お前と俺
劇場公開日:1971年2月25日
解説
プロ・オート・レーサーの若者たちに焦点をあわせながら、現代アメリカの断面を衝く。製作はアルバート・S・ラディ、監督は「裸のランナー」のシドニー・J・フューリー、脚本をチャールズ・イーストマン、撮影はラルフ・ウールジー、美術をラリー・ポール、編集はアーダイル・ネルソン・ジュニア、レーサー用革服デザインをピエール・カルダンがそれぞれ担当。出演は「明日に向かって撃て!」のロバート・レッドフォード、「脱走山脈」のマイケル・J・ポラード。その他、新人ローレン・ハットン、ノア・ビアリー、ルシル・ベントン、セーラー・セント・ジョンなど。テクニカラー、パナビジョン。1970年作品。
1970年製作/アメリカ
原題または英題:Little Fauss and Bog Halsy
配給:CIC
劇場公開日:1971年2月25日
ストーリー
頭はニブイがオートバイ狂のファウス(マイケル・J・ポラード)は、移動式トイレ屋の父(ノア・ビアリー)や母(ルシル・ベントン)の応援をうけ、アリゾナの小さなレースをドン尻ながら意気盛んに走っていた。そのレース場には背中に大きな傷を持った男ハルズイ(ロバート・レッドフォード)が女を傍らに飲んだくれていた。数日後、ハルズイは愛用のヤマハを修理するためオートバイ店に立ち寄るが、出てきた店員はファウスであり、たちまち2人は意気投合する。そして、近くの砂漠で行われた草レースに2人は出場するが、ハルズイの無茶な運転でファウスは脚を折り、入院してしまう。その病院で、デタラメさ故にプロ資格を剥奪されているハルズイは、ファウスの名でプロ・レースに出場したい、勝ったら賞金を山分けしようと話を持ち込む。人の良いファウスは喜んで彼の整備士になる約束をする。次のレースはファウスの完璧な整備でハルズイは2位に食い込み、キンキラキンの衣装を着て、女の子ちゃんたち(セーラ・セント・ジョンら)を連れてゴキゲンで凱旋した。夜ふけて、ハルズイは女の子たちとジャレているが、ファウスは興味を示さない。次のレースに向かった2人は、途中でリタ(ローレン・ハットン)という、ウィリアム・バロウズの本を片時も離さない変わった女の子を拾う。ハルズイは捨てちまえと言うが、ファウスは俺の女にするとがんばる。そして、あまりひどくハルズイがファウスをからかい、大喧嘩となり、2人は別れることになった。リタはハルズイが連れ去り、家に帰ったファウスには、父の死が待っていた。一方、ホテルに落ち着いたハルズイは、背中の傷は高校卒業の時、初めて女の子と寝ることとなり、嬉しくて2階から転げ落ちたんだ、てなふざけたことを言ってリタをくどいていた。数か月たち、レースに出ようと練習を始めたファウスのところへ、サイドカーに妊娠したリタを乗せてハルズイがやってきて、リタを譲るからレースに一緒に出ようと言う。ファウスは断った。ファウスが小さなレースで1位になったのと相前後して、ハルズイも別のレースで優勝する。すぐ後で、リタが女の子を生んだ。ハルズイは別人のように優しくなった。数か月後、シァーズ岬の国際レースに2人は出走できることになった。練習の合間にポーカーをしているうち、ハルズイの傷の秘密が明らかになる。ファウスが徴兵されそうだと言うと、ハルズイはオートバイが壊れる程の衝突をして、大ケガをすれば良いと言う。レース開始の日が近くなり、リタはハルズイから去った。彼は夫にはなれぬ男だし、彼女も強いてそれを望んだわけでもなかった。そしてまた、彼には機械に強い男ファウスの力が必要だったからだ。性格もタイプも水と油の2人であり、憎み合うほどだったが、ただ1点、レースにとり憑かれた2人であった。スタートの号砲が鳴り、100 台のオートバイがいっせいに走り出した。2人の姿は轟音と砂埃りの中に呑まれていった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- シドニー・J・フューリー
- 脚本
- チャールズ・イーストマン
- 製作
- アルバート・S・ラディ
- 撮影
- ラルフ・ウールジー
- 美術
- ラリー・ポール
- 編集
- アーダイル・ネルソン・Jr.
- 衣装デザイン
- ピエール・カルダン