コント55号水前寺清子の大勝負

劇場公開日:

解説

水前寺清子の「大勝負」の映画化。脚本は山根成之、砂山圭介の共同執筆。監督は脚本にも参加している「なにがなんでも為五郎」の野村芳太郎。撮影も同作の川又昂がそれぞれ担当。

1970年製作/85分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1970年12月30日

ストーリー

九州島原の炭坑町。粉田金市と片谷次郎は小さい時から喧嘩ばかりしていた。成長してからも、同じ町の清子の姉澄子をめぐって、顔をあわせれば喧嘩がたえなかった。金市は次郎より小さかったが、すばしこくて要領がよく、一方次郎は図体ばかり大きく、ドジでヘマばかりしていた。昭和二十九年。金市、次郎、澄子は集団就職で上京した。金市は床屋の小僧になったが大事な客を傷つけて追いだされ、玩具工場に就職した次郎のもとへ転がり込んだところ、工場長が昼間の客とわかり、次郎もたちまちクビになってしまった。仕方なく二人はそば屋で働く澄子のもとに頼ったが、澄子は行方不明になってしまっていた。行場のない二人は、東京の街に職を求めて右と左に別れた。やがて金市は近源組のやくざに拾われ、次郎は近源組と対立する天城一家の仲間に加わっていた。両家対決の日、次郎が親分の身代りとなって金市のドスを受けとめた瞬間、互いに気付いて、びっくり仰天するが、そこへ刑事が乱入、大混乱になったため、また離ればなれになってしまった。そして十数年後、金市も次郎も、やくざ、プロレスラー、新聞拡張員と転々と職を移りかえ、今は二人とも美容自転車のライバルセールスマンとして働いていた。金市がある日、団地に売り込みにいくと、そこは奇しくも澄子の部屋だった。そして次郎がついさっき訪れたこと、その上澄子に求婚したことを知って、金市は自分も負けてはならぬと、澄子にプロポーズした。クリスマスの夜、澄子の部屋に金市と次郎が訪ねてゆくと、上京した清子がいた。そこで澄子には結婚を約束した恋人がいることを知り二人は落胆して団地をでるのだった。そして昭和四十五年、東京多摩市では市会議員の選挙が行なわれ金市、次郎は共に立候補したが、見事落選した。翌四十六年、九州島原では、清子の帰国リサイタルが開かれていた。そこには今では三児の母親となった澄子と、泣きながら舞台の歌に聞きほれている金市と次郎の姿があった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0会話や、体の動きを観てると楽しくて良い

2021年1月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1=例えば、清子(水前寺清子)が、次郎(坂上二郎)に対し、
  顎を動かして買い物を促す場面 → 観てて笑える
2=コメディ映画は、こんな風に軽妙に笑えるのが良い
3=歌が入ってるのも良い → ①水前寺清子、 ②山本コータロー
4=こういう前向きな映画を観ていると、
  「自分の人生は、失敗ではない」と自信が持てるのも良い

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KEO

3.0ソルティ・シュガーによる「走れコータロー」の貴重な映像が見られる。

2019年12月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ヤクザになったり、プロレスラーになったり、どこへ転職してもライバルとなってしまう2人。故郷を出てから10年ほど経ったとき、互いにライバル同士の健康自転車のセールスマンをやっていて同時に澄子と再会。そして2人とも彼女にプロポーズするのだが、彼女にはパトロンがいて、そのパトロンとの別れ話のクリスマスに結婚を約束した恋人まで紹介される。泣き崩れる2人を慰めたのは上京してきた清子だった。6年後には2人とも成功しようと誓い合い、そのときには清子にプロポーズすることをも誓うのだった。それからはちんどん屋をやっていた欽一は市会議員に立候補。それを見た町工場の社長二郎は張りあって立候補。どちらも落選・・・そのうち清子が歌の才能を発揮させ、プロデビューするのだった。

 東宝から松竹へと移ったコント55号映画。しかも監督は野村芳太郎だ。バカバカしいコントの中にあって、出世欲や金銭欲にとらわれながらも、最終的には友情や故郷を大切にする2人の姿に悲哀を感じさせる。

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kossy