裏での犯人探しや乗客それぞれのドラマ、刑事などの関係者の動きがしっかりと描かれている。「ポセイドン・アドベンチャー」などと比較してあまり有名でないかもしれないが、同じような豪華客船を舞台にして、危機の中で命のやり取りをする内容の作品として充分に見る価値のある映画。高い能力を持った誇り高いプロの命を賭けた仕事振りが見て取れる。

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Cape God