獣の戯れ

劇場公開日:1964年5月23日

解説

三島由紀夫の同名小説を「アスファルト・ガール」の舟橋和郎が脚色「黒の爆走」の富本壮吉が監督した風俗ドラマ。撮影は「芸者学校」の宗川信夫。

1964年製作/94分/日本
配給:大映
劇場公開日:1964年5月23日

あらすじ

草門優子は、夫の逸平が、乱行をきわめているにもかかわらず、一言も文句を言わない、貞淑な妻であった。幸二はそんな逸平が社長であった「美陶苑」でアルバイトをしていた学生だが、優子が逸平に虐待されているのを知り同情にも似た思慕を感じるようになっていった。ある日、逸平のあまりの乱行をみかねた幸二は、逸平の浮気の現場に優子を連れていった。しかし逸平は、すがりついて哀願する優子を逆になぐりつけた。怒りに燃えた幸二は持っていたスパナで逸平をなぐりつけ、不具の身としてしまった。そんな幸二に同情した優子は、服役を終って出所した、よるべのない幸二を、伊豆の別荘にむかえた。それから、三人の奇妙な同棲生活が始った。失語症の上、半身不随になった逸平は、すっかり人が変ってしまい、放心したような微笑を絶えずうかべていた。そんな逸平を優子は毎日散歩につれていくのだったが、あるとき優子に客が来て幸二がかわって逸平を散歩につれだした。そして途中、幸二は優子を愛していることを告白し、逸平のみだらな生活をなじった。しかし、逸平はただ「死にたい」というだけだった。その夜、伊豆は暴風雨となった。夫の寝言で眼をさました優子は、押えきれぬ欲情に身をまかせて幸二に迫った。しかし、幸二はふとふりかえった隣の部屋から、逸平が放心した微笑をうかべて二人をみつめているのを見て、夢中で逸平にとびかかった。暴風で明滅する光の中に逸平の冷いむくろが、横たわり、その前で激しく抱き合う幸二と優子の姿があった。

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映画レビュー

3.5 三島由紀夫さんのファン、すまん

2025年12月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

単純

若尾文子さんの映画をもっと観たい。
そう思いながらも、キッカケ待ちをしている、というか自然の流れに任せているというか。
本作は興味があったが原作が三島由紀夫だったので避けていた。
(ニガテな作家というより嫌悪感に近い。)

TSUTAYAで観たい新作がことごとくレンタルされており途方に暮れていると目についたのが「獣の戯れ」。
コレが縁というか、獣の戯れを観よ、ということか。

ああ、これは若尾文子さん、というより伊藤孝雄さんの映画。
伊藤孝雄さんが美男子過ぎて、
三島由紀夫が描く美化する日本男子の、
目眩がするような美しくも匂いが強くするような。
富本壮吉監督はまるで三島由紀夫が描きたかった苦悩する美青年を、
三島由紀夫のような視点で描いた。
としか思えない。

三島由紀夫にあるムッツリスケベをイジイジ堪能できる映画であった。
としたら、怒られるよね。

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なかじwithみゆ