希望の樹

劇場公開日:

希望の樹

解説

社会の不条理を告発する作品で知られ、20世紀を代表する巨匠として世界の映画人に多大な影響を与えたと言われるジョージアのテンギズ・アブラゼ監督が1976年、当時ジョージアがソ連の構成国だった時代に手がけ、ある一組の恋人の悲劇的な愛を描いた人間ドラマ。20世紀初頭、革命前のジョージア東部カヘティ地方の美しい農村。時代の大きな変化を予感した村人たちは、それぞれに動揺し、美しい娘と青年の純愛が古い因習によって打ち砕かれていく。アブラゼ監督が67年に手がけた「祈り」、84年製作の「懺悔」とあわせて「祈り3部作」とされる。日本では1991年に劇場初公開。2018年、「祈り3部作」の劇場公開が実現し、本作もリバイバル公開。

1976年製作/107分/ソ連
原題または英題:Drevo Zhelaniya
配給:ザジフィルムズ
劇場公開日:2018年8月4日

その他の公開日:1991年3月9日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)“Georgia Film” Studio, 1977 (C) RUSCICO, 2000

映画レビュー

3.5集団の暴力を糾弾するアブラゼ監督の志が!

2018年11月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

グルジアのテンギズ・アブラゼ監督の「祈り3部作」から、1967年の「祈り」に続く76年作。前置きは「祈り」のレビューを参照していただきたい。

陰影が強烈なモノクロ映像の「祈り」と続けて観たせいか、ポップとさえ感じるカラフルな映像、そして軽妙な会話やら、巨乳のエロい美女やら、天使のような美少女やらで、リラックスした雰囲気の群像劇かと思いきや、モラルの名の下に行われる「集団の暴力」に嫌悪するこの結末はいったい…

ソ連時代のグルジアでこのような危険な作品を撮ったアブラゼ監督の「熱い志」が見えてきたところで、何と3部作の3本目、一番気になっていた87年の「懺悔」の見逃しが決まった。たかが映画だとは言え落ちる。

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共感した! 3件)
エロくそチキン

5.0とても良かった

2018年10月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

三部作と言われているだけあり「祈り」と似た内容だが、劇映画としてこちらの方が面白かった。登場人物のキャラの面白さをエンジンにストーリーが進んでいくのだが、全員残らず魅力的で素晴らしい。笑えるシーンも満載だし、恋愛物語の瑞々しさも、雷雨のシーンなどとても良かった。

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共感した! 1件)
どんぐり

4.5美しいヒロインへの残虐性...

2018年8月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

萌える

テンギズ・アブラゼ監督祈り三部作上映。
旧態依然な因習・掟を守る村を描きつつ、管理国家・社会とそれに盲従する人々、金勘定に走る教会を痛烈に批判する。
風景や若者たちがあまりに美しいだけに、世の中のグロテクスさが際立つ。
弱いもの虐め国家や、見て見ぬふり国民にならないように願う希望の樹は見つけられるだろうか...
多くの人に観て頂きたいジョージア映画(缶コーヒーとは関係ない)。

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旅するランナー