怒りの葡萄
劇場公開日:1963年1月2日
解説
1940年度ピュリツァー受賞、ジョン・スタインベック原作を、ナナリー・ジョンソンが脚色、「我が谷は緑なりき」のジョン・フォードが監督した社会ドラマ。撮影は「嵐ケ丘」など、主にウィリアム・ワイラーの作品を受け持つグレッグ・トーランド。音楽はアルフレッド・ニューマンが担当している。出演者は「荒野の決闘」のヘンリー・フォンダ。この映画でアカデミー女優助演賞を得たジェーン・ダーウェル、「駅馬車(1939)」のジョン・キャラダインなど。製作はダリル・F・ザナック。
1939年製作/128分/アメリカ
原題または英題:The Grapes of Wrath
配給:昭映フィルム
劇場公開日:1963年1月2日
ストーリー
オクラホマ国道を刑務所給与と判る身なりの男が歩いてくる。トム・ジョード(ヘンリー・フォンダ)だ。彼は運転手に頼んでトラックに便乗させてもらう。運転手は遠回しにトムの素性を探る。「俺は刑務所にいたんだ、人殺しでな」トムは捨てぜりふを残しトラックを降りた。家の近くでケーシー(ジョン・キャラダイン)に逢った。彼は元説教師だった。人は砂塵の中をジョード家へつく。が、空き家になっていた。奥をのぞくとミューリイがいた。トムはジョード一家がジョン伯父の家へ移ったと知る。ジョード家は先祖代々からこの土地に住んでいたが、猛烈な砂嵐のため畑の収穫がなく土地会社に奪われたのだ。ジョン伯父家でトムは4年ぶりに母(ジェーン・ダーウェル)と抱擁した。翌朝ジョード一家は中古トラックに家財道具を積みカリフォルニアへ出発した。ケーシーも一緒だった。トラックは炎天下の国道66号線を西へ西へと走り続けた。チェコタ、オクラホマシティ、ベタニーを過ぎた。ある夕、祖父は、永遠の眠りについた。葬式の費用がないので身内の者が埋葬した。カリフォルニアへ入り祖母も死んだ。フーヴァヴィル移民キャンプについた。翌日、賃金のピンハネをする労働ブローカーと労働者の争いが起こった。トムとケーシーは労働者を逃がした。ケーシーは1人で罪をかぶり保安官に連行された。ジョード一家は農場のす桃もぎをして働いた。住まいも与えられた。トムはケーシーに逢った。ケーシーは保安官たちにストライキの首謀者と思われていた。川で乱闘が始まりケーシーは殺された。トムはケーシーを殺した男を殺し、自分も顔に傷を負った。保安官らは顔に傷のある男を捜している。ジョード一家はトムをかくし農園から逃げた。トラックは走り続け国営の農務省キャンプに入った。キャンプ代は週1ドル、母は生活の設備がととのい清潔であることを喜ぶ。だが付近の農場のボスは国営農場の賃金がよいので快く思わない。自分たちの労務者を安く使えないからだ。ある夜、ボスたちは暴力団を使ってキャンプを焼き払おうと計画する。しかし、トムはキャンプ自治会の人々に協力してこの計画を未然に防いだ。トムは仮釈放で州外へ出たので一同に迷惑をかけるのを恐れ1人立ち去る。母はトムを暗闇の中に見送った。翌朝ジョード一家は綿つみの仕事に出発する。父、母、アル、ジョン伯父、2人の子供とロザシャーン。ジョード一家もこれだけになってしまった。夫コニーに置き去りにされて以来ロザシャーンは抜け殻のようになってしまった。そして死産--若いからまた子供を産めるよと母は慰める。ジョード一家のトラックはアルが運転、路傍の立て札は<雇人不要仕事なし>。トラックは快速に走り続ける。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジョン・フォード
- 脚本
- ナナリー・ジョンソン
- 原作
- ジョン・スタインベック
- 製作
- ダリル・F・ザナック
- 撮影
- グレッグ・トーランド
- 美術
- リチャード・デイ
- マーク=リー・カーク
- トーマス・リトル
- 音楽
- アルフレッド・ニューマン
- 編集
- ロバート・シンプソン
- 技術顧問
- トム・コリンズ
-
Tom_Joadヘンリー・フォンダ
-
Ma_Joadジェーン・ダーウェル
-
Casyジョン・キャラダイン
-
Grampaチャーリー・グレイプウィン
-
Rosasharnドリス・ボードン
-
Pa_Joadラッセル・シンプソン
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AlO・Z・ホワイトヘッド
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Muleyジョン・クォーレン
-
Connieエディ・クィラン
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Granmaゼフィー・ティルバリー
-
Noahフランク・サリー
-
Uncle_Johnフランク・ダリアン
-
Winfieldダリル・ヒックマン
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Ruth_Joadシャーリー・ミルズ
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Thomasロジャー・イムホフ
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Caretakerグラント・ミッチェル
-
Wilkieチャールズ・D・ブラウン
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Davisジョン・アーレッジ
受賞歴
第13回 アカデミー賞(1941年)
受賞
監督賞 | ジョン・フォード |
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助演女優賞 | ジェーン・ダーウェル |
ノミネート
作品賞 | |
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男優賞 | ヘンリー・フォンダ |
脚色賞 | ナナリー・ジョンソン |
編集賞 | ロバート・シンプソン |
音響録音賞 |