宇宙空母ギャラクティカ

劇場公開日:

解説

全長約2000mの飛行体を母船とした、宇宙バス、ロケット定期船などの大軍団が新しい定住の星を求めて宇宙横断の旅に出発するSF映画。製作総指揮はグレン・A・ラーソン、製作はジョン・ダイクストラとレスリー・スティーヴンス、監督はリチャード・A・コーラ、脚本はグレン・A・ラーソン、撮影はベン・コールマン、音楽はステュー・フィリップスとグレン・A・ラーソン、特撮監督はジョン・ダイクストラが各々担当。出演はリチャード・ハッチ、ダーク・ベネディクト、ローン・グリーン、レイ・ミランド、ルー・エイヤース、ジェーン・シーモア、ウィルフリッド・ハイド=ホワイト、リック・スプリングフィールド、ジョン・コリコスなど。

1978年製作/アメリカ
原題または英題:Battlestar Galactica
配給:ユニヴァーサル=CIC
劇場公開日:1979年1月27日

ストーリー

広大な宇宙の一角。12の植民地惑星に分散して生棲する人類の指導者アダー大統領(ルー・エイヤース)は人類の宿敵サイロンズとの一千年に及ぶ戦争を終結させるため、サイロンズ側との和平会談を持つことになった。しかし、サイロンズの真意は交渉に応じると見せかけ実は人類の指導者層が集合した時に奇襲をかけ人類を絶滅させることにあった。その事を悟った宇宙空母ギャラクティカのアポロ大尉(リチャード・ハッチ)と弟のザック中尉(リック・スプリングフィールド)はサイロンズ戦闘機の急襲を受け、ザックは戦死、アボロは危うく母艦に帰投した。ギャラクティカの艦長で、アポロとザックの父でもあるアダマ長官(ローン・グリーン)は大統領に出動命令を要請するがサイロンズと通じる大統領側近バルター(ジョン・コリコス)によってつぶされてしまう。スターバック(ダーク・ベネディクト)らの反撃も空しく無防備の人類はサイロンズの奇襲により12の植民地惑星を全て潰滅されてしまった。人類に残された唯一の基地ギャラクティカは生残者を宇宙船などに分乗し宇宙のはるかかなたにあるという地球に向かった。宇宙コンボイの長旅の間、アボロはセリーナ(ジェーン・シーモア)と知り合い、愛を交わすようになった。しかしギャラクティカでは食糧と燃料が底をつき、惑星キャサリンに補給を求めることになるが、キャサリンの昆虫族オビオンズは、人間を餌としており、しかも、そこで発掘されたチリウム鉱は武器に精製されサイロンズに売却されていたのだ。隠れていたサイロンズの襲撃が始まるが、民間人の協力を得てギャラクティカは万全の態勢を整えこれに対した。サイロンズの戦闘機は火を吹きながら散っていった。キャサリンでは大爆発がおき、それがおさまった後にはサイロンズから解放された人類のあけぼのがあった。

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映画レビュー

5.0「ギャラクティカ」season2<ペガサス3部作>試写会に行ってきました。

2009年1月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「ギャラクティカ」season2<ペガサス3部作>試写会に行ってきました。

●「ギャラクティカ」とは
  映画『スター・ウォーズ』の成功により、アメリカのABCネットワークが制作を決断した大作SFテレビドラマ。ユニバーサル映画が製作し、特撮スタッフには『スター・ウォーズ』のジョン・ダイクストラが招かれた。
1シーズン20話構成で、起・承・転・結の4シーズンで終了が予定されています。

 2003年12月に序章となるミニシリーズがアメリカのSF専門チャンネルで放送されて以来、現在アメリカでは最後の結season4が放送中です。SFとはいえ特殊メイクの異星人は登場せず、戦争と絶望・希望にゆれる人間ドラマを最新のVFX及び独特の撮影法・BGMで彩り、アメリカ国内では「HEROS」以上の高評価を得ています。

 日本では、日本テレビが火曜日深夜に起season1が放送中。

●ストーリー
12のコロニーによって政府を形成する人類は、機械生命体“サイロン”を創った。奴隷や兵士として使われてきた高度な知能を有するサイロンは、感情を持ち始め、叛乱を起こす。人類VSサイロンの長く激しい戦争。戦いは膠着状態となり、やがてサイロンは宇宙の彼方とへ姿を消した。それから40年――。人々が脅威を忘れかけていたある日、サイロンは核攻撃を仕掛けてきた。人類はなす術もなく、何十億もの命が奪われ、惑星カプリカを始めとする12コロニーは壊滅状態になってしまう。数多くの宇宙戦艦が破壊される中、アダマ艦長率いる博物館行きの旧型戦艦ギャラクティカは攻撃を免れた。わずか5万人弱の生存者とともに、ギャラクティカは銀河を逃走する。目指すは、伝説の惑星「地球」。それは、残された人類にとって唯一の希望だった。サイロンの執拗な追撃は続く。そして恐るべきことに、ギャラクティカ艦内には人間と見分けのつかない“人型サイロン”が潜んでいるという…。

この日の試写会では、“ブーマー”ことシャロン・バレリー演じるグレイス・パークが初来日し、新宿バルト9でのイベントに登壇しました。
 東洋系の顔立ちにスレンダーなボディで、日本では彼女のファンが他のキャストよりも多いのだそうです。
そんなファンを代表して「日本沈没」「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」の樋口真嗣監督も登場。彼女を前にして大監督がマジ緊張して質問していたのが可笑しかったです。

 この日の試写は承season2から、名作として評価の高い「ペガサス3部作」が上映されました。3部作の脚本は、「24-TWENTY FOUR-」のスタッフだったアン・コフェル・サウンダースがストーリーを担当。「24」でもアクション以上に印象深い人間模様同様の人間同士の手に汗握る葛藤が描かれていて、なるほどシリーズ最高といえるくらい面白かったです。

 3部作のストーリーは、サイロンの奇襲を逃れ生き延びていたもう1隻の戦艦ペガサスが、ギャラクティカと偶然遭遇することかに派生する物語。
 当初は再会を喜び、艦の指揮については相互不可侵と約束していたものの、ペガサスの女性指揮官ケインは提督であり、キャラクティカのアダマ艦長は階級上部下に当たります。そして軍規に忠実なゆえに非情なケインと、船団をファミリーと考えるアダマ。あまりにも対照的な2人は、やがてギャラクティカ乗員が誤って起こしたペガサス上官の殺害事件により一触即発の状態ヘと至るのです。

 たった2隻の残された戦艦同志で戦争状態直前にまで至るとは、ギャラクティカの苦難の旅路を見届けていたファンにとってショッキングな設定でした。
 そして双方の艦長に暗殺部隊が送られてしまうのです。

 このシーンでケイン提督役には 新スタートレックでロー少尉を演じ、「24」ではパーマー大統領顧問を演じた女優ミシェル・フォーブスを起用。アダマ役のベテラン俳優エドワード・ジェームズ・オルモスとの熾烈な心理演技バトルが繰り広げて見応えたっぷりでした。

 3部作で描かれる両艦クルーの衝突は、シリーズでこれまで繰り返し描き続けてきた問題を一段とクローズアップしました。何しろサイロンでなく身近な人間こそが最悪の敵になるのです。それは、サイロンからの攻撃と同じく、恐るべき危険をはらんでいたのです。そして互いの方針を貫き、部下を守るため、指揮官同士の水面下の攻防が進行したのでした。
 それはseason1の「序章」で、アダマ艦長の口から語られた、サーガの核ともいえるテーマヘと還っていきます。それは3部作でもサイロンの人造人間という正体がばれて捕虜となっていたブーマーにアダマが尋ねことと同じ意味だったのです。
「何故サイロンは人類を滅ぼそうとしているのか」→「人間には、生き延びるだけの価値が本当にあるのか!」

 「ギャラクティカ」を見続けていると人間の愚かな業を見せつけられます。アダマがブーマーに問いただしたその答えは、それが神の意志だからと言うものでした。
 このな業の深い人類ならば、滅ぼそうとしているサイロンの方が正義であり、逃げ惑うギャラクティカクルーたちの方が、神の意志に逆らって生き延びようとしているのではないか?そんな錯覚に陥りそうなほど、このテレビドラマシリーズは、哲学をしているドラマなのです。

 もちろんVFXもスターウォーズ並のクオリティでTVドラマの安っぽい臭さを微塵も感じさせません。
 まずは日本テレビの深夜放送から、キャラクティカの世界に触れてみてください。

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流山の小地蔵