おかしなホテル

劇場公開日:

解説

プラザ・ホテルの一室で起こる3つのドラマからなるオムニバス。製作はハワード・W・コッチ、監督は「二人の天使」のアーサー・ヒラー。脚本はニール・サイモン、撮影はジャック・マータ、音楽はモーリス・ジャール、編集はフランク・ブラクトが各々担当。ウォルター・マッソーが3役を兼ね、彼をめぐる3人の中年女には、モーリン・スティプルトン、バーバラ・ハリス、リー・グラントが扮している。

1971年製作/アメリカ
原題または英題:Plaza Suite
配給:CIC
劇場公開日:1972年3月4日

ストーリー

――第1話――ここはニューヨークのプラザ・ホテル、719号室。陽気だが神経質な中年の主婦カレン・ナッシュ(モーリン・スティプルトン)が、いそいそとこの部屋に入ってきた。彼女は20年以上も前、夫サム(ウォルター・マッソー)と新婚初夜を過ごしたこの部屋で、かつて燃えあがった愛の炎を再び、とやってきたのだ。しかし20余年という歳月の流れは如何ともしがたく、遅れて入ってきたサムは実業家として大きな成功をおさめ、今の関心といえば自分の体重のことと秘書のミス・マッコーマックに向けられており、例によって口喧嘩が始まり、結局、半年前からの秘書との関係を打ち明けたサムに、カレンの怒りが爆発。怒りを鎮めようと殊勝な事を言いだしたサムだが、逆にカレンはそんなサムにすっかり、頼りきっているのだ。サムにはちっともピンとこなかったが。 ――第2話――ハリウッドのプロデューサー、ジェシー・キプリンガー(ウォルター・マッソー)は無類の女好き、プラザ・ホテルに着いたとたん傍のグラマー美人にコナかけたが、一向に反応なし。さらに電話した2人の女も都合が悪くて来られず、ようやく3人目のムリエール・テイト(バーバラ・ハリス)がニュー・ジャージーから車で来てくれるという。ところが、せっかくやってきたムリエールが、5分とたたないうちに帰ると言いだした。ジェシーは猛烈に口説いたが、どうもうまくいかない、そのうち彼女は、映画スターの名がジェシーの口からもれるたびに、婦りそびれていることがわかると、ジェシーは作戦を一変した。今は一流プロデューサーとしてハンフリー・ボガードの家に住みマセラッティを乗り回してはいるが、別れた3人の妻にはことごとく裏切られてきた、と切り出した。その3人の妻が誰と寝たか君は知っているか?こうなってはムリエールはもう帰ることができなかった。 ――第3話――娘の結婚式当日、複雑な気持ちで式の準備に大わらわのロイ・ハブリー(ウォルター・マッソー)を、またまたカンカンにさせることが起こった。娘のミムジーが式に出るのがいやだと、控え室にしていたプラザの719号室のバスルームに鍵をかけて閉じこもってしまったのだ。どなっても返事がないのに業を煮やしたロイは、ドアに体当たりをしたり、椅子でたたきわろうとしたり、果ては居間の窓から出て浴室に忍び込もうとした。妻のノーマ(リー・グラント)が止めたためモーニングは破れ、突然降りだした雨でロイはビショぬれになった。頭にきたロイはミムジーをいぶり出そうとホテルに放火しようとした。ノーマと大喧嘩の末やっとあきらめかけた時、浴室のドアとのすき間から、パパとだけ話しあいたいと書いたトイレット・ぺーパーが差し出された。父と娘の水入らずの話し合いの結果、出てきたロイは下の会場で待つ花婿のボーデン・アイズラーを呼び寄せた。すぐやって来たボーデンはドアをノックして“ミムジーかい?クールになれよ、じゃ下で待ってるから”とだけ言うと、さっさと部屋を出ていった。間もなくミムジーが出て来て、呆気にとられている両親に言った。“さあ、行きましょ”彼女は、ただ両親のような夫婦になるのをこわがっていただけなのだ。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第29回 ゴールデングローブ賞(1972年)

ノミネート

最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル)  
最優秀助演女優賞 モーリン・ステイプルトン
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