最後の突撃(1944)
劇場公開日:1950年11月13日
解説
「邪魔者を除け」「落ちた偶像」「第三の男」の監督として有名なキャロル・リードが戦時中に作った映画で、「情熱の友」の脚色者エリック・アンブラーが書卸した原作を、彼が監督・脚本家・俳優のピーター・ユスティノフと共同で脚色し、「大いなる遺産」「情熱の友」のガイ・グリーンが撮影した。音楽は「艶ごと師」のウィリアム・オルウィン、製作は「闇の人生航路」のノーマン・ウォーカーと「魔の山」のジョン・サトロである。「天国への階段」「素晴らしき接吻」のデイヴィッド・ニーヴンが主演し、彼を助けて「ハムレット(1947)」「幸福なる種族」のスタンリー・ホロウェイ、「船団最後の日」のジェームズ・ドナルド、「激情」「シーザーとクレオパトラ」のジョン・ローリー、「誘惑の港」のレスリー・ドワイヤー、俳優で脚本も書き「トリエスト行寝台列車」等に出たヒュー・バーデン、「兇弾」のジミー・ハンリー、「誘惑の港」のウイアム・ハートネル、「三つの情熱」のレイモンド・ハントレー、監督兼俳優のピーター・ユスティノフ、「ヘンリー五世(1945)」のルネ・アシャーソン、「四重奏」のジャック・ワトリング等が助演。
1944年製作/115分/イギリス
原題または英題:The Way Ahead
配給:英国映画協会=NCC
劇場公開日:1950年11月13日
ストーリー
一九三九年、ドイツの欧州侵略に対する為、イギリスは国民軍を創設して陸軍の増強に努めたが、戦況は次第に悪化し、一九四一年総動員命が下り、各地からあらゆる階級の青壮年が兵営に集った。国会議事堂のボイラーたきブルワーも、商店の支配人ダヴェンポートも、農夫のルークもそのほかロイド、ベック、パースンズ、ステイナー、トラスコットの八名は、ナポレオン戦争以来の伝統に輝くグレンドン公軽歩兵連隊の同一班に所属することとなった。小隊長はペリーで、フレッチャー軍曹が彼等に激しい訓練を与えた。一同は軍曹が個人的な悪意から残酷に当って来るのだと思い、ロイドはペリーに訴え出たが、小隊長は彼を説きふせると共に、軍曹の訓練は益々激しくなる。不平を抱いた彼等はペリーから連隊の演芸会に出場を求められた時も、誰一人申出ようとはしなかった。酒場で働いている町の娘マージョリーに招かれて、休日に八名は彼女の家を訪れたが、その時ペリーも来合せた。兵営外で語り合った一同は小隊長が立派な人間であることを知って、後で演芸会に出場を申込んだ。演芸会の夜、兵営を脱走したパースンズが憲兵に捕えられて連れ戻された。ペリーが事情を聞くと彼は出征後に妻が債鬼に責められているのを知り、何とかそれを片ずけて秘かに又帰営しようとしたのだった。翌日から実戦さたがらの猛演習が開かれ、小隊は猛訓練の甲斐あって見事な成績を収め意気揚々と帰営した。するとパースンズはペリーと連隊長の特別の計いで最も軽い罪で許されていた。数日の特別休暇が与えられた後、一九四二年の夏、連隊は輸送船で出発したが、誰も行先は知らなかった。部隊はジブラルタルに居るらしいと妻たちは話し合った。然し彼等にも遂に上陸の時が来た。一九四三年三月北アフリカの某地に上陸、ドイツ軍の進撃を待った。やがて敵の部隊は進攻し、町は敵の空襲を受けて破壊された。ドイツ軍は彼等に降服を勧告したが、一言のもとにそれを退けた彼等は、やがてペリーとフレッチャー軍曹を先頭に、銃を構えて、敵陣めがけて煙幕の中へ消えて行った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- キャロル・リード
- 脚色
- エリック・アンブラー
- ピーター・ユスティノフ
- 原作
- エリック・アンブラー
- 製作
- ノーマン・ウォーカー
- ジョン・サトロ
- 撮影
- ガイ・グリーン
- 火事シーン撮影
- デリック・ウィリアムス
- 美術
- デヴィッド・ローンズリー
- 音楽監督
- ミュア・マシースン
- 作曲
- ウィリアム・オルウィン
- 特殊効果
- ヘンリー・ハリス
- ビル・ウォリントン
- 軍事顧問
- ブライアン・メイフィールド
- R・フェローズ