愚なる妻
解説
エリッヒ・フォン・シュトロハイム氏が「悪魔の合鍵」後1年有余の歳月を費やして莫大の費用を要して一昨年完成したユ社ジウエル大作品である。主役、原作者、脚色者、監督者として氏は全精力をこの作品に傾注している。その他デゥ・ポン嬢、モード・ジョージ嬢、メイ・ブッシュ嬢、マルヴ氏等が共演している。本映画が昨年秋ユ社東京支社に輸入されてより、同社の宣伝はもとより各新聞雑誌等の注意の眼本映画の上に集まり、為に多大の同映画製作余談その他が一般社会に伝えられた。
1922年製作/アメリカ
原題または英題:Foolish Wives
ストーリー
ここは観楽の都として有名なる地中海に臨む一小国モナコの港モント・カルロである。米国から重要な使命を帯びて来たアンドリュー・ヒューズ夫妻は彼等がここを踏むや否や、既に彼等を狙う悪魔のある事を知らなかった。悪魔とは何者?そはペチニコフ姉妹及び伯爵カラムジンとて露国貴族なりと称する3人である。彼等は世の眼をだまし自己の悪事を続けるにヒューズ夫妻の如き顕要の地位にある人々と交際し世人の信用を得るにありとし、早速接近の役にあたったのは悪魔の如きカラムジンで、先ずヒューズ夫人に接近した。人の表面のみ信をおき、真の性情を知らぬ正直な夫人は、露国の紳士であると彼を信用したのが不覚で、彼女は次第に悪人の奸策の深淵に陥ちんとし、悲劇の幕は織りだされんとした。要するに彼女は愚なる妻の一人であった。突如物凄き嵐の一夜、別荘アモロサの恨みの炎上、やがて憎むべきカラムジンの横死、毒婦等の最後の身の詰り。それらはヒューズ夫人に得がたき人世の教訓を与えた。かくて彼女は真実自己を愛する夫の腕に抱かれて、我身を全うし得た事を神に感謝した。
スタッフ・キャスト
- 監督
- エリッヒ・フォン・シュトロハイム
- 脚本
- エリッヒ・フォン・シュトロハイム
- 原作
- エリッヒ・フォン・シュトロハイム
- 撮影
- ベン・F・レイノルズ
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Andew_J._HughesRudolph Christians
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Helen_his_wifeデゥ・ポン
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Rrince_Olga_Petschnikoffモード・ジョージ
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Princess_Vera_Petschnikoffメエ・ブッシュ
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Count_Sergius_Karamzinエリッヒ・フォン・シュトロハイム
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Marushkaデール・フラー
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Pavel_PavlichAl Edmundsen
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Caesare_Ventucciチェザーレ・グラヴィナ
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ManriettaMalyine Polo
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Dr._JuddLouis K. Webb
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His_WifeMrs. Kent
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Albert_I._Prince_of_MonacoC. J. Allen